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ギリシャの復活祭(パスハ)

20 4月
2008年4月20日

ギリシャでは、外国人は除き、ほとんどの人がギリシャ正教です。東方正教会とも呼ばれ、西方教会(カトリック)とは1054年に分離した教派です。ギリシャ正教では、復活祭はイースターではなく「パスハ」と呼ばれ、日付もカトリックとは異なることが多いです。ギリシャでは今年は4/27が復活祭に当たり、その週(4/21-26)は、毎日のように何かしらパスハ関連の行事があるメガリ・エブドマダ(聖なる週)と呼ばれます。

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パスハは、決まった日付がない祝日で、毎年日付が異なる移動祝日です。カトリックなどの西方教会はグレゴリオ暦を使っているのに対し、ギリシャ正教ではユリウス暦というカレンダーを使っているため、復活祭の日付も異なってしまうのです。どちらにしても、復活祭は、キリストの復活(十字架にかけられた後3日後に蘇った)と、春の到来を祝うもので、キリスト教国では、クリスマスと並び大変重要な華やぎのあるお祭りです。

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パスハ前には、店先でかわいいパスハ関連用品が多く見られ、楽しめます。ランパダと呼ばれるキャンドルは、リボンや縫いぐるみ、人形、春にちなんだ物(花、虫など)などで美しく装飾されたものがこの時期たくさん出回っており、気分もウキウキします。特に、多産・繁栄の象徴であるうさぎ、命の誕生の象徴である卵、パスハを象徴する春の虫であるテントウムシ(パスハリッツァと呼ばれる)などは、定番のパスハグッズ・装飾品です。また、パスハ用のパンとして、ツレーキという甘くておいしいパンがたくさん売られます。この時期は赤い卵が埋め込まれているツレーキも良く見かけます。ツレーキは、ふだんでもパン屋さんで売っていますので、是非食べてみてくださいね。

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運良く、復活祭(パスハ)の時にギリシャにいらっしゃる方は、是非、前日4/26の夜中に教会に出掛けてみられてはいかがでしょうか?人々がキャンドルに火を灯して集い、復活祭の日曜日の到来を祝う儀式は特別なもので、とっても神秘的でギリシャ的な体験が得られると思います。

ただ、パスハ前後はお店も閉まってしまうことが多いので、買い物は計画を立てていった方が良いかもしれません。

ギリシャ人の夢―別荘のある暮らし

19 4月
2008年4月19日

随分前になりますが、子供の幼稚園の友達の別荘に招かれて行ってきました。別荘といっても、アテネからバスで1時間ほどの便利なところにあり、気軽に毎週でも行けるのが魅力です。
場所は、ラフィーナというアテネの東側の海岸沿いにある街で、ラフィーナ港は、ピレウス港ほど大きな港ではないですが、様々な島への連絡船が出ています。周囲は適度に自然も残っているし、水の綺麗な海水浴場もあり、夏の滞在にはもってこいです。

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ギリシャ人にとって、海辺の別荘(サマーハウス)は憧れです。といっても、日本と比べると、はるかに多くの人が持っていることに驚きます。まあ、親から受け継いだ財産ということも多いのですが。オリンピックやユーロ導入以降、物価や地価がとんでもなく高騰してしまった今では、自力で購入するのは、かなり難しい状況になっています。外国人資本もかなり入っており、値段の高い立地条件の良い場所は外国資本に抑えられてしまって、ギリシャ人には手が出ないという皮肉な事態にもなっています。ある人が島に別荘を建てようと場所を探していた時、良い場所はお金のあるドイツ人や北欧の人が皆買っていくとぼやいていました。

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この友達の別荘も、親から受け継いだもので、アパートではありますが、広い屋上からは海や山が眺められる景色の良い所です。部屋には貝殻や木の実や、郊外ならではの遊びの道具があふれています。一歩外に出れば、一面の菜の花が綺麗でした。港やバス停からも近く、便利。夏は、ほとんどここで過ごすということで、毎日、近くの綺麗な海で海水浴を楽しめるのです。

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アンチ別荘派の私も、ふとここで考えてしまいました。別荘というと、家財道具はまた一式必要だし、留守中の盗難なども心配だし、結局自分が掃除や料理もしないといけないし、往復で疲れるし・・・などと考えて別荘なんかいらないと考えていた私ですが、子供が遊ぶ環境としては、やっぱり捨てがたいなあ・・・と。自然の中で遊ぶ機会――虫、星、花、木、動物、海、山・・・などにふれることは、アテネの都会ではやっぱり難しくて、田舎もないので、子供はひ弱になりがち。子供の水泳教室に新しく入ってきた友達も、赤ちゃんの頃から、別荘の海で水に親しんでいたので、恐怖心もなく、すでに泳げるのだという。他の子は北の方に田舎があるので、スキーに親しんだり・・・・・・
都会のアテネっ子にとって、田舎、あるいは別荘がある暮らしということは、やっぱり夢なのです。

ギリシャ独立記念日のあれこれ

12 4月
2008年4月12日

3月25日はギリシャの独立記念日でした。ギリシャが、何百年にもわたるトルコ支配から独立した重要な記念日です。「自由か、さもなければ死を!」というのが当時のスローガンでした。今のギリシャの自由は当たり前のことではなく、先人が、血と汗と涙と誇りで勝ち取った、かけがえのないものなのだということを思い出す日です。

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25日当日は祝日で、毎年アテネ中心部では、軍隊による大規模なパレードが行われます。その祭典の一貫として、学校では、3月25日前後に、生徒達のパレードや行事が行われます。祭典では、ギリシャの旗を持ってパレードをしたり、ギリシャ各地の昔の民族衣装を着たり、独立記念日にちなんだ歌や国歌を唱和したり、ギリシャダンスを踊ったり、詩を詠んだりします。ギリシャの国歌は「自由への讃歌」というD・ソロモスの詩から取られたものですし、ギリシャの国旗は独立戦争時の軍旗が元になっているということからも、この独立記念日の重要性が分かります。

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民族衣装というのも、やはり、国家のアイデンティティーとして象徴的な役割があるのでしょうね。日本の民族衣装、着物も素敵ですが、ギリシャの民族衣装も地域性があってとても綺麗です。特に、刺繍は伝統的に高い技術があり、貴族の人の衣装や結婚式の衣装など、特別なものはかなり精巧で美しい手刺繍が施されています。もちろん、学校行事で着る民族衣装などは、それほど品質の良い物ではないですが、この時期になると、仮設で民族衣装をレンタルする店ができ、大人用から子供用まで、色々レンタルできます。各地の民族衣装だけでなく、昔の将軍の制服や、チョリアスという若い兵隊さんの正装もあります。チョリアスの正装は、白いプリーツスカートと刺繍付きベスト、帽子とボンボンのついた靴が特徴で、本物のチョリアスはアテネの国会議事堂の前で見ることができますし、一緒に写真を撮ることもできます。1時間ごとに衛兵交代の儀式も行われます。

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民族衣装に興味があるならば、バシリス・ソフィアス通りのベナキ美術館、スタディウ通りの国立歴史博物館でも見られます。国立歴史博物館は、特に独立戦争時代の資料が豊富で、当時の軍人の肖像画、写真、勲章などが多数展示されており、博物館前には、独立戦争の英雄であるコロコトロニ将軍の騎馬像が目をひきます。

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オリンピック聖火の採火式

10 4月
2008年4月10日

3月24日に、ギリシャのオリンピック発祥地、オリンピアにて、2008年北京オリンピックの聖火採火式が行われました。

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そもそも、オリンピックは、その聖地オリンピアのアルティスと呼ばれる神聖な場所で4年に1度行われた、ゼウス神に捧げる祭典でした。紀元前8世紀から行われたその祭典では、力や技に自信のある個人や都市国家(ポリス)の威信と名誉を賭けて、肉体と精神の最高峰を目指す競技が繰り広げられていたそうです。当初は、男性だけが参加や観戦を許されていました。そのようなオリンピックが、今まで、政治に利用されたり、戦争で中断されたり、コマーシャリズムに支配されたり、薬物問題が取りざたされながらも、現代まで世界平和と協調に貢献する大会として継承されていることは、ギリシャの誇りとなっています。

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オリンピアは、ペロポネソス半島の西北部にあり、緑豊かな風光明媚な土地でしたが、去年の夏の大規模な山火事のため、かなりの部分が焼け野原と化してしまいました。オリンピアの遺跡も一部被害を受けたり、博物館近くまで火の手が迫っている映像は、かなりショッキングでした。前回、2004年アテネオリンピックの際の採火式の様子をテレビで見た時、なんて美しい場所だろうと感動していたので、その自然が失われたことが残念でなりませんでした。

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採火式の日は、あの周囲の自然が今どのように復活しているのかに一番興味があって、テレビの前に釘付けになっていました。いつもと同じ、オリンピアのヘラ神殿前での採火式。まず、周囲の自然が、前と同じように美しく映っていたのに感銘を受けました。青々とした芝生、新緑の木々、この地区の再生に尽力したとは聞いていましたが、山火事の傷跡は、少しも感じさせない美しさでした。まあ、テレビには綺麗なところしか映さないのでしょうけれど・・・そして、彫りの深い顔立ち、豊かな黒髪を結い上げた巫女の女性達が、ドーリス式の円柱が残る遺跡のそばで、優雅に揺れるプリーツの衣装を身につけて行う、荘厳な儀式。演劇のようでもあり(実際、その巫女達は女優さんです)古代の世界にタイムスリップしたかのような錯覚。採火は太陽光を特殊の鏡で集めて採火するのですが、お天気にも恵まれ、乱入者のハプニングもありましたが・・無事に採火できました。もし天気が悪くて採火出来ない場合は、前日のリハーサルで採火したものが使用されるそうで、ギリシャ内でも、万が一のため、予備の聖火が保管されます。

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聖火はアテネオリンピックのテコンドー銀メダリストである第一走者の男性選手のトーチに点火され、中国の北京へと、長い長い聖火リレーの旅へと出発しました。ギリシャ国内では、1、528キロの距離を605人の走者が7日間かけて走り、3月30日にアテネのパナシナイコスタジアムに到着する予定です。スタジアム内では、2004年アテネオリンピックのギリシャ人メダリスト達がリレーし、最後に、北京オリンピック委員会へとバトンタッチすることになります。そしてその聖火は、8月8日、「鳥の巣」の愛称を持つ、北京オリンピック メインスタジアムの聖火塔に点火されるまで、世界各国を巡る長い旅に出ることになります。

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