蚤の市で掘り出し物を探そう

12 4月
2011年4月12日

週末になるとスペインのあちこちで蚤の市が開かれます。

一番有名なのは、毎週日曜日と祝祭日の午前中に開かれるマドリー(マドリッド)の
ラストロでしょう。公式サイトもあります。 http://www.elrastro.org/
スペイン最大の蚤の市で1000軒近い出店があり、ヨーロッパでも有数の規模だそうです。
場所はマドリー南部の古い地域で、最寄り駅は地下鉄5号線のラ・ラティーナ駅。
なんでも15世紀頃にここで開かれていた肉市場が時の流れとともに蚤の市に変わったとか。
商店が閉まってしまう日曜祝日に買い物ができるのは嬉しいですね。
ただ、スリが多いことで有名なのでご注意を。

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マドリーのラストロにはまだ行ったことがない私ですが、先日初めてバレンシアの蚤の市に
足を運んでみました。毎週日曜日の午前中に、サッカーのバレンシアC.F.のホームスタジアムである
メスタージャ横で開催されます。規模は小さいですが、いやー、面白いです。
だって、誰が買うの?というような品物ばかりなんです。見て下さい、このズタズタに破れた絵。

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通路にまで投げ出された古本。売る気あるんでしょうか?

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この瓶の価値はいかに???

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別名泥棒市と言われるのも納得。
路上に止めておいた自転車から車輪だけ盗まれることは日常茶飯事ですからね。

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古い人形をよく目にしました。このお人形は日本でも見たことがあるような・・・

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こんなお人形なら買う人がいるのも納得。お上品なアンティークちゃん達。

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でも、この子たちは無事里親が見つかるのだろうか・・・なんて心配になったり^^;
まあ、もっと哀れな子たちもいましたが。

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私の目にとまったのはアンティークのアクセサリー。ペンダントヘッドやブローチです。
まったく知らない故人の古い写真が加工されたものは少々気味が悪くて食指が動きませんが、
カメオや花模様がついた陶器のものはなかなか味があり素敵です。が、息子と一緒に行ったのもので
じっくり掘り出し物を見つけることができませんでした。唯一買ったのは(買わされたのは^^;)
ポケモンシール3シート、1ユーロなり・・・。近々リベンジに行きます!

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なお、バルセロナの蚤の市は週に4日間、月・水・金・土に開かれます。最寄駅は1号線の
グロリエス駅。マドリーのラストロ同様歴史ある市で、起源は14世紀にまで遡るとか。
夕方5時頃まで開いている所もあるものの、午前中で閉める所も多いので、行くなら午前中がオススメ。
一番出店数が多いのは土曜日だそうです。

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掘り出し物が見つかれば、旅のいい思い出になりますね。

2011年バレンシアの火祭り報告

06 4月
2011年4月6日

バレンシアがもっとも盛り上がる火祭りが終わりました。

例年のごとく15日の朝には成人の部、子供の部すべてのオブジェが揃います。17日、18日には
386の火祭りグループによる恒例の献花パレードがありました。バレンシアの豪華な民族衣装を
まとったメンバー達は、楽隊を従え、老若男女問わず誇らしげに聖母広場に向かいます。

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広場は花で埋め尽くされ、体の部分を木枠で作ったバレンシアの守護聖母デサンパラードの
巨大なレプリカは花束で覆われていきます。

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後ろ姿をご覧下さい。花束でこんな風にマントを作り上げていきます。まさに職人技。
上部には聖母への祈祷である『アヴェ・マリア』のAとMを組み合わせたマークが見えますね。

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今年はバレンシアと隣接する4つの町だけで、400近い成人の部のオブジェが立ちました。
制作費を合計すると670万ユーロ(約7億7000万円)。子供の部のオブジェも入れると、
一晩で863万ユーロ(約9億9000万円)が灰になったわけです。 これでも大不況の影響で
ずいぶん金額が低くなったんですよ。

成人の部のオブジェは制作費によって17ものカテゴリーに分けられ、各カテゴリーの中で
順位が発表されます。もっとも制作費が高い特別部門の上位2オブジェをご紹介しましょう。

昨年に続き1位に輝いたグループのオブジェは高さ20mで制作費は19万ユーロ(約2200万円)。
今年から新しいデザイナーに変わったようで、今までの作風が好きだった私はあまり魅力を
感じませんでした。(昨年のオブジェの写真は2つ前の記事にあります。)

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2位はまさに私の好み。この写真ではわかりにくいのですが、バレンシア生まれの高級
ポーセリンブランド、リヤドロを彷彿させる優美なオブジェ。テーマは『禁断の果実』。
リンゴを持った裸の女性はエバですね。高さは21m、制作費は同じく19万ユーロ。
これが燃えるところを見たかったものの、消防車の関係で夜中の1時半になると聞き、諦めました。

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3位は場所が離れていて見に行けませんでした。一昨年まで数年に渡り巨額を投じて1位に
輝き続けた成金グループですが、不況で制作費がガクッと下がり(1、2位と同額)、今年は3位に。
景気のいい頃には、60万ユーロ(約6900万円)もの制作費を使ったこともあるんですけどね。

ちなみに4位はこちら。

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<今年もキラキラと美しかったルサファ地区のイルミネーション>
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火祭り最終日19日の24時は、成人の部のオブジェを燃やす時間です(その年の1位は24時半、
市役所広場は25時)。イギリスから来た友人家族と燃やすのに立ちあったのは、このやや小ぶりの
オブジェ。17ある制作費別カテゴリーでいうと上から3番目のセクションで7位でした。

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大きなオブジェが燃えるのは迫力がありますが、混みあう上、危険なのでかなり離れて見ないと
いけませんが、小さいものは見物人も少ないこともありすぐ目の前で見ることができるのです。
時間になるとブラスバンドが音楽を奏でた後に花火が上がり、爆竹が鳴り響き、グループの女王(ミス)が
オブジェに点火。一瞬爆発したかのように燃え上がると、やがて赤い炎がオブジェを包みます。
最前列にいた私たちはあまりの熱さに何歩も後ろに下がりました。炎ってあんなに暑いんですね。
ほぼすべてが焼け落ちて灰と化す前には、グループの人達が輪を作ってオブジェを囲んでいました。

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こうして火祭りは幕を閉じましたが、どのグループも既に来年に向けて動き出しています。
これをお読みの皆さま、ぜひ来年の火祭りにはバレンシアにお越しくださいませ。

スペインを代表するビーチリゾート、ベニドーム

22 3月
2011年3月22日

スペインに来る日本人観光客は世界遺産をはじめとする名所旧跡、最近ではサッカー観戦が
目的ですが、寒いヨーロッパの国々からは太陽とビーチを求めて大勢の人がやって来ます。

アラブの富豪もやって来る高級リゾートのマルベージャやドイツ人が集まるマジョルカ島、
そして今回ご紹介するのがイギリス人でごった返すベニドーム(スペイン語読みだとベニドルム)です。
在イギリスの友人によると、目下そのままBENIDORMというタイトルのTVドラマが放映されているとか。
http://www.itv.com/benidorm/

ベニドームは、アリカンテ市から約50kmほど北に行ったコスタ・ブランカ(白い海岸の意)に
位置します。ご覧のように、おそらくスペインの中でもっとも高層ビルが密集している地域です。

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ポニエンテとレバンテと呼ばれるゆるいカーブを描いた2つのビーチが何kmも続く様子は、
開放的なリゾートそのもの。ハワイのワイキキビーチを彷彿させますね。こんなに広いにも関わらず、
夏になるとビーチパラソルを広げる場所がなくなるほど混み合うそうです。

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ポニエンテビーチとレバンテビーチの真ん中には昔要塞があった小さな岬があり、
今では見晴らし台になっています。岬の先端には下り階段があり、おりると海に突き出たバルコニーが。

海水は思ったより透明度が高くきれいです。

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私が遊びに行ったのは、気温が20度を超えた2月末。暖かいとはいえ、バルやカフェが並ぶ
ビーチ沿いの遊歩道には上半身裸の男性やTシャツに短パン姿の人がいてビックリしました。
皆さん、色の白い外国人の方。私も含む地元スペインの人たちは長袖姿だったのですが、
北の国から来た人にとっては夏に等しい気候だったようです。

さて、町中を歩いてみると、いたるところに英語の表示が。イギリス風の食事を出すお店も多く、働いている人までイギリス人だったりします。私たちはパブランチを食べ、おやつにはスコーンと
紅茶を頂きました。異国気分が味わえて楽しい♪

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大挙して押し寄せる観光客を狙って、町の外には大きなゴルフ場やアトラクションパーク、
ウォーターパーク、大型動物園、海洋公園があり、もちろん別荘地も多々。街道沿いには
大型ディスコが並びます。50年前に農業と漁業が中心の小さな町だった面影はありません。

<開発が始まって間もないころのベニドーム>
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夏は湘南並みに混み合いホテル代も上がるので、オススメは秋から冬にかけてのシーズンオフ。
アリカンテの辺りは温暖で雨が少ない地域なので、晴天に恵まれる確率が高い(冬の平均気温、
海水温度ともに約15度)で、ホテルの料金がうんと下がるのです。閉まっている飲食店があることが
ネックですが、のんびりした時間を過ごすことができます。

<ポニエンテビーチの夜景。夏はもっと建物の灯りがあってきれいでしょうね>
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バレンシアの火祭りを楽しもう!

15 3月
2011年3月15日

バレンシアの町のあちこちで、火祭り最終日3月19日に燃やすオブジェの設置が始まりました。
世界的に有名なこのお祭りはスペインではラス・ファジャス(Las Fallas)と呼ばれており、
一般にオブジェや火祭りグループのことをファジャ(Falla)といいます。

<市役所広場に設置中のオブジェ。完成すると25mの高さになる予定>
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ところでお祭りの由来ですが、中世の昔に遡ります。カトリックでは3月19日は聖ヨセフの日。
イエスの父であり大工だった聖ヨセフは大工の守護聖人なので、大工達がこの日にいらなくなった
木片や木材を集めて火にくべたことが起源だと言われています。

現在バレンシア市内にある火祭りグループの数は400近く。各グループに成人の部、
子供の部があるので、ほとんどのグループが大小2つのオブジェを町角に作り上げます。
グループ内では、毎年成人、子供の部から1人ずつのミスが選ばれます。今年、各グループから
選ばれたミス達の頂点に立ったのが、ラウラさん(23歳)とカルメンちゃん(10歳)。
連日いろんな行事に参加し、TVや新聞で2人の顔を見ない日はないと言えるほど引っ張りだこに
なります。ラウラさんと人の12人の準ミスの写真はこちら:
http://www.fallas.com/index.php/module-positions/without-right-modules/corte-de-honor-mayor-2011

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今年は2月27日にお祭りの開始を宣言する式典がありました。3月1日からは毎日午後2時に
市役所広場でマスクレターと呼ばれる轟音をとどろかせる爆竹ショーが開かれます。広場は毎日
大勢の人で埋め尽くされ、TVでは欠かさずにこれを生中継。

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しばらくすると闘牛の連続興業もスタートします。今年は3月12日から20日まで。
初日と火祭りメインの19日には、地元が生んだ一流闘牛士エンリケ・ポンセが登場します。

2週間に渡り徐々に盛り上がったお祭り気分が一気に高揚するのが15日以降で、
朝8時には完成した子供の部のオブジェが揃います。夜の12時には花火大会。
日本では考えられない遅い時間ですが、子供も見に来ています^^

16日の朝には成人の部のオブジェも完成した状態で町にお目見えするので、
この日から町はあちこちのオブジェを見物してまわる人でごった返します。民族衣装をまとった
人々やにぎやかな音楽を奏でる楽隊が練り歩き、子供たちが投げて遊ぶ爆竹音が響き渡ります。
夕方には市役所広場で子供の部のオブジェの表彰式、夜中の1時にはまた花火大会が。

<昨年の特別部門で1位を受賞したオブジェ>
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17日の朝には、同様に市役所広場で成人の部のオブジェ表彰式が開かれます。(2010年撮影)

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17日、18日両日の夕方の4時から日付が変わるまで、豪華な民族衣装で正装した火祭りグループの
メンバーたちが、聖母広場に作られたバレンシアの守護聖母デサンパラードに花を捧げる
パレードがあります。17日は夜中の1時、18日は夜中の1時半(!)から花火が打ち上がります。

最終日19日の夕方7時には火のパレードがあります。夜になると、まずは子供の部のオブジェの
点火からスタート。特別部門で1位に輝いたオブジェ(10時半)、市役所広場のオブジェ(11時)を除き、
10時には一斉に火がつけられます。12時になると大人の部のオブジェが燃え上がります。
そして12時半には特別部門1位、1時には最後に残った市役所広場のオブジェに点火。
何百ものオブジェが燃やされたバレンシアの空は煙で曇り、空からは灰が降って来ます。
こうして長く続いたお祭りは終了。火祭りグループはすぐに翌年のお祭りに向けて始動します。

<明かりの消えたイルミネーション設備の向こうで燃え上がるオブジェ。2010年撮影>
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さて、実際に行かれる方へのアドバイスです。
●観光案内所で地図と火祭りのパンフレットをもらいましょう。
詳しい有料ガイドブックは町中の新聞スタンドで売っています。
●スリが多いのでご注意を。
●火祭り期間中は至るところに揚げドーナツの屋台が出ます。人気があるのはかぼちゃの揚げ
ドーナツ。スペイン人はホットチョコレートに浸して食べるのが好き。ぜひ試してみて下さい。
●ルサファ地区は美しいイルミネーションで有名です。ぜひ夜に行きましょう。
ファジャ密集地区なので、いくつものオブジェを見物することもできます。
●通行止めの道路が多く中心部の交通はマヒし、バスのルートも変わるので要注意。
基本的に徒歩になるので、歩きやすい靴を履きましょう。
●最後に燃やされるオブジェがある市役所広場は通勤ラッシュの山手線並みに混み合うので、
オススメしません。
●小さいオブジェほど間近で見ることができます。
●この時期の天候はまだ不安定で夜は冷え込むこともあります。ご注意を。

<揚げたてが美味しいカボチャの揚げドーナツやチュロス>
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<まばゆいばかりのルサファ地区スエカ通りのイルミネーション>
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では、楽しい火祭りを! 私も楽しみます^^

火祭り公式サイト: http://www.fallas.com/
(スペイン時間午後2時には爆竹ショーの映像が見られます)

スペイン一豪華なバレンシアの民族衣装

10 3月
2011年3月10日

今年も火祭りの季節がやってきました。2月27日にはセラーノ門で恒例の開会式が行われ、
最終日の3月19日に向けてテンションのあがるバレンシアです。火祭りについては去年も
いくつか記事を書いたので、今回はお祭りに花を添える美しい民族衣装についてご紹介したいと
思います。

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日本人の友人のお義母様(以下、マリチ)が民族衣装のオーダーメイドショップを営んでいるので、
あれこれとお話を聞かせてもらいました。
<若かりし頃のマリチ。所属する火祭りグループのミスに選ばれたことも>
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地方ごとに風土や食べ物、祭事、時には言語まで異なるスペインの中でも最も華やかで豪華な
バレンシアの民族衣装。これは18世紀のバレンシアの宮廷衣装がベースになっているそうです。いったいどんなものを身につけるのかご紹介していきましょう。

まずは下着。薄手のチャンブラ(レース飾りのついたキャミソール)とお揃いのポロロ(ひざ丈の
ゆったりしたパンツ)が伝統なのですが、これだけでも値が張るため、外からは見えない部分と
いうこともあり着用しない人も多いそうです。

下着の上に着けるのが、スカートを美しい形に広げるために欠かせないアウエカドール(バニエ)。
その上にはエナグア(ペチコート)を重ねます。

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ドレスは上下別々です。既成のドレスもわずかながら売ってはいますが、基本はオーダーメイド。
ドレスの上からは金糸や銀糸で刺繍をほどこしたデランタル(エプロン)を着けます。
首元にはマンテレタ(レースのスカーフ)を使うことも。

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<かわいらしい幼児用の衣装>
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髪は独特な方法で結いあげ、モニョスと呼ばれるうずまき状の髪飾りを両耳と頭の真後ろに付けます。
自分の髪を切ってモニョスも作る女性もいるとか。ペイネタ(飾り用の櫛)やアグーハ(かんざし)を
使うあたりが 日本髪を彷彿させませんか?

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ちなみにアンティック加工のシルバーでできたこの写真の髪飾りは3点で349ユーロ(約4万円)、
アクセサリーのセットは633ユーロ(約7万円)とのこと。なかなかのお値段です。

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聖母への献花やミサに参加する際は、マンティージャと呼ばれるベールをかぶります。
基本的に未婚女性は白やアイボリー、既婚女性は黒だとか。
シルクかコットン製で、手製のものだとこれだけで10万円ほどするそうです。

そしてレース編みのメディア(ひざ丈の靴下)を履き、靴もドレスに合わせてオーダーメイド。

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どうです? 頭からつま先まで、かなりお金がかかっていますね。気になるお値段は着物と
同様にピンキリだそうですが、平均すると下着やベールを除いて、3000~4000ユーロ
(約34~45万円)とのこと。毎年選出されるミス火祭り級になると、アクセサリーはすべて金、
衣装はオールシルクで30,000ユーロ以上(約340万円)かかるそうです。これが数着必要な
わけで、ミス火祭りになるには、容姿ではなくお金が必要だと言われる所以がわかりますね(苦笑)
ちなみにわずかながらレンタルもあるものの、かなりマイナーだそうです。

私たち日本人は誰でも着物を着る機会は持てますが、この豪華なバレンシアの民族衣装を着るのは、
ファジェラと呼ばれる火祭りグループ(ファジャ)に属する女性に限られていることが残念な
気がします。

生まれ育ったバレンシアの文化を誇りに思い、愛するマリチ。この仕事で一番嬉しいことは、
自分が仕立てたドレスを着て喜ぶお客様の笑顔を見ること。満たされた気持ちになるそうです。
火祭り前の忙しい時期にお話を聞かせてくれて、muchas gracias(どうもありがとう)!!

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最後の晩餐に使われた聖なる杯

03 3月
2011年3月3日

世界的に大ヒットし映画にまでなったダン・ブラウンの『ダ・ヴィンチ・コード』や、
なつかしの映画『インディ・ジョーンズ 最後の聖戦』のキーワードになった聖杯。
ひょっとして小説や映画の中だけのものだと思っていませんか?

それがね、あるんですよ、実物が。ええ、ここバレンシアに。はい、誰でもご覧になれますとも。

一般にカトリックの聖餐の儀式に使う杯を聖杯と言いますが、ほかにはキリストが磔刑にされた時に
流れた血を受けた杯、そして最後の晩餐で「私の血である」と言って12人の弟子に飲ませた
ワインを入れた杯のことも指します。バレンシアの大聖堂にあるのは今から2000年近く前に
最後の晩餐で使われた杯で、世界各地に散らばるキリストの遺品、聖遺物のひとつです。

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&直径約9cm高さ7cmのメノウでできた杯は考古学調査の結果、まさにローマ時代の紀元前
100~50年にかけて作られたものと鑑定されました。また、場所的にもエジプトとパレスチナで
作られていたものに非常に似ているそうで、時代、場所とともに信憑性を裏付けています。
なお、真珠などの宝石で飾られた金の台座は、かなり後世に作られたものです。

さて、最後の晩餐から今日までのこの聖杯の足あとを簡単に辿ってみましょう。
キリストの一番弟子だった聖ペテロは、師の遺品であるこの杯をローマへ持って行きました。
それ以降、代々の法王が大切に保管していたものの3世紀半ばにキリスト教の迫害が厳しくなり、
スペイン・ウエスカ生まれの聖ロレンスが祖国に送り、ピレネーあたりを転々とした後、
最終的にはウエスカのサン・フアン・デ・ラ・ペーニャ修道院に落ち着きました。

<岩盤の下につくられたロマネスク様式のサン・フアン・デ・ラ・ペーニャ修道院>
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1399年に当時のアラゴン国王マルティンの手に渡り、1424年には後継者であったアルフォンソ
5世に譲り与えられ、バレンシアの宮殿へ。アルフォンソ5世はナポリ征服に赴くにあたり、
この聖杯を大聖堂に託しました。1437年のことでした。以後、今日まで600年近くバレンシアの
大聖堂の所蔵となっていますが、1809年~1813年のスペイン独立戦争の際はナポレオン軍による
略奪から守るために密かにアリカンテ、イビサ島、マジョルカ島に運び出されたそうです。
1916年に現在の礼拝堂に設置されますが、市民戦争(1936~1939年)の間は郊外のカルレット村で
保管されていました。歴史のロマンを感じますね。

この聖杯はもちろんローマ法王のお墨付きです。2006年に現ローマ法王ベネディクト十六世が
バレンシアを訪れた時には、この聖杯を使ってミサを行いました。前教皇ヨハネ・パウロ2世も
今から約30年前にバレンシアでの司祭叙階式にこの聖杯を使用しています。

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バレンシア大聖堂最大の秘宝ともいえる聖杯は、入ってすぐ右奥にあるゴシック様式の厳かな
聖杯礼拝堂に恭しく置かれています。

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<レイナ広場から見た大聖堂。向かって一番右の建物が聖杯礼拝堂>
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★バレンシア大聖堂
http://www.catedraldevalencia.es/ (公式サイト)
http://www.spain.info/ja/conoce/monumentos/valencia/catedral_de_valencia.html
(スペイン政府観光局日本語サイト)
入場料金にはオーディオガイド(日本語あり!)代金が含まれています。

禁煙大国になったスペイン

23 2月
2011年2月23日

私が初めてスペインを訪れたのは今から15年前のこと。多くのカルチャーショックを受けましたが、
その中でもハッキリ覚えているシーンがあります。それは、タバコの煙でうっすら曇ったバルの中、
ワインを飲む母親の傍らに置かれたベビーカーですやすや眠る赤ちゃんの姿。
日本だったらありえない!と驚いたものです。

話は少しそれますが、道端で知らない人に「タバコ持ってる?」と1本ねだる人がいることにも
驚きました。「火ある?」ならわかりますけどね。

<エスタンコと呼ばれるタバコ屋>
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とにかく、スペインはほんの数年前まで喫煙大国でした。レストランやバルはもちろん、バスや列車、
駅、職場、禁煙マークのあるところでももくもくと煙があがっていたものです。空港の荷物受け取り
ゾーンでは、禁煙マークがあちこちに貼られているにも関わらず、機内で我慢をしていた喫煙者達が
一斉にタバコに火をつけるシーンが印象的でした。

そんな禁煙事情が変わったのが、2006年1月に施行された禁煙法。飲食店、公共施設、駅、空港、
職場(禁煙室の設置も不可)での喫煙が禁止されるようになったのです。面積が100m2以下の
飲食店では喫煙か禁煙を選ぶことができ、100m2以上のところでは禁煙席と喫煙席を分けることが
義務付けられたものの、前者は客足が減ることを懸念し、禁煙としないケースがほとんどだったようです。

そして今年からさらに厳しくなりました!! 数年前の煙もくもく大国から一気に禁煙大国への
転身です。スペインに旅行に来る方はご注意くださいね。飲食店は全面禁煙になり、あらゆる屋内
公共施設での喫煙も禁止となりました。クラブやディスコでもです。

<ショッピングセンターのテラスにあった灰皿兼ゴミ箱。屋内公共施設内一切禁煙>
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また、子供が通う学校や子供用遊具のある公園内でも一切吸ってはいけないばかりか、半径200m
以内での禁煙を謳っています。子供をお迎えに来た親が門の前で煙をくゆらせることも、公園で
子供を遊ばせながら一服することもできません。嫌煙者の私ですら喫煙者が気の毒になるような
徹底ぶりです。

どうしてここまで厳しくなったのか? その理由のひとつに挙げられるのが、タバコが原因で
命を落とす人の数が年間5万人を下らないという現状。スペインでは公的医療は一切無料なので、
医療費の軽減も狙っているわけです。

さて、2011年1月からは飲食店やクラブ内で一切タバコが吸えないため、喫煙者はいったん
外に出て一服するようになり、それに伴う騒音が問題になっています。夜中に通りでタバコを
吸いながら大声で話す声や音がうるさく、近所の人の睡眠妨害になるのです。

一方、ホテル飲食店業界は新しい禁煙法で客足が遠のいたことに打撃を受けており、各地でデモが
行われています。飲食店でも屋外のテラス席では喫煙が可能なので、この寒い季節にもテラスに座る
人の姿が目立つようになりました。客足確保のためテラス用ストーブを設置する店が相次いでいるとか。

<バレンシアで行われたデモを報じる新聞記事>
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<テラス用のストーブのお陰で、冬でもテラスでお茶&喫煙可能>
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今回は観光や食べ物の話ではなく、ちょっと硬い現代社会事情をテーマにしてみました。
喫煙者の皆さま、屋外ではたいてい吸えますし、ホテルの客室は私的空間とみなされて
喫煙ルームを置くことが許されていますので、あまり心配されずにスペインにいらして下さいね。

ところで、タバコはスペイン語、ポルトガル語でもtabaco。
戦国時代にイベリア半島から日本に入ってきた言葉だとご存知でしたか^^?

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