ドイツの反原子力運動

20 5月
2011年5月20日

3月11日に東日本大震災が起きて以来、ドイツではいろんな団体、企業が
日本のための募金活動を始め、誰もが原子力に抵抗するようになりました。
2か月経った今では多少ほとぼりは冷めましたが、当時は
友人から電話にメール、上司や同僚には毎日のように家族の安否と
放射能の影響を聞かれ、心配してくれる周りの人の優しさに感動したものです。
(出張中の社長はわざわざ電話をくれて「家族と話したい時は
いつでも会社の電話で日本にかけていいからね!」とまで言って
くださいました・・・泣)

原子力発電所はドイツにも複数あり、中には古くて安全性が保障できない
発電所は日本の地震後すぐに運転停止になりました。
3月26日には早速ベルリン、ハンブルグ、ケルンとミュンヘンで
大規模な反原子力デモを実行。地震が起きてまだ間もないのに即座に
エネルギー政策に取り組むドイツ人の行動力に感心しました。
4大都市で集まった参加者は約210万人。反原子力デモは過去にもありましたが、
これだけの人数が集まったのは初めてだそうです。
(若者の参加が特に目立ちました。)

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(前回の記事でも紹介した反原子力運動のお日様マークです。)

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(手持ちの旗には「運転停止!すぐに&世界中で!」と書かれています。)

一般人を除いて参加したのは反原子力団体や自然保護団体の他に
自然エネルギーを推進するSPD党(=ドイツ社会民主党)や緑の党員達です。
逆に反原子力運動の「敵」とされたのはメルケル首相を含むCDU党
(=キリスト教民主同盟)やFDP党(=自由民主党)です。

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(メルケル首相などを皮肉に描いた看板。原発内の炉心溶融に掛けて
「脳内溶融は止められるのか?」と書かれています。)

これは列車に乗ってドイツの田舎を見てみると気が付くことなのですが、
光電装置が付けられている屋根をよく見かけます。ドイツが日本よりも
積極的にエネルギー政策に取り組んでいるのは確かなのですが、
福島の事件があってからその傾向が更に強まったといえるでしょう。

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その結果、今月の初めには北ドイツのバルト海岸付近にウィンドファームが
設立されました。「Baltic 1」と呼ばれるこのウィンドファームは21台の
風力発電機から成っていて、5万世帯に電気を供給できるといわれています。
2年後には新たなウィンドファーム「Baltic 2」が完成する予定です。

自然エネルギー政策は順調に進んでいるように思われますが、懸念もあります。
まず早まった反原子力運動は国内の電気代を高めてしまう可能性があります。
新たな自然エネルギー発電所の設立、古い原発の解体などは数十億ユーロ
かかると予想されています。

そして果たして自然エネルギーは人々の生活に足りるのか。
例えば屋根などに設置されている光電装置は日が照っている時にしか
働かないため、夜や曇りの日のために十分なエネルギーを蓄えられるかが
問題です。
その心配がいらない天然ガス発電所や石炭発電所の設立も考案されましたが、
これらの発電所は二酸化炭素を発生し、温暖化を急速化されることに
なってしまうという欠点があります。

ドイツでは少しずつ変化が起きていますが、これからのエネルギー政策の
方針は半年以内に固められるそうです。今後どうなるか楽しみですね。

余談:ドイツメディアの報道に興味がある方に英語の参考記事のリンクを
載せます。Spiegelオンラインは英語の記事も公表するのでおすすめです。

http://www.spiegel.de/international/germany/0,1518,751295,00.html

http://www.spiegel.de/international/germany/0,1518,759228,00.html

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