月別アーカイブ: 12月, 2010

おいしいパエージャを作り続けて60年

27 12月
2010年12月27日

12月の初めにパエージャを食べに遠出して来ました。Casa Salvador(カサ・サルバドール)は、
バレンシアから海岸沿いに40kmあまり南下したクジェラの町外れにあります。
1950年の創業以来、3世代に渡り1日も休まずおいしい郷土料理を作り続けている
名の知れたレストラン。よそから友達が遊びに来ると連れて行く、私のとっておきの場所です。
特に有名なのがパエージャで、90を超えるお米料理レシピの中からメニューには約30種類が
載っています。

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その時に食べたのは、あんこうと手長エビ、きのこのリゾット。
出汁がよくきいた味わい深い一品でした。冬はリゾットが温まりますね。

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魚介類ならお米の代わりに細いパスタを使ったフィデワ、またはイカ墨パエージャがオススメ。

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夫いわく、ここのバレンシア風パエージャ(鶏、うさぎ、いんげん)は絶品だとか。
カタツムリを入れてもらうこともできます。奥に見えるのが、真っ黒なイカ墨パエージャ。

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ほかには、カリフラワーと鱈、カレイとウナギの稚魚、鴨とウナギとカタツムリ等々、
そんじょそこらではなかなか味わえないパエージャがあります。

お米料理以外にも、バレンシア海岸地方の郷土料理や魚介メニューが豊富です。
すぐ近くに2ヘクタールの畑を所有しており、トマトや玉ねぎ、アーティチョーク、
ピーマン、オレンジなどを作っているあたりにも食に対するこだわりがうかがえますね。

<2代目サルバドールおじさんはお米料理本も出しています>
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実を言うと、ここのパエージャは日本人にはしょっぱいです。
値段もほかに比べると高いです。それでも、ここよりすばらしい“雰囲気”の中で
パエージャを食べられるレストランを私は知りません。

まずは建物。藁ぶき三角屋根は、バレンシア地方の農家特有のバラッカという造りです。
エントランスの上の青い陶器タイルのドーム屋根と白い建物はスペインの青空にピッタリ。一歩、バラッカの中はバレンシア調の絵画や古い釣り具、バレンシア陶器で飾られています。

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そして素晴らしいのがテラス席。すぐ横はラグーンになっており、
水鳥や魚の姿を見ることができます。冬になると白鳥も到来。バレンシアとはいえども、
真冬にはラグーンの向こうに見える山が雪をかぶっていることもあります。
調理場でえさをもらっている猫が何匹かチョロチョロしているあたりも、
猫好きの私にはポイントが高いです^^

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テラスからはラグーンの岸に抜けることができるのですが、
ちょうどそこには釣りスポットになっているようです。こののどかな感じがたまりません。

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食後にお店を出たらすぐ横に小さな入り江があるので、ここを散歩するのがお約束。
私たちは、夏は食後に水着に着替え、ここでゴロンと横になることもあります。
ちょうど向かいに見えるのがクジェラの町です。

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公共の交通機関ではたどり着けないので、車、もしくは最寄りのクジェラ駅から
タクシーで行くしか方法はありません。それでも一度は行く価値あるレストランです。

Casa Salvador
年中無休
住所: L’Estany de Cullera, Valencia
電話番号:+34-96-172-0136
http://www.casasalvador.com/inicio2.htm

スペインのクリスマスと言えば、“ベレン”!!

22 12月
2010年12月22日

12月に入り、スペインもすっかりクリスマスモードです。クリスマスの飾りといえば、
多くの人が最初にツリーを思い浮かべるのではないでしょうか。が、ここスペインではベレン!
個人宅から教会、町の大きな広場や商店のウィンドー、学校など、あらゆるところで目にします。

<友人宅のベレン>
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<息子の通う幼稚園・小学校のベレン。左に馬小屋、ほかにラクダに乗った三賢王の姿も>
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<コロン広場の実物大ベレン。手前の後ろ姿の3人は三賢王>
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もともとベレンとはスペイン語でベツレヘムの意味。そう、イエス・キリストが生まれた
場所ですね。クリスマスの飾りのベレンとはキリスト生誕シーンを再現した人形飾りのことで、
基本は生まれたばかりのイエスに父ヨセフと母マリア。または、それに東方の三賢王や天使、
羊飼いがいるものですが、ベツレヘムの町に聖書のシーンまで再現する大掛かりな
ジオラマバージョンまであります。大きさも手のひらにのるミニサイズから実物大まで実にさまざま。

<いつも見物客でいっぱいのバレンシア大聖堂のジオラマベレン>
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私の住む町では、市役所脇の広場を使って実物大の大規模なベレンが登場します。今のところ、
これより大がかりベレンは見たことがありません。広場の中にはイエスが生まれた馬小屋以外に、
鍛冶屋、パン屋、八百屋などがあり、本物の野菜がうわった畑や、あひるのいる池、ろばやらくだ、
羊、うさぎ、ブタ、七面鳥などの動物までセットされ、ちょっとしたテーマパークになります。
毎年レイアウトが変わり、何度見ても飽きません。

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いつもベレン広場の片隅にいるのが、このウン○おじさん。

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カタルーニャ語でカガネーと呼ばれるウン○人形は、カタルーニャ地方のクリスマス風物詩。
ベレンのどこかにカガネーを飾る習慣があるそうです。バレンシア郊外のわが町にも
カガネーがある辺りに、ここもカタルーニャ文化圏であることを感じます。

手のひらにのるミニサイズの例として、我が家の2つのベレンを紹介します。
これはボリビア土産のベレン。カラフルな色合いがアンデス文化を思わせます。

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そしてこれは、バレンシアのマニセス焼きのベレンです。シンプルにイエスと両親の3人のみ。

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スペイン各地にはベレン好きが集まるベレン愛好会があります。毎年少しずつ材料を増やして、
ジオラマベレン作りを楽しむ人も少なくありません。この季節になるとジオラマグッズを売るお店や
コーナーを目にします。私の住む町のベレン好きのお花屋さんは、趣味が高じて今や町にある
3つの教会のベレンを手掛る有名人です。

<ベレングッズの露店>
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<今はなきハティバ赤十字のベレン。愛好家のおばさん主導で作られたとか>
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また、ベレン博物館なるものも存在します。私はアリカンテにあるベレン博物館で、
粘土製の日本風ベレンを見つけました。いつ、どこで作られたものなのか気になりますね。

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アリカンテベレン博物館(入場無料)
http://www.belenante.com/museo/museo.htm

この時期にスペインにいらっしゃる方は、ぜひベレン見物を楽しんで頂きたいです。
いいお土産になりますよ^^

世界遺産大国スペイン <アンダルシア三都編>

18 12月
2010年12月18日

引き続き、スペインのオススメの世界遺産の話です。

バレンシアに住みながらもアンダルシアをこよなく愛する私としては、
やはりオススメしたい王道のアンダルシア三都。
イスラムの香りが漂う、エキゾチックで魅惑のスペインを味わえます。

●コルドバ歴史地区
コルドバは約1000年前のイスラム勢力時代には、
人口100万人を超える大都市だったそうです(現在はその3分の1)。
イスラム寺院をそのまま残しキリスト教の大聖堂に改装したメスキータは、
イスラム教建築とキリスト教建築が見事に融合した傑作品。

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一歩中に入ると赤い縞模様のアーチが無数に広がり、別世界に入ったような感覚に襲われます。

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アルカサルは中世に王の宮殿として使われていました。
アラブ風の庭園やローマ時代のモザイクなどを見学することができます。
コロンブスがイサベル、フェルナンド両王に謁見し、
新大陸発見の旅の援助をとりつけたのがこのアルカサルだそうです。

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メスキータ周辺の旧市街には、アンダルシアらしい白い家が立ち並んでいます。
歩きながらふと横を見ると、素敵なパティオに出くわすことも。
毎年5月に行われるパティオ祭りには大勢の観光客が訪れます。

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●グラナダのアルハンブラ、ヘネラリーフェ、アルバイシン地区
イスラム教徒のイベリア半島における最後の砦がアルハンブラ宮殿です。
一見殺風景な建物ですが、中に入るとそこはアラビアン・ナイトの世界。
最盛期にはイスラム教徒貴族を中心に2000人以上の人々が住んでいたとか。
<アルバイシンの丘から見るアルハンブラ宮殿全景。バックはシエラ・ネバタ山脈>
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ヘネラリーフェは城外にある離宮で、水と草花に満ちた美しい庭園があります。

谷を挟んで、アルハンブラ宮殿のある丘のちょうど正面にあるのがアルバイシン地区。
白壁の家と、迷路のように細く入り組んだ石畳の道が続く丘です。
サン・ニコラス展望台から望むアルハンブラ宮殿はまさに絶景!

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●セビリアの大聖堂、アルカサルとインディアス古文書館
バチカンのサン・ピエトロ寺院、ロンドンのセント・ポール寺院に次いで
世界で3番目に大きいのがセビージャの大聖堂です。

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中には新大陸を発見したコロンブスの棺や、
ムリージョ、ゴヤ、スルバランなどのスペインを代表する画家の絵画も。
ちょっと息が切れますが、セビージャのシンボルであるヒラルダの塔に登ると町が一望できます。
<左に見える建物がアルカサル、右はインディアス古文書館>
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アルカサルはムデハル建築様式で有名な王宮で、細かい壁の細工やモザイクが印象的です。
現在も国王ファミリーがセビージャに来ると、この王宮の一部を使用するとか。
後世に作られたルネサンス様式の宮殿や、植物園のような庭園も見学することができます。

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ルネサンス様式の建物を使ったインディアス古文書館には、
太陽の沈まぬスペイン帝国のアメリカ大陸やフィリピンでの足あとを知る上で
比類のない史料が収められています。

闘牛、ひまわり、フラメンコ、白壁の家、太陽、タパス。
アンダルシアには日本人がイメージするスペインそのものです。
上記以外に、『ドニャーナ国立公園』と『ウベダとバエサのルネサンス建築』も
世界遺産に登録されています。もちろんそれ以外にも見所がいっぱい。
ぜひとも訪れて頂きたいオススメの地方です。

世界遺産大国スペイン <セゴビア編>

07 12月
2010年12月7日

最近は世界遺産を旅のキーワードにされる方も多いと聞きました。

スペインにはポルトガル、フランスと共通の2つの世界遺産を入れ
計42の世界遺産があり、なんとイタリアに次ぐ世界2位の世界遺産大国なんですよ。
(以下、3位に中国、4位にはドイツとフランスが肩を並べています。)
スペイン世界遺産リスト: http://www.hankyu-travel.com/heritage/spain/

さて、私はいくつ行ったかな・・・と数えてみたところ、
在住9年目にしてまだ半分に届いていませんでした。
車で1時間半のエルチェの椰子園にもまだ行ったことがありません。
今後はスペイン国内の世界遺産制覇を目標にしようかしら^^

今回は、私が行ったことのある10数ヶ所の世界遺産の中から
オススメの場所を紹介したいと思います。

まずは、セゴビア旧市街とローマ水道橋。
この水道橋は紀元1世紀頃に作られたもので、全長は約800m。
2万個以上の石をただ積み重ねただけで、接合も接着もされていないそうです。
19世紀末まで18㎞も離れた水源からセゴビアに水を供給していました。
今でも使用可能な状態だというので驚きです。2000年経っても使用可能な建築物を
文明の利器なしに築き上げた人々、そしてローマの技術の高さには目を見張るばかりです。
現代の技術をもっても、完成までにはどのくらいの時間がかかることでしょう。
この水道橋を見た時、まさに後世に残すべき世界遺産だ!と思いました。

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旧市街を抜けて町の先端の崖っぷちに立つセゴビア城は、
ディズニーの白雪姫のお城のモデルになったことでも有名です。
ローマ時代の要塞を基に13世紀に建てられたもので、
かの有名なイサベル女王はこのお城で即位、フェリペ2世王は結婚式を挙げています。

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中では王の寝室や当時の武具の展示等を見ることができるので、一見の価値あり。

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セゴビア城からは、ゴシック様式の大聖堂がそびえ立つ旧市街を眺めることができます。

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セゴビアに行ったら、ぜひ食べてみたいのが名物料理の子豚の丸焼き。
生まれてからお乳しか飲んでいない子豚は、
皮はパリパリ、お肉はジューシーで柔らかです。
なお、たいていテーブルには既に切り分けた状態でサーブされるので、
写真のような可哀そうな子豚ちゃんの姿を見ないで済みます。ご安心を^^
<窯で焼かれる子豚ちゃん達>
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次の記事では、アンダルシア地方の世界遺産の紹介をしたいと思います。
ぜひご覧くださいね。

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