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ギリシャの学校

18 6月
2008年6月18日

子供の教育はどこの国でも大変で、親が悩むのは古今東西、同じです。
ギリシャの教育制度は、日本と同様、小学校6年間、中学校3年間、高校3年間です。最近追加になった幼稚園1年間と、小学校から中学校までの9年間が義務教育ですが、新学期は4月ではなく9月始まりです。大学も含め、公立学校の授業料が無料なのは恵まれているのですが、問題はその実情です。去年は、公立学校の先生のストが2ヶ月もあり、やむを得ず子供達を連れて会社に行ったり、預けるところがなくて困った親も沢山いたはずです。大学はすべて国立というのが日本から見ると意外に思えますが、その理由は、教育は無償で受けるべき国民の権利だという信念があるからです。私立大学設立に反対する学生デモも、頻繁に見受けられます。また、ギリシャの大学に飽きたらず、海外留学する学生も多くいます。しかし、高等教育を受けても、ギリシャには学歴に見合う良い職があまりなく、アルバイトをしながら就職浪人している若者もたくさん見かけます。

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公立の小学校に子供を通わせている友人に聞くと、日本との違いに唖然とさせられることが多いのは事実です。先生ごとに同じ教科でも教える内容や教え方が全然異なり、テストをする先生もしない先生もいて、成績表も先生の主観による絶対評価のため、あてにならない。甘い点の先生だと良い成績になり、辛い点の先生だと悪い成績となるので、客観的な本当の実力・学力が分からないという有様。音楽や体育はほとんど「遊びの時間」で、音楽といってもピアノや楽器もないし、音符の読み方も教えない。体育と言っても、談笑しているだけの生徒もいて、スポーツのルールも教えないとか。アテネに住んでいると、都会で土地が少ないので仕方ないのかもしれないけれど、運動場はほとんどないに等しいか猫の額ほど、体育館やプールは皆無、本当に子供が気の毒になる位の環境の悪さです。もちろん、給食もありません。また、最近、新しい問題となっているは、移民の問題。アルバニア、ルーマニア、ブルガリアなどの近隣諸国はもとより、ロシア系、アフリカ系、最近では中国系の移民も多く見かけます。ギリシャ人を圧倒して、外国人の子供の比率がどんどん増え、当然、ギリシャ語能力の差や、宗教・歴史の時間など、難しい問題が山積みです。公立学校のレベルは、住んでいる地域によっても相当格差があります。裕福な地域の公立学校は、子供のレベルも高いし、それなりにPTAもしっかりしていて、課外活動なども充実しているところもあるようです。でも、一般的に、公立学校の授業だけでは心配とあって、学費の高い私立の学校に行かせたり、早くから塾通い、習い事をさせようと考えるのは日本と同じ。親の経済的負担もかなりなものです。下の写真は私立の学校です。

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また、親にとって頭が痛いのが、夏休みの長さ。6月の中旬から9月の初旬まで3ヶ月近い休みがあり、一体どうやって子供を飽きさせずに、しかも、有意義な休みにするか、この時期の過ごし方によって、子供の能力や成長に著しい差が出てくるのも当然でしょう。運動施設のサマーキャンプに行かせたり、島にバカンスに行ったり、案外多いのは、サマーハウスと呼ばれる別荘で夏を過ごすことです。ギリシャでは、日本と比べ、圧倒的に別荘所有率が高いのです。
私は、「ギリシャはのんびりしているから、学校も楽なのだろう」と高をくくっていたのは、間違いでした。どこの家庭でも、子供の教育問題には頭を悩ませているようです。

ギリシャのシーフード

17 6月
2008年6月17日

ギリシャというと、やはり、雲一つ無い青い空と紺碧の海、白い家並み・・・というようなイメージが強いでしょうか。ギリシャはエーゲ海、地中海、イオニア海に囲まれ、数え切れないほどの島々を持つ海洋国なので、さぞかしシーフードも安くて豊富なのだろうと思われるかもしれません。

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その予想に反し、シーフードは肉よりも高価なため日常的に食べられているわけではなく、どちらかといえば贅沢品の部類です。プサロタベルナと呼ばれるシーフード専門のレストランに行けば、魚の種類も豊富でフレッシュな物が見つかりますが、注文がキロ単位だったりしてイメージが湧かず、結構高く付くのでご用心。特に、大エビなどはかなり値が張ります。親切なところは、キッチンに案内してもらい、魚を選ぶことができたりして、日本と違う魚の種類を見るのも楽しいですね。

ウゼリやメゾドポリオと呼ばれるカジュアルな居酒屋のようなところに行けば、タコやイカのおつまみにも出会えると思います。海辺のそんな店でシーフードをつまみながらウゾというお酒を飲み、風の心地よさに身を任せながら、刻一刻と空の色が変化していく夕暮れ時を過ごすのは、至福のひとときであることを保証します!ギリシャに来たら、是非味わって頂きたい人生の醍醐味です。

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調理方法もシンプルなものが多く、素材を生かしてグリルやフライし、塩、コショウ、ハーブ、レモン、オリーブ油で頂くのがギリシャ風です。特に、炭火で焼いたものは、何でも最高に美味です。
魚料理は、高い割にはちょっと私にとっては物足りなく、いつも醤油が欲しくなるような感じです。ポピュラーなものでは、イカのフライ、イカ、エビ、タコのグリル、小魚のフライ、プサロスパと呼ばれる魚のスープ、大イカの中に詰め物をした料理など。

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生の貝を食べられるところもありますが、鮮度に注意。個人的に大好きなのは、アスタコマカロナーダと呼ばれるロブスターのパスタですが、これは当然値段が高くて、ある程度の人数がそろわないと難しいですね。

いずれにしても、これからの季節、海辺でシーフードが嬉しい季節です。

新旧オリンピックの競技場

10 6月
2008年6月10日

北京オリンピックも間近に迫ってきたので、今回はオリンピックの話題を・・
誰もが知るオリンピックの発祥地は、ギリシャ。アテネ中心部にあるパナティナイコ・スタジアムは、1896年、古代オリンピックの復活として、第一回近代オリンピックが開催されたスタジアムです。約7万人を収容したと言われる古代の競技場は、紀元前4世紀に、「パンアテナ大祭」の開催場所として建設されましたが、その後破壊され、現在のものは、近代オリンピックのために再建されたものです。「パンアテナ祭」とは、アテナイの守護女神、アテナを讃える祭りで、当時のポリスにとって最も重要な宗教行事でした。4年に1度行われた「大祭」では、行列や様々な競技が行われ、聖衣の奉納などもありました。その当時のにぎやかな行列の様子は、パルテノン神殿の壁などにも描かれています。当時は、競技は女人禁制だったので、男装して乗り込んだ女性がいたとか、肉体美をも誇示するために競技は全裸で行っていたとか、色々なエピソードがあります。

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現在のパナティナイコ・スタジアムは、アレキサンドリアの富豪、アベロフ(前の広場に彫像があります)の援助を受け、なるべく古代のスタジアムに忠実に復元されたもので、2004年のアテネオリンピックの時にも、マラソンのゴールや他の競技にも実際に使用されました。日本の野口みずき選手が優勝した時の様子は、今でも鳥肌が立つほど感動でした。暮れなずむ夕方から夜の間の神秘的な雰囲気の漂う中、華奢な野口選手がこのスタジアムに1位で入場してきてスタジアムを一周し、日の丸の旗の声援を受けながら、最後の力を振り絞ってゴールしたとたん崩れる様に地面に倒れ込み、その後の拍手喝采の嵐・・・4年ごとに、どこかの国で繰り返される感動のストーリーの源がここにあります。
このスタジアムは、アテネマラソンなど、特別なイベントの時は開放されますが、通常は使用されていません。以前は、観光客も中に入れたのですが、保護のためか、最近では柵の外からの見学のみのようです。
アルディトスの丘の緑を背景に、階段状の客席は、アテネ北東部にあるペンデリ山で採れた白い大理石でできており、正面に5輪のデザインを擁したとても美しいスタジアムです。このスタジアムの別名である「カリ・マルマロ」という名は、「Good Marble(良い大理石)」という意味です。大理石のイスで競技観戦なんて豪華――!と思われるかもしれませんが、そのまま座るとかなり痛いし、冷えますので、私が行く場合は座布団持参です。

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一方、2004年のアテネオリンピックのメイン会場となったOAKAは、ちょっとセンターから離れたところにあります。LINE1の電車の「イリニ(平和という意味)駅」の目の前に広がる広大な競技場は、オリンピック直前まで建設の遅れを世界中でバッシングされていましたが、オリンピック発祥の地の威信をかけて、奇跡的になんとか完成したものです。駅からも見える白いアーチ形のトンネルのようなオブジェも印象的で、設備などの評判も良く、大きな事故もなく大成功のうちに幕を閉じることができました。現在は、何かの競技やコンサートが有るときには開放されています。日本の代々木公園や駒沢公園のように、オリンピック記念公園として常時開放し、市民の憩いの場になれば良いのに・・と期待していたのですが、それはかなわず残念です。下の写真の中央には、アテネオリンピックの時に点火された聖火が写っています。

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マリア様に祈る人たち

07 6月
2008年6月7日

ギリシャ人は、信仰心が深く、ギリシャ正教は生活の一部として溶け込んでいます。縁起をかつぐところもあるし、迷信のようなものも信じる傾向は、日本と少し似ているかもしれません。
今日は、奇跡を起こすと評判のマリア様のイコンがある教会のご紹介です。どこのガイドブックにものっていないのですが、現地では知る人ぞ知る・・・という教会です。

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アクロポリスのふもと、モナスティラキという電車の駅から程近い場所に、ギリシャ正教の古い教会があります。ギリシャ名では
ΠΑΝΑΓΙΑ ΓΡΗΓΟΡΟΥΣΑ, ΑΓΙΟΙ ΤΑΞΙΑΡΧΑΙ(ΕΣ), ΑΓΙΟΣ ΦΑΝΟΥΡΙΟΣ (パナギア・グリゴルサ、アギイ・タクシアルへス、アギオス・ファヌーリオス)と3つ名前があるようです。

さて、この教会ですが、9世紀に建設され、トルコ占領時代に火事で損傷したのですが1922年には修復され、内装はその時以来変わっていない古い教会。外装のみ、1995年に綺麗にされているので、外側からは新しく見えます。建物は上から見ると十字の形をしていてドームがあり、中にはビザンティン時代と西側の技術を融合したザキンソス島出身のイコン画家、ペレカシスのイコンが見られます。

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1945年に教会に寄贈されたマリア様のイコンは、人々の精神的苦痛や病気をあっという間に癒すという、知る人ぞ知る奇跡のイコンで、奇跡を求める多くの信者の巡礼の場所となっています。そのご利益(?)が素早く顕れることから、ギリシャ語でΓΡΗΓΟΡΟΥΣΑ(グリゴルサ 早い人―早く願いをかなえてくれる人、の意味)と呼ばれています。
中は敬虔な信者たちの神聖な場所なので、写真を撮るのもはばかられる雰囲気です。祭壇左側の赤い花で囲われているところにマリア様のイコンがあります。その中には、Τάμα(タマ)と呼ばれる貴金属のお供えものも見られます。

さて、この教会は、アギオス・ファヌーリオスと呼ばれる聖人もまつられていて、そのイコンは入って中央右側の壁面にあります。この聖人は、貧しい民に多くの施し物をしたことで有名です。その名残なのか、この教会では、決められた時間になると、毎日ファヌロピタと呼ばれるパウンドケーキを持って信者が訪れ、そのピタ(ケーキ)を前にして聖職者が願い事をする人の名前を読み上げ、神のご加護を得るという儀式があります。そして、そのピタを食べると神のご加護を受けられるというので、教会の出口には、その時間になると待ち受けていて、ピタのおすそ分けをもらおうとする人々も見られます。

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祈願成就には、3回行くことになっているそうです。

また世間でも良く知られていて、ガイドブックにものっている奇跡を起こすマリア様の教会は、ティノス島のパナギア(マリア様の意味)・エヴァンゲストリア教会です。ここには、毎年マリア様の日である8/15には、全国各地からの多くの巡礼者が訪れ、大変な混雑となる様子が、毎年、テレビで放映されています。

幸せを願う心は世界どこでも共通です。

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