世界遺産大国スペイン <アリカンテ・バレンシア編>

16 7月
2011年7月16日

イタリアに次ぎ、世界遺産の数で2位にランキングされている世界遺産大国スペイン。
スペインの旅行の目的に世界遺産を挙げる人も少なくないことでしょう。

バレンシア州には地味ながら2つの文化遺産があるので、今回はこれをご紹介したいと思います。

まずは、エルチェにある椰子園から。エルチェはアリカンテ県第二の都市で、紀元前4世紀作と
されるエルチェの貴婦人像が郊外で発見されたことで有名です。人口23万人に満たないこの町には、
なんと20~30万本にも及ぶ椰子の木が生えています。樹齢300年を超えるものの1万本以上あるとか。

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<椰子の木に覆われた市民公園に隣接する観光案内所>

エルチェに椰子が植えられるようになったのは、今から約2500年前のカルタゴ時代だと考えられています。その後、ローマ、西ゴートの時代になっても椰子栽培は続き、
8世紀になりアラブ人の支配が始まると高度な灌漑システムを用いて現在の椰子園の形をつくりあげました。その姿は再びキリスト教徒の時代になってからも守られ、今日に至ります。

観光案内所の一番のオススメは、世界から何種類もの椰子の木を集めたクーラ植物園。
こじんまりした植物園ですがきれいに整備されており、入園料を払っても見る価値はあると思います(2011年現在入園料は大人5ユーロ)。ここには7本の幹を持つ珍しい椰子があり、 “皇帝の椰子”と呼ばれています。これは、1894年にエルチェを訪れたオーストリア最後の皇帝フランツ・ヨーゼフ1世の皇后エリーザベトにちなんでいるそうです。

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クーラ植物園の先には、広大な椰子園が続きます。私がここを訪れたのは暑い日だったので、日陰のない通路を歩きながら砂漠の民の気分を味わえました(^^;)

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椰子の木から採れる実はエルチェの産業のひとつ(靴産業でも有名な町です)。町には昔ながらに 椰子の実を量り売りするお店があり、椰子の実を使ったリキュールやお菓子も作られています。

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<これが椰子の実。収穫期までにはまだまだ大きく育つ>

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<乾燥させた椰子の実を量り売りするお店>

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<椰子の実を使った甘いリキュール>

スペイン中にある歴史的建造物とはまた一味違った世界遺産でオススメです。

続いては、バレンシア市内、中央市場の向かいにあるラ・ロンハをご紹介します。ラ・ロンハは15世紀後半に建てられたゴシック様式の荘厳な建物で、メインである柱のサロン、海の領事の間、塔、そしてオレンジの中庭の4つの部分から成り立っています。この建物を手掛けた建築家の ペレ・コムプテは、マヨルカ島の交易所を参考にバレンシアのラ・ロンハを設計したと言われています。15世紀のバレンシアは地中海貿易の中継地として大いに繁栄し、スペイン第2の人口を誇っていたそうです。絹産業も盛んで、ここは絹の交易所として使われていました。

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<オレンジの中庭から望む荘厳な建物>

高さが16mもある柱のサロンの天井を支えるのは、幾本もあるらせん状の柱。
この柱が天井付近から細く何本かに分かれカーブを描いて広がる姿は、椰子の木を彷彿させます。
このサロンで絹の売買が行われ、取引には現金以外に小切手や宝石が使用されていたとか。
ルネッサンス様式の影響が見られる海の領事の間はバレンシアの海事・商業の問題を扱う裁判所、塔は取引の支払いができなかった者を監禁する牢だったそうです。

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<柱のサロン>

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<海の領事の間>
建物を外から見ると、上部に多数のガーゴイル(怪物をかたどった彫刻で、雨樋から流れてくる水の排出口の役割を果たす)が付いていることも印象的です。
ラ・ロンハは世界遺産であるにも関わらず、入場無料なことは嬉しい限り。また、内緒ですが(^^)、ここにはWCもあるので、観光の途中で自然に呼ばれた時にWCを借りることもできますよ。

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