月別アーカイブ: 5月, 2011

フェリア・デ・アブリル ~スペイン中に広がるアンダルシアの輪

21 5月
2011年5月21日

またまたお祭りネタになりますが、ちょうどタイムリーな話題なので。
ここはお祭り好きの多いスペイン。どうぞ、ご勘弁を^^

昨年ここでご紹介したセビージャの春祭り、フェリア・デ・アブリルはスペインで
最も知られているお祭りのひとつ。今年は5月3日から8日にかけて開催され、
例年通り世界中から多くの観光客も訪れました。
フラメンコ好きの日本人女性も姿もよく見かけるお祭りです^^

セビージャほど大掛かりでなくとも、アンダルシア州の各地で春から秋にかけて
似たようなお祭り(フェリア)が開かれます。私はこれまでにマラガとアンテケーラの
フェリアに行ったことがあります。闘牛が開催され、お祭り会場にはカセータ(祭り小屋)が
並び、女性はフラメンコ風の衣装で着飾り、セビジャーナス(フラメンコに似たアンダルシアの
民俗舞踊)を踊り、飲めや歌えや。まさにアンダルシアの風物詩。

この陽気なアンダルシアのお祭りは、実はマドリーやバルセロナ、バレンシアなど、
スペインの各地でも開催されているんですよ。

<今年度のバレンシアのポスター>
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<アンダルシア色よりもカタルーニャ色が強く出ているバルセロナのポスター>
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もともとアンダルシア州はスペインの中でも貧しい州のひとつで、
昔は特に仕事を求めての国内移民が盛んでした。
バルセロナのあるカタルーニャ州には特に多くのアンダルシア移民が住んでいます。
彼らが毎年なつかしい故郷のお祭りを再現しているのです。
そのせいか、年齢層が高いという印象があります。

また現代では、アンダルシア州から他州の都市に勉強や働きに出ている人も大勢いるので、
あるインタビューでは「今年は自分の故郷のフェリアの時期に帰省できないので、
代わりに来ました」と答えている学生を見かけました。郷土愛を感じますね。

私はバルセロナとバレンシアのフェリア・デ・アブリルに行ったことがあります。
バルセロナは特にアンダルシア移民が多いせいか、会場にはセビージャのような黄色い土も
敷いてあり、イルミネーションもまぶしく人出も多く、なかなかの盛況ぶりを見せていました。

<光輝くポルタダ(正門)>
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<カセータの外で踊りだす人達>
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<まばゆいイルミネーションの下には大勢の人>
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<着飾っていた姉妹。お父さんがアンダルシア出身でした>
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バレンシアは、規模は小さかったものの、カセータの中は本場同様華やかな空気と熱気に
包まれていました。来年は久しぶりに行ってみようと思っています。

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この時期にスペインにいらっしゃる方は、セビージャに行かなくてもフェリア・デ・アブリルの
雰囲気が味わえるかも知れませんね。

スペイン各地で開かれる楽しい中世祭

19 5月
2011年5月19日

先日、中世祭りに行ってきました。スペイン各地で開かれる中世市場(中世風の衣装を身につけた
人達が、手作り工芸品や食べ物を売る屋台を出す市場)の規模をもっと大きくしたもので、
町の一角を中世に見立て、ショーや展示、中世風大道芸、寸劇、露店、子供用アトラクション
などがあり、大人も子供も楽しめるイベントです。私は行ったことはないのですが、
強いていえば“移動式日光江戸村”でしょうか(笑)。サーカスのような組織になっていて、
あちこちを巡回しているそうです。

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西洋史での中世は幅広く5世紀から15世紀を指します。イベリア半島はイスラム勢力に
支配されていた時代が長いので、各地がキリスト教徒の手に戻ってからスペインが新大陸を
発見する頃までかな、と個人的に解釈しています。日本だと江戸時代以前ですね。

さて、どんなものが展示されているかというと、当時の武具や馬具、生きた鷹や鷲、ふくろうなど。
鷹匠が登場する実演では、放たれた鷹の大きさにビックリ。翼を広げるとあんなに大きいんですね。
すぐ近くを飛ばれた時には、襲われないかとヒヤっとしました。

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当時の戦争の再現ショーは耳をつんざくような大砲や鉄砲の音で臨場感満点。
驚いた小さな子どもたちが何人も泣いていました(^^;)

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子供向けには手作りろうそく教室や昔話の語り聞かせ、ロバやラクダに乗っての散歩、
木造の手動アトラクションなどが出ます。

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<手でまわす木造ミニ観覧車。おもりを置いてバランスをとります>
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男の子達に人気なのは、木製の刀や盾、弓を売るお店。日本の子供がチャンバラごっこをするように
(今の子達もしていますか?)、こちらの子供は騎士になりきってチャンバラ遊びをするんですよ。
【余談】我が家では去年買った刀を息子に持たせ(同じものをねだられたら困るので^^;)、
今年は新たに盾だけ買ったのですが、同じように以前買ったものを子供に持たせている親に
何人も出会い、笑ってしまいました。いずこも同じことを考えるんですね。

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<わら細工等の実演販売も>
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なんと、道端には“春を売る女性”まで立っていました(^^;) 芸が細かい!!
子供に聞かれたらよその親は何と答えるのか、とても興味があります。

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香ばしい炭火焼きのにおいが漂ってくる露店も中世祭りには欠かせません。豚のアバラ肉や
腸詰類がこれでもか!とばかりに焼かれるシーンを見ると、空腹の人はよだれが出るでしょう。
日本と同様お祭り料金で高いものの、炭火でじっくり焼かれた肉類はおいしい!!
焼きピーマンと一緒にパンにはさんで食べるのがワタシ流です。

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町をあげてさらに大掛かりな中世祭りを開催するところもあります。たとえば、タラゴナ県の
内陸部にある中世の面影残る城下町のモンブラン。ここでは中世週間と名付けた大きなお祭りが
開かれます。約2週間に渡って様々なイベントもあり、とても楽しそう。
http://www.setmanamedieval.org/
http://www.montblancmedieval.cat/es/quefer/festesifires/setmanamedieval
(上記サイトはカタルーニャ語、スペイン語、英語、フランス語で見られます。
写真を見るだけでも様子がわかって楽しいですよ。)
我が家からは少々遠いものの、いつか絶対に行ってみたいお祭りです。

2人のローマ法王を生んだ歴史ある町ハティバ

16 5月
2011年5月16日

ここでスペイン情報を書かせて頂いて1年以上が経ちますが、まだ自分の住む町の宣伝を
していないことに気付きました。マイナーながら観光地なので、ご紹介したいと思います^^

スペイン語でJativa(ハティバ)、現地語であるバレンシア語でXativa(シャティバ)と
呼ばれるこの町は、バレンシア市から南に60kmほどのところにある盆地の端に位置します。
山の裾野に開けており、その山頂には大きな城跡があります。人口は約27,000人で、
町の公用語はバレンシア語。幼稚園や小学校も、標準スペイン語クラスよりもバレンシア語クラスの
定員の方が多く、息子を幼稚園の標準スペイン語クラスに入れる際には非常に苦労しました(><)

<険しい山の上にそびえるハティバ城は観光のメインスポット>
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<山から見下ろしたハティバの旧市街>
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8世紀から何百年もイスラム勢力の支配下にあった後、13世紀の半ばにハイメ1世王率いる
キリスト教軍によって再征服され、中世にはバレンシア王国で首都バレンシアに次ぎ栄えた
町だったそうです。今は貴族の紋章がついたお屋敷が並ぶモンカダ通りに、その名残をとどめています。

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ハティバ出身の歴史上の有名人は、16世紀末に生まれイタリアで活躍したバロック期の画家の
ホセ・デ・リベラ、そして名門貴族ボルハ家(イタリア語でボルジア家)が生んだ第209代ローマ
教皇カリストゥス3世と第214代アレクサンデル6世です。悪名高きアレクサンデル6世も、
ここでは“おらが町の偉人”で、生家跡や洗礼を受けた教会は今も旧市街に残っています。
マキァヴェッリが『君主論』で称えたチェーザレ・ボルジア(アレクサンデル6世の息子)は、塩野七生の小説や惣領冬実の漫画に描かれていますね。ただ、チェーザレ自身は、ボルハ家の故郷
ハティバの地を踏んだことはなかったそうです。

<アレクサンデル6世の生家と洗礼を受けた教会に続く道>
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<町で一番大きな教会の前には2人のローマ教皇の像が>
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<教会の前にある15世紀に建てられた病院は、今も医療関係施設に使われています>
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私がこの町を気に入っている理由のひとつは、田舎町ながら活気があることです。
ポプラ並木のメインストリートにはカフェやバルのテラスが並び、いつも人で賑わっています。
また、年間を通して、東方の三賢王のパレード、中世市場、火祭り、聖週間、聖体祭、夏祭り等々、
さまざまな行事があります。細い道が入り組んだ旧市街に、古き良きスペインの雰囲気が
残っている点も好きですね。

<聖体祭のパレードの先頭をゆく巨人たち>
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<お城に向かって山を登ると、こんなのどかな一角に出くわします>
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<カラフルに塗られた古い建物に囲まれたマーケット広場>
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郷土料理は、以前ここでも紹介したアロス・アル・オルノ(http://blog.hankyu-travel.com/kaigai/00100/00108/2011/053583.php)、
そしてアルナディというアーモンドペーストを使ったお菓子。
毎年アロス・アル・オルノのコンクールが開かれていますが、まだ日本人の参加はないようです。

ハティバは田舎町のわりにおいしいレストランが多いことでも知られています。
グルメライターが編集する2011年版バレンシア州レストランガイドで高い評価を受けた
若きシェフが切り盛りするPortal Foscは、旧市街にある隠れ家的レストラン。
バレンシアからわざわざ食べに来る人がいることもうなずける味とサービスを提供してくれます。

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<私の最近のお気に入りのレストラン、Els Borja>
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http://www.elsborjarestaurante.com/

バレンシアからは車でも各駅電車でも1時間弱なので日帰り観光にはもってこいのハティバですが、
時間が許すなら1泊してのんびりしたいもの。ヨーロッパ専門の某旅行理店がお勧めするスペインの
ホテル18選に選ばれたMon Santは、お城のある山の中腹にあります。実は私が初めてこの町を
訪れたのは、日本人と友人とこのホテルに泊まることが理由でした。
Hotel Mont Sant http://www.mont-sant.com/

本数は少ないながら、ハティバにはバルセロナやマドリー、アリカンテからの列車も停まるので、
機会があればぜひこの歴史ある小さな町にお立ち寄りください。

<町の人の憩いの庭園パラシエ。私もよく行きます>
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ハティバ観光サイト:
http://www.xativaturismo.com/ (スペイン語とバレンシア語しかありません^^;)

復活祭のお菓子 モナ・デ・パスクア

04 5月
2011年5月4日

私がこれを書いているのは、ちょうどキリスト復活の日曜日。モナ・デ・パスクアの季節です。
モナ・デ・パスクアは、スペインのアラゴン州、バレンシア州、カタルーニャ州、バレアレス州、
そしてムルシア州の一部で復活祭のおやつに食べる甘い食べ物。
復活祭が近づくとパン屋さんやお菓子屋さんのウィンドーにお目見えします。

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昔は復活の日曜日のミサの後に、代父(ゴッドファザー。洗礼式に立会い、神に対する契約の
証人となる役割をする者)が代子にモナ・デ・パスクアをプレゼントしていたそうです。
そして翌月曜日には家族親戚や友達と野外に出向き、モナを食べる習慣があったとか。
私の地元のママ友にも、毎年友達家族とモナを食べにピクニックに出掛ける人がいます。
そのためこの月曜日は、“モナの日”と呼ばれています。

伝統的には、小麦粉と砂糖、卵、塩、イーストを使って焼くシンプルなパンで、
飾りにゆで卵を使っていることが特徴。卵は復活のシンボルですからね。

バレンシアでは、色が塗られたゆで卵をのせスプレーチョコで飾られた動物形のモナを
よく見かけますが、2つのゆで卵を携えたこんな形をしたモナ(写真下)を見かけたことも(笑)

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これをホットチョコレートと一緒に頂くのがメジャーな食べ方で、
最初から全体をチョコレートでコーティングされたモナも売っています。

カタルーニャ州でも特にバルセロナのモナ・デ・パスクアはほかの地域に比べてかなり進化し、
スポンジ生地を使い、クリームやチョコレート、カラフルな羽やチョコレートの卵で飾られた
ケーキや立体チョコレートが主流を占めます。表面にクレマ・カタラナ(カタルーニャを代表する
デザート)をコーティングしたケーキがあるのも、ご当地ならでは。

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<世界遺産のサグラダ・ファミリアを模したモナ・デ・チョコラテ>
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ほかにこの時期に食べる有名なお菓子といえば、トリーハス。

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今から500~600年前には既に食べられていたことがわかっている伝統あるもので、
メキシコにも伝わっているとか。硬くなった数日前のパンを牛乳かワインに浸し、
とき卵をつけて油で揚げ、シナモンやはちみつ、砂糖、リキュールをかけて頂きます。
スペイン版フレンチトーストですね。市販のものを買うとか~なり甘いです(苦笑)
Wikipediaにレシピが載っていたので、甘さを調節しながら自分で作ることをオススメ。
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%88%E3%83%AA%E3%83%8F%E3%82%B9

パン・ケマード(焦げパンの意)は、バレンシア県南部、ちょうど私が住むハティバの近くにある
アルベリックという町発祥のパン。これも、聖週間や復活祭のシーズンの食べ物として知られています。

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聖週間から復活祭の頃にスペインにお越しの際には、ぜひ季節のスイーツをお楽しみくださいね。

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