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バルとタパスの話

26 9月
2010年9月26日

ここ数年日本ではスペイン料理が流行っているようで、スペインバルと称したお店を
よく目にするようになりました。バルで出される小皿料理のタパスはタパという言葉の
複数形で、そのタパは“フタ”の意味。バルで甘いシェリー酒を飲む時に虫がたかるのを
防ぐために、パンや生ハム、腸詰のスライスでグラスにフタをしたのが語源とも言われています。

<コルドバのバルでのタパスランチ>

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私が初めてスペインを訪れた時は2ヶ月あまりをアンダルシアで過ごしました。
セビージャの町はどこを歩いてもバルだらけ。朝はコーヒーとトースト、お腹が空けばタパス、
夜はビールやワインとずいぶんお世話になったものです。そして地元の友達に、一杯飲んで
一品のタパスをつまんだら次に行く“バルのはしご”を教わり、すっかり病みつきになりました。
「ここはポテトサラダがおいしいよ」とポテトサラダとビール。次のバルでは
「ここのチーズはイケる」とワインとチーズ。一軒に腰を落ち着かせない“はしご族”は
わざわざ座ったりはせず、カウンターや店先で立ったまま飲み食いするんですよ。

<セビージャにある生ハムとチーズ、ワインのおいしいバル>

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グラナダのバルでは飲み物を頼むと無料でタパがついてくるので、これを楽しみにあちこち
はしごしたものです。マドリードやほかの地域にも無料のタパを出すバルがありますね。
バレンシアでは出たとしてもピーナッツかオリーブの実くらいでしょうか。

マドリードの中心にもバルがたくさんあり、行く時はバル巡りを楽しみにしています。
ほんの数種類のタパスしかおいていないエビ専門バルがあり、ここのエビのにんにく
オイルソテーはなかなかのお味。オイルは残さずにパンにつけて食べましょう(^^)
ガイドブックにも載っている有名店なので値段が少々高めですが、1906年の創業当時を
思わせる雰囲気も気に入っています。 http://www.lacasadelabuelo.es/

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ちなみに夫と私がこよなく愛するバルが、スペインの外れ、
アンダルシアはカディス県のサンルーカル・デ・バラメダにあります。グアダルキビール川が
大西洋に注ぐ河口にあり、シェリー酒の一種マンサニージャというお酒で有名な小さな町です。
ここのカビルド広場にあるBalbinoはいつ行っても地元の人で大賑わい。タパスの種類もとても
豊富で、土地柄かいろんな魚介類を楽しむこともできます。残念なのは、わが家からはあまりにも
遠くて滅多に行けないこと・・・

<Balbinoでのお約束は、塩ゆでしたエビと桜エビのかき揚げにマンサニージャ>

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私が住むバレンシア地方にはスペイン中央部やアンダルシアのようなバル&タパス
文化がないものの、バレンシア市内の海に近い古い地域にお気に入りのバルがあります。
創業1836年のCasa Montañaです。 http://www.emilianobodega.com/
パタタス・ブラバス(ポテトフライのピリ辛ソース)は絶品。ビールが進む!
1匹からオーダーできるいわしの塩焼きもおいしく、先日日本からいらした某ベテラン女優さんを
案内したのですが、とても気に入ってくださって嬉しかったです。

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バルのカウンターや立ち飲み席にいると、お店の人やほかのお客さんとの距離も縮まります。
「どこから来たのか?」「おいしいか?」といつの間にか会話が始まり、
ごちそうしてもらったり、一緒に次の店に行ったりすることも。そんなふれあいも私は大好きです。

<思わず入ってみたくなる店構えのバル>

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日本からスペインに旅行に来ると、食事時間が違いや食事のボリュームで胃腸の具合が
悪くなる方がいらっしゃるようですが、そんな方にもバルはオススメ。レストランの開いていない
時間に少量で済ますことができます。ボカディージョ(スペイン版バゲットサンド)を作って
持ち帰り用にアルミホイルに包んでもくれますし、WCに困った時は飲み物を何か1杯
(日本円で200円しません)頼んで用を足せばOK。バルは旅行者の強い味方です(^^)
また、サッカーの試合がある時にファンが集まってTV観戦するバルもあるので、
サッカー好きな人は面白いと思います。

日本のスペインバルのように洗練されたお洒落な雰囲気はなく野暮ったい店が多いですが、
本場のバルは敷居が低く入りやすいですよ。

カタルーニャの伝統芸『人間の塔』

17 9月
2010年9月17日

9月に入っても日中は相変わらず暑いものの、朝夕は涼しくなってきました。

さて、9月24日はバルセロナを厄災から守ったことで
守護聖人と崇められている聖女メルセーの日。
それに合わせ、バルセロナ最大の祭典であるメルセー祭が開催されます。
今年は23日から26日まで。期間中はコンサートや伝統芸能、花火、
巨人のパレード等、たくさんのイベントが目白押し。

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私も一度見に行ったことがありますが、18世紀末から続く伝統、
Castell(地元カタルーニャ語で“城”の意)がとても印象に残っています。
日本語では“人間の塔”と訳される通り、まさに人間でできた塔なのです。

意外にも、その起源はバレンシア郊外のアルヘメシーという
小さな町にあるそうですが、今はカタルーニャの伝統芸。
カタルーニャ各地の祭典で見ることができるほか、
タラゴナでは毎年人間の塔コンクールまで開かれています。
今年の5月には、上海万博のカタルーニャウィークの際にもお披露目されたようですね。
バルセロナのメルセー祭では、旧市街にあるカタルーニャ自治政府庁舎と
市庁舎に挟まれたサン・ジャウメ広場で行われます。

<人間の塔が始まる前の余興>

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塔を構成するメンバーのユニフォームは、
所属するグループの色のブラウスに白いズボン、それに帯とスカーフ。
まずはがっしりと体格のよい男性が土台となり、
その上に一段一段人が重なり塔を築き上げていきます。
ごくたまに、塔が崩れて怪我人が出ることもあるとか。
十分に練習を積んだプロだとわかっていても、見ている方はハラハラ。
塔を作る側にも見る側にも緊張した空気が漂います。7、8段重なり、
最後に身軽な子供が塔の頂点に立つと、まわりから盛大な拍手と称賛の声があがります。

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練習を積み、仲間と強固な信頼関係を築き、知恵と勇気をもって
塔を作りあげるこの伝統芸には、頑ななまでに独自の文化や言語を
守り続けるカタルーニャ人の誇り高い民族意識を感じます。

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写真を撮るのも忘れ、手を叩き続けた私です。

(注)バルセロナはカタルーニャ自治州の州都。カタルーニャでは昔から
カタルーニャ語と呼ばれる現地語が話されており、州の公用語にもなっている。
自分たちはスペイン人ではなくカタルーニャ人だと胸を張る人が多い。

お土産も見つかるエルボラリオ

15 9月
2010年9月15日

今回はスペインのお土産についてちょっとしたアドバイスをしたいと思います。

というのも在住9年目の今年になって、スペインの町のどこでも見かける
エルボラリオ(HERBOLARIO)で日本に持って帰るお土産があれこれ見つかることに
気付いたのです。

エルボラリオは直訳すると薬草店。もともとは日本の感覚でいう漢方薬局でしたが、
近年では自然食品や自然コスメ、サプリメントなども取り扱うお店になりました。
最近話題になっているホメオパシーの薬を売っているのもここ。
日本製ではない怪しい日本食(わかめ、ひじき、瓶詰め豆腐、etc)も手に入ります(笑)
<とあるエルボラリオのナチュラルソープコーナー>

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私は毎年日本に帰るのですが、友達へのちょっとしたお土産にいつも頭を悩ませます。
なるべく軽く、かさばらず、壊れず、そしてスペイン製のもの。これがなかなか難しいんです。
昨冬は手荒れがひどく数種類のハンドクリームを試してみたところ、
エルボラリオで勧められたカタツムリの粘液とアロエ配合のものがとてもよかったので、
これはお土産にいいなとひらめきました。

そこで、ほかにもないものかと探してみると、ありました、ありました。
カナリア諸島産のアロエを使った石鹸やジェル、ハンドクリーム、
オリーブオイル配合のナチュラルソープ、スペインでよく飲まれるハーブティーなどなど。
軽く、かさばらず、壊れないスペイン製品の上、とてもお手頃なお値段!
女友達のお土産にあれこれ買い込みました。

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<カナリア諸島産アロエを使ったナチュラルソープ>

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バレンシアの中心には、無農薬野菜も取り扱いカフェまで併設した
大きなエルボラリオがあり、ダイエット等健康に関する講習や料理教室も開催しています。
市役所裏手にある本店以外にも、バレンシアやアリカンテ県内、
またマジョルカにもいくつかの支店を持っているようです。

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J. Navarro本店
C/ Arzobispo Mayoral, 20 Valencia
C/ San Vicente, 63 Valencia (入り口が異なる通りに1つずつあります) 電話: 96-352-2851 http://www.terraverda.com/

スペイン旅行のお土産に困ったらエルボラリオをのぞいてみて下さいね。

1日に5回食べるスペイン人

05 9月
2010年9月5日

スペインに旅行に来た人から
「夕ごはんを食べにレストランへ行ったら、9時からと言われて困った」
といった類の話を聞くことがよくあります。確かにスペインの食事時間は
日本とはずいぶん違います。その上、1日に5回食べるんですよ。ご存知でしたか?

まずは朝ごはん。ミルクの入ったコーヒー(カフェ・コン・レチェ)と
ビスケットで簡単に済ます人が大勢います。私の夫はカフェ・コン・レチェのみ。
もう少し食べたとして、トーストや菓子パン、シリアル、ヨーグルトでしょうか。
日本の朝ごはんの話をすると、朝からご飯に魚に卵、おまけにスープも?!と驚かれます。
子供の肥満化が進む最近では、肥満防止と健康のために朝ごはんをしっかり食べようという
キャンペーンも見られるようになりました。

<バルのモーニングの定番。トーストとカフェ・コン・レチェ>

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軽い朝ごはんでは2時に始まるお昼ごはんまでお腹が持ちません。
というわけで、午前中にはアルムエルソと呼ばれる軽食をとります。
時間にして10時半前後。幼稚園や学校ではもちろんのこと、
軽食タイムを設ける職場も少なくありません。公務員や銀行員など、
8時から15時という勤務時間で働く人にとってはなくてはならないアルムエルソなのです。
カフェやバルでもこの時間にはアルムエルソセットを出します。
飲み物、ナッツやオリーブの実、ボカディージョ(スペイン版バゲットサンド)、
それにコーヒーで4.5ユーロ(約500円)のセットをよく目にします。
ビールを飲んで職場に戻ることも珍しくありません。

<ある日のフランス風アルムエルソ>

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そして、1日のメインはお昼ごはんです。
以前は学校からも職場からもいったん帰宅して家族揃って食べたそうですが、
生活スタイルの多様化で、今は給食を食べる子供や職場かその近くで食べる人も。
たっぷり時間をかけて、おしゃべりを楽しみながら食べるのがスペイン流です。
私が以前勤めていた日系企業では、お昼ごはんの時にアルコールを摂取することを
禁止していましたが、スペイン人の感覚ではビールやワインを飲むことは
“普通”以外なにものでもありません(^^)
ちなみに、私の住む田舎町では、学校やオフィス、商店は
どこもたいてい3時間から3時間半の昼休みをとっていますね。

<ランチメニューはたいてい店頭に出ています。
ここは、前菜+メインに飲み物、デザート、コーヒーで10ユーロなり>

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<バルでランチメニュー用に作られたパエージャ。基本的にお米料理を食べるのは昼>

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たっぷりお昼を頂いても夕方になると小腹が空くようで、またまた軽食タイムがあります。
子供たちは5時に幼稚園や学校が終わると、帰り道や公園でメリエンダとよばれる
軽食を食べます。たいていはボカディージョ。歩き食べ遊び食べは当たり前。
日本のように「座って食べなさい」という躾は存在しません。
大人は会社帰りにバルに寄ってタパスをつまみに一杯やったり、カフェで何かをつまんだり。
私もこの夏は、息子が毎夕遊ぶ広場のバルで何度タパスセットを注文したことか(^^)

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<冬のメリエンダの定番でもあるホットチョコレートと揚げドーナツ>

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さて、1日の最後の食事は夕ごはん。たいていは9時頃でしょうか。
レストランの開店も8時半から9時。お昼ごはんをメインに食べる人は、
サラダやチーズ、ハム等火を使わない料理で軽めに済ませることが多いようですが、
我が家のように夜がメインだと遅い時間にたっぷり食べる羽目になり非常に不健康です(苦笑)

スペイン人と同じ量と内容でこの1日5食を実践すると、間違いなく太ります。
住み始めた当初は、レストランでランチメニューを食べると満腹で
夕ごはんはフルーツかヨーグルトだった私ですが、今では同じ量を食べても
夕方にはしっかりお腹が空くようになりました。習慣って怖いですね・・・

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