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「日本の面影」を残す街、大連

23 1月
2011年1月23日

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私が大連に住み始めたのは2010年の5月。
その前に住んでいたのは同じく中国の深セン市でした。
しかし、同じ中国の一都市と言えどもこの二つの街は全く違った印象を持ちます。
深センはまだ独自のカルチャーが定着していない新興都市、それに対して大連は
歴史の流れの中で形成された“自我”を持った街です。

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かつて日本の街(正確には租借)としての歴史を持つ大連は、大変ユニークな基礎の上に
成り立つ街と言えるでしょう。
当時の日本による建築物が数多く残されているのはもちろんのこと、日本語や日本の味
などの「日本カルチャー」がごく自然に入り込んでいる感じです。
日本語を話す若者の数も多く、突然話しかけられた時など「この人日本人かな?」と
思ってしまうほど発音も正確です。
たどたどしくも話せる人まで入れたら、日本語を習得している人の数はずい分多いこと
でしょう。
これは深センと大きく異なる点です。
深センでは日本語のみならず、外国語を話せる人はごく少数なのです。

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そしてもう一つ、忘れてはならないのが大連で出会える「日本の味」です。
大連の日本食レストランは、他国と比較してもクオリティーが高いように思います。
それも「美味しいけどその分値段が高い」というのではなく、「そこそこの値段で味が良い」
と言う店が多いのです。
中には「すごく安くてすごく美味しい」という店もありますから、在住日本人のみならず
日本人旅行者にとっても嬉しい限りです。

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その中でも良く見かけるのが「九州の味」です。
大連から福岡までは飛行機で約1時間半程度という近さのせいでしょうか、大連市内では
「博多」を始めとした「九州の味」を提供する店が多いのです。
水たき料理、モツ鍋、博多ラーメンに久留米の焼き鳥などなど、「初めての博多料理を食べ
たのは大連」と言う人もいるほど店舗数が多く人気もあります。

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海外での日本食レストランは、それ自体が高いバリューを持ったり、「行き過ぎた高級感」
に利用者側が振り回されることや、「高すぎる値段設定」に辟易させられることがあります。その点、大連の日本食の店は“ごく当たり前にそこにある”と言った風で、日本で居酒屋
に行くのとさほど変わらない気分です。
これも大連の土地柄、そのバックグラウンドの上に成り立つ事なのかもしれません。
もっともここ数年、在住日本人の数が年10パーセント台の伸び率を見せていることから、
これから先、必要に応じて使い分けのできる「高級店」が現れないとも限りません。
大連はまさに今、過渡期にあるのです。

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日本に近い街、大連。
距離的にも心情的にも近いこの街で、「中国の中の日本」を探してみるのも面白いでしょう。
他の都市とはまた違った中国の一面が見えるはずです。

在住日本人に大人気!「切り絵アート」の魅力とは

07 1月
2011年1月7日

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中華料理店の窓に赤い「福の字」の切り絵が貼られているのを見た事ありませんか?
あの切り絵、実は「剪紙(せんし)」って言うんです。
剪紙は中国の伝統文化のひとつ、紙を切り抜いて描く“絵”のことです。
本来はその用途に合わせ種類や貼る場所も色々ありますが、色の違った台紙に合わせ、
額に入れた装飾用の剪紙を、私は特に美しいと感じます。
筆も絵の具も使わない「剪紙」が描く“絵”の世界、今回はその魅力についてご紹介します。

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ひと口に“紙を切り抜く”と言っても、その方法にはいくつかの種類があります。
ハサミで切るもの、小刀を使って彫るもの、先の細いナイフで刺しながら切り抜いて
いくもの、そして手でちぎるもの。
いずれも「剪紙」ですが、手法ごとに個別の名称があります。

使う道具によって、出来上がった作品の風合いにも違いがあります。
例えば、手でちぎって作る作品には「手作業」ならではの味わいがありますが、
繊細な線を描き出すことはできません。
逆に、先の細いナイフを使って刺すようにして切り抜いた作品は、細かな線まで緻密に
表現することが可能です。
繊細な曲線が描く剪紙の世界は、作者の手によって無限大の広がりを見せるのです。

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剪紙では動物や人物のほか、花や鳥、物語などがモチーフとなります。
中でも干支や十二支などの縁起物は、春節の季節に限らずいつでも人気があるのだとか。
白の台紙に赤の切り絵というシンプルな組み合わせが、部屋のインテリアとしても
好まれるのでしょう。
実際、額に入った剪紙は、色を重ねた絵画にも引けを取らぬほど、爽やかな存在感があります。

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上の写真は剪紙家の趙放(チョウ ホウ)さん。
今回私に剪紙のことを色々教えてくださった方です。

趙放さんは剪紙歴8年、大連市内で剪紙の店を経営するオーナーであると同時に、
新しい作品を生み出す剪紙デザイナーでもあります。
またオーダーメイドの注文はすべてご自身が手掛けるという、超多忙な人物です。
かつて日本にも長く住んでおり、日本語を大変流暢に話されることもあって、
店を訪れるお客の多くは日本人とのこと。
しかし趙放さんの作品が日本人に人気の理由は、それだけではありません。
彼の描く作品の世界は中国の伝統的なモチーフにとどまらず、海外のテイストも積極的に
取り入れた、ユニークで斬新なものなのです。
まずはこちらをご覧ください。

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これはアンモナイトのような渦の中に「人間の一生」を描いた作品です。
新しい生命の誕生から老いへと続く時間の経過を見ていると、喜びと同時に切ない感情が湧いてきます。
想像力を膨らませ、絵の中に自由に入り込むことが出来るのは、まるで投影を思わせる
切り絵ならではの魅力と言えます。
また、作風がシンプルだからこそ多くの要素を同時に描くことも可能なのでしょう。

そしてこちらはクリスマスの一日を描いた作品。

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太陽が輝く時刻には、皆クリスマスの準備に向けて賑やかに動き回っていますが、
日が暮れて夜になると、次第に厳かなクリスマスムードへと変わっていきます。
曲線の繊細さも見事ですが、何より今にも動き出しそうなライブ感と、朝から夜へと
移行する時間の経過が、物語を読むように伝わってくることに驚かされます。

さらに趙放さんは新たな試みとして「切り絵の表札」作りも始めました。
デザインから名前の字体まで全てがオーダーメイドです。
これが在住日本人から大変な人気で、いまや出来上がりまで数カ月待ちの状態だとか。

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意外な作風が日本人の若い世代にも受け、次第に知られつつある中国「剪紙」の世界。
趙放さんのような存在が、その文化を世界に広める担い手となっていることは間違いありません。
中国の伝統文化から生まれた“現代アートとしての剪紙”、皆さんもお気に入りの一点を
探してみませんか。
部屋を彩る素敵なオブジェとなることは間違いないでしょう。
趙放さんの店 三星文化礼品店 zhaofang71@gmail.com (日本語可)

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