月別アーカイブ: 11月, 2010

サンルーカル・デ・バラメダ、のススメ

28 11月
2010年11月28日

あまり観光化されていなくて、のんびり過ごすのにオススメの町はありますか?

と、聞かれた時に挙げる町のひとつがサンルーカル・デ・バラメダです。
私の老後の移住先候補でもあります(^^)

アンダルシアのカディス県にある町で、人口は約6万人。
コルドバやセビージャを流れるグアダルキビール川が大西洋に注ぐ河口に位置します。
コロンブスは3回目の航海の際に、ここサンルーカルから新大陸へ出港したそうです。
川の向こうは世界遺産のドニャーナ国立公園。
そして、辛口タイプのシェリー酒、マンサニージャの産地として有名です。

15世紀に建てられたサンティアゴ城跡の向かいのある、
シェリー酒で有名なバルバディージャ社。白い壁がアンダルシアらしいですね。

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町角で見かけたマンサニージャ、“ラ・ゴヤ”のボトルを描いたタイル。
この“ラ・ゴヤ”はスペイン皇太子の結婚披露宴で使われたそうです。

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町で見かけたシェリー酒ショップ。

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この町の何が好きか?

まずはゆったり流れる時間でしょうか。
特に観光する場所があるわけでもないので、ここでは本当にのんびりと過ごすことができます。

それから、夕日がきれいなこと。
私の住むバレンシアでは太陽は海から昇るものですが、ここでは海に沈みます。
運がいいのか、行くたびに美しい夕日に感動をもらっています。

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そして、海の幸が美味しく、夫と私がスペインで一番好きなバルがあるんです!
町の中心カビルド広場にあるバルビノ。いつも大勢の人で賑わっています。
テラス席はありますが、店内は立ち食いONLY。
何を食べたらいいか迷うほど、メニューが豊富なんですよ。
まずは地元のマンサニージャと塩ゆでしたエビでスタートするのが私流。
桜エビの入ったスペインかき揚げもぜひ食べていただきたい一品です。

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川沿いのバホ・デ・ギアには、おいしいシーフードを食べさせるレストランも
並んでいるのですが、サンルーカルに行くと昼も夜もこのバルに通っています。

川に背を向けて高台に行くと、眺めの良いメディナ=シドニア公の旧邸宅があります。
ここでは併設されたカフェでのんびりくつろぐことをオススメ。
最近は一部を宿泊施設として利用しているそうで、次回は泊まってみたいと思っています。
http://www.fcmedinasidonia.com/hospederia.html

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その隣にある教会が開いていたら、ぜひ中に入ってみてください。
古くきらびやかな宗教世界を感じることができます。

すぐ近くには、現在市庁舎として使われている19世紀に建てられた
オルレアンス・ボルボン宮殿があります。

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そして、そのお向かいは私の定宿。  http://www.posadadepalacio.com/
ああ、内緒にしておきたかったけれど、書いてしまった・・・(^^)

バルバディージャ社やラ・ヒターナ社のシェリー酒蔵の見学ツアーや、
船で川を渡ってドニャーナ国立公園に行くツアーもあるので、
シェリー好きな方や世界遺産ハンターにはぜひともオススメの町です。

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サンルーカル・デ・バラメダ市役所観光サイト(スペイン語ONLY) www.turismosanlucar.com

ムデハル様式 ~イスラム教文化とキリスト教文化の融合

25 11月
2010年11月25日

キリスト教勢力は、711年に侵入してきたイスラム勢力をイベリア半島から
少しずつ排除し、1492年に国土再征服を完全に成し遂げました。
その間もその後も多くのイスラム教徒が半島内に留まりました。
“ムデハル”とはアラビア語で残留者の意味。
当時のイスラム教文化は、農業、哲学、建築、科学などあらゆる各分野において
キリスト教文化よりも優れていました。そのムデハルの建築者達が生み出したのが、
イスラム教建築様式とキリスト教建築様式を見事に融合させたムデハル様式です。
これはスペイン独特の建築スタイルで、レンガや陶器タイル、寄木細工の使用や
幾何学模様の装飾が特徴として挙げられます。

<テルエルにあるエル・サルバドル教会の塔>
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アラゴン州にあるテルエルは、12世紀後半にキリスト教徒の手に戻って以来、
数世紀に渡ってキリスト教徒、イスラム教徒、ユダヤ教徒が共存する町でした。
ムデハルの建築家たちが築いた大聖堂や教会の塔の合計4つの建築物は、
1986年に世界遺産に登録されています。どれも緑色の陶器タイル装飾が特徴です。

サンタ・マリア大聖堂の全景は、ほれぼれするほど私好み(^^)
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内部の天井もイスラム風です。
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これは、スペイン版ロミオとジュリエットと言われる“テルエルの恋人たち”、
イサベルとディエゴの霊廟があるサン・ペドロ教会の塔です。
この教会の内部は天井から壁まですべて細かく彩色されており、一見の価値があります。
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全体的にほどこされた外観装飾が美しいサン・マルティン教会の塔。
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エル・サルバドル教会の塔には思ったよりも楽に登ることができます。
一番最初にある階段が少々きついものの、このような通路をぐるぐる回るうちに最上階に到着。
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ここから市内が一望できます。
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有名観光地のひとつ、セビージャにある世界遺産のアルカサルも、
14世紀にペドロ1世王がムデハル建築家に造らせた宮殿です。
私のお気に入りの観光スポットのひとつ。
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中に入ると、千夜一夜物語の世界にワープします。
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また、同じセビージャにあるスペイン広場は1929年に開かれたイベロ・アメリカ博覧会の
施設として造られた、ムデハル様式を取り入れた半円状のすばらしい建物です。
映画『アラビアのロレンス』や『スター・ウォーズ エピソード2 クローンの攻撃』の
ロケにも使われたそうですよ。
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こんなムデハル調の家に出くわすのも、セビージャの町歩きの楽しみ♪
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イスラム教勢力に支配された歴史から生まれたスペイン独特のムデハル様式は、
スペインがほかのヨーロッパ諸国よりもエキゾチックで、多くの観光客を魅了する理由の ひとつだと思います。

天才ダリの世界に浸ろう

12 11月
2010年11月12日

自分を“天才”と称したシュルレアリスムを代表する芸術家の
サルバドール・ダリ(1904~1989)。上を向いてはねあがった細いカイゼル髭と
大きく見開いた目がトレードマークの顔に見覚えのある方も多いのでは。
ダリは、バルセロナから北に150kmほど行ったところにあるフィゲラスで生まれました。
現在この町には古い市民劇場を改装したダリ美術館があります。
http://www.salvador-dali.org/museus/figueres/es_index.html
ここには亡くなるまでに残した1万点以上の作品の多くが展示されています。

もう、その建物からしてエキセントリックです。外側から見ると、屋根には卵、壁にはパン。
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正面入り口では、外側とはまったく違ったダリ・ワールドが展開されています。
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中に入るとすぐに小さなパティオがあり、
クラシックカーの上に立つ太った女性が出迎えてくれます。
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ダリは多くのだまし絵を多く残しています。パティオから入った大きなホールにあるこの絵、
近くで見ると裸婦なのですが、遠くから見るとリンカーンの顔に。
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壁にかかった絵画が目。暖炉が鼻。ソファが口。これはだまし絵3Dバージョンですね。
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館内はただただ作品が並べてあるだけではなく、
壁や天井、通路といたるところにダリ・ワールドが広がっているほか、遺品も展示されています。
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<ダリが愛用していたベッド。ここで息を引き取ったとも言われています>
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ダリの作品にはしばしば愛する妻ガラが登場します。
<ここでは左上にちょこんと顔だけ>
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ロシア人のガラは、10歳年下のダリと出会った途端に恋に落ち、フランス人で詩人の夫
ポール・エリュアールと離婚。以後、死ぬまでダリのミューズとして
インスピレーションを与え続けます。余談ながら、写真からは貞淑な婦人のイメージを
受けるガラは、実はなかなか恋多き奔放な女性で、結婚後もダリを悩ませたそうです(^^;)
<ダリとガラ>
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美術館のすぐ横にはダリがデザインした作品が展示されている宝飾館があります。
http://www.salvador-dali.org/museus/joies/es_index.html
奇抜で感性豊かなダリの世界がそのまま宝飾品になっているのです。
女性ならうっとり見惚れること間違いなし(私もその1人^^)
作品数は多くありませんが、ひとつひとつ非常に見応えがあります。
美術館の入場料には宝飾間も含まれているのでお見逃しなく!

<“El ojo de tiempo(時の目)”。目玉が時計になっています>
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<制作前のデッサン(一番上)>
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ここは、美術館巡りが好きな私がかなり楽しめたオススメの場所。
フィゲラスは、バルセロナから直通電車で約2時間なので日帰りが可能です。
ダリ美術館以外には特に見るところもない町ですが、
美術館見学だけのために訪れる価値があるところです。

アルバラシン ~スペインで最も美しい村

09 11月
2010年11月9日

前々から行きたいと思っていたアルバラシンに行ってきました。
日本人には馴染みの薄いアラゴン州テルエル県に位置する、
標高約1200mの荒涼とした山間にある村です。人口は約1100人。
スペインで最も美しい村のひとつに数えられているんですよ。行ってみて納得!
山にへばりついたレンガ色の村は、中世の面影を色濃く残しています。
小さな村の中には迷路のような細い道が続いており、路地好きの私の心をくすぐります。

<右手の扉は、なんとパン屋さん>
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<私が泊まりたかったホテル。5室しかなく、残念ながら満室でした。次回こそ!>http://www.posadadeladarve.com/>
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<紋章がついた貴族の旧居も何軒か見かけました>
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<天井が低く傾いた家。中がどうなっているのかのぞいてみたいですね>
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小さな村にも関わらず、
中世には司教座が置かれていたそうで、古い大聖堂もありました。
こんな山の中によく作ったものだと感心せずにはいられません。

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スペインがイスラム勢力下にあった時代にはお城が築かれ、
有力者とその家族が住んでいたそうです。
今は遺跡と化していますが、ガイド付きで見学することができます。
城跡から見る村の景色はなんとも言えない美しさです。

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村の反対側からも全景を拝みたいと思い、翌日に城壁の残る山に登って撮ったのがこれ。
うーん、どこから見ても本当に美しい村ですね。惚れ惚れします。

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ちなみにアルバラシンの郷土料理は、マスや豚の腸詰類、羊のチーズ、ミガスなど。
この辺りにはスペインでも有数のマス釣りスポットがあるそうです。
ミガスはもともと貧しい民衆の食べ物で、固くなったパンを屑状にして
にんにく風味で炒めたもの。アラゴン風のミガスにはブドウが添えられています。
<半熟の目玉焼きに、チョリソとブドウが2つずつ添えられたシンプルなミガス>

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交通の便が悪いことがネックですが、
それがこの村に中世の面影を残している理由のひとつかもしれません。
個人旅行でスペインに来る方には、ぜひオススメしたい“美しい村”です。

<夜の小路>
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