月別アーカイブ: 9月, 2008

ギリシャ名物 イチジク

29 9月
2008年9月29日

ギリシャの名産品に、イチジクがあります。
8月の真夏が旬で、これが、なんとも言えないほどおいしいのです。日本のイチジクは、あまり美味しいと思ったことはないのですが、ギリシャのイチジクは、その甘さ、濃厚さ、プチプチした食感がたまらず、すぐに虜になってしまいました。

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イチジクは漢字で「無花果」と書くので、花がないのかと思いきや、その正反対!あの袋の中に入っている赤いツブツブが、みんな花なのです。その栄養価・効能は秀逸で、カリウム、カルシウム、ビタミン、豊富な食物繊維などをバランス良く含み、整腸作用、便秘解消、酵素による消化促進、二日酔い防止、コレステロールの吸収防止、喉の消炎作用、免疫力の増進、抗ガン作用、抗酸化作用、更年期障害改善、痔の改善、などの効用があげられます。 でも、未熟な実を食べると、逆に胃が荒れるらしいので注意しましょう。
さて、このイチジクの歴史は古く、アラビア半島が原産と言われ、ヨルダン渓谷の遺跡、エジプトの壁画上でも発見されています。旧約聖書で、アダムとイブの裸を隠すために、イチジクの葉を使用したという話は有名ですね。ギリシャでも、この果物との関わりはとても古いです。ギリシャ語ではシコ(複数形はシカ)という名前で、紀元前にまずクレタ島に伝わり、その後、ギリシャ全土に伝統的食料として広がり、大切にされてきました。古代では食用、薬用としてとても珍重されていたため、一部の種類は、輸出を禁止した法律があった時代もあるほどです。多くの花が詰まっていることから、繁栄、多産の象徴であったとも言います。またギリシャ神話の中では、女神デメテルがイチジクを作ったと書かれています。写真下左側の黄緑色のイチジクが「バシリカ」という呼ばれる種類で、「王様」という意味を持つだけのことはあり、とてもおいしく、値段も高いです。右側の黒っぽいイチジクが「マブロ(黒)」という種類で、割ってみると、周りの黄色い果肉が多く、真ん中の赤い花の部分が少なく、甘みも薄いです。

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古代ローマでもイチジクは「聖なる木」として珍重され、当時、少なくとも29種類ものイチジクがあったそうです。イチジクは、まず地中海地域に伝わり、その後、スペイン人の遠征によって、世界に伝えられました。今では、ギリシャを始め、トルコ、スペイン、ポルトガル、アメリカのサンディエゴなどが名産地として知られています。

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このギリシャの宝とも言えるイチジク、生で食べるのが最高ですが、季節が合わなかった場合は、乾燥イチジクやシロップ漬けもお勧めです。乾燥イチジクは、その夏の収穫物で作ったものが10月頃から市場に出てきます。ちょっと堅いですが、噛めば噛むほど味が出て、美容や健康にも良いし、おみやげにも最適です。また、「グリコ・クタリウ」と呼ばれるシロップ漬けは、ちょっと日本人には甘すぎる感がありますが、ギリシャの伝統食品です。昔、ケーキ屋さんなどがなかった頃は、一家の主婦は、季節の果物をシロップ漬けにして保存食にし、お客様へのもてなしに出したりしたそうです。今では、他のお菓子に押され気味ですが、ヨーグルトにかけて食べたりするとおいしいです。

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クレタのスピナロンガ島

23 9月
2008年9月23日

スピナロンガ島は、クレタ島の東部のプラカという村から、船ですぐの小さい島です。
この島の近くには、セレブが良く利用するエルンダというヨーロッパ屈指のリゾート地や、絵はがきにも良く登場するアギオス・ニコラウスという美しい港町があります。

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スピナロンガ島は、16世紀にヴェネツィア共和国が作った丸い砦がランドマークになっていて、それは対岸からでも良く見えます。ヴェネツィア人は、17世紀にクレタの他の地域がオスマン・トルコに征服されてからも、約半世紀にわたって、この島を支配していました。島には、至る所に、ヴェネチア支配、トルコ支配の建物や痕跡が残されています。

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でも、このスピナロンガ島は、最近ちょっと別な意味で有名になりました。それは、この島を舞台にした「The island(日本名は「封印の島」)という本がベストセラーになったからです。

1903年、クレタ共和国により、この島をハンセン病(昔はライ病と呼ばれていたが、近年、呼称がハンセン病に統一された)者の隔離場所にするという決議がなされました。次々と、この牢屋のような島に送り込まれる患者達の苦難の生活・・・・生活物資は、最初は本土からの供給に頼りながらも、次第に自治と尊厳を取り戻し、建物を整備し、仕事をし、結婚もし、教会にも出席していたといいます。
島には、当時、患者達が住んでいた街、病院跡も残っており、使っていた食器なども、展示されています。

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そのような歴史背景に触発され、元はトラベルジャーナリストであったイギリスの作家、ヴィクトリア・ヒスロップは、「The Island」(日本の翻訳本タイトル「封印の島」)というデビュー作を書き上げました。この本は、2007年ブリティッシュ・ブック・アワード新人賞を獲得し、世界20数カ国にも翻訳出版されたそうです。
ロンドンに住む、ギリシャ人の父母を持つ25才の女性が、そのルーツをたどっていくうちに、クレタ島でハンセン病によって島に送られ、生涯を終えた祖母のことを知るというストーリーです。

この島は、現在、港にカフェが一軒あるだけで、ほとんど無人島なので、下水の整備もされていないので、トイレもありません。カフェでトイレを借りようとしたら「海でして下さい」と言われましたが、周囲の海は、信じられないほど透明度が高くて、神々しいほど綺麗な海なので、そんな失礼なことはできません!このような美しい海に囲まれながら、しばし、歴史の重みをかみしめてしまいそうな島です。

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アクロポリスの月見

17 9月
2008年9月17日

満月の夜、「アクロポリスの月見」に行ってきました。
お月見の習慣は、中国や韓国にはあるらしいですが、それ以外の国ではどうなんでしょうね?ヨーロッパだと、満月の夜は人の心を狂わすとか、狼男の話などを連想して、あまり風流という印象はないのですが・・
ギリシャでは、8月の満月の夜、アクロポリスや他の古代遺跡を夜に無料一般公開して、満月の晩の遺跡を楽しむという特別な日があります。良く、絵はがきなどで見る幻想的な風景に魅せられ、前から行きたいと思っていたのですが、今年、やっと「アクロポリスの月見」が実現しました。1年に一回限りのチャンスです。

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8月16日、午後7時から翌日午前1時までの無料公開(日付は、満月の日に合わせるので、毎年変わると思います)。アクロポリスの丘は、言わずと知れたアテネのランドマークです。アクロポリスの丘にそびえる、世界遺産にも指定されているパルテノン神殿は、アテネ神を奉った神殿です。普通なら、入場料が12ユーロかかるのですが、この日の夜は無料とあって、大勢の人がおしかけました。7時過ぎならまだ明るいので神殿の見学にも支障ありませんし、夕焼けから月見まで楽しめてとってもお得!私は夜8時頃着いたのですが、涼しくなって調度夕焼けが美しく、ベストタイミングでした。

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肝心の満月を探したのですが、あれれ、まだ、どこにも出ていない・・・まさか、アテネのスモッグに隠されているのでは・・・と心配になりましたが、8時40分頃に、やっと山の端から顔を出し、金色に輝く満月の全貌が見えた時は、山のなだらかな斜面を、コロコロと下へ転がって行きそうでした。でも、朝日や夕日の動きが速く見えるように、満月もみるみるうちに空へと昇って行き、アクロポリスを優しく月光で包んでいきました。この日ばかりは、月の光を楽しむために、いつものライトアップはしないので、足元にご用心。摩耗した大理石の地面は、結構滑ります。案の定、望遠レンズ&一眼レフのカメラ&三脚持参の人も見かけましたが、それは少数派。満月を楽しむというよりは、月夜の幻想的な遺跡を楽しむ・・という夕涼みの雰囲気でした。

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春の菜の花やケシの花が美しい「遺跡と花」という組み合わせも大好きなのですが、「遺跡と夕焼け」「遺跡と満月」というのも、相性の良い、絵になる組み合わせです。じっくりと遺跡&満月を堪能したあと、帰途につくと、なんと入り口当たりには黒山の人だかり。9時位には、あまりにも入場希望者が多いため入場制限をしていて、行列ができていました。来年行かれる方は、早めの入場をお勧めします。

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アテネ近郊の島 アギストリ

04 9月
2008年9月4日

アテネからの日帰り旅行ができる島に、アギストリという小さな島があります。アテネ近郊の島としては、エギナ島、ポロス島、イドラ島などが有名ですが、アギストリ島は、エギナ島近くの島で、ピレウス港から高速船(Hellenic Seaways社、Agean社などのフライング・ドルフィン)で、1時間程度で行けます。普通の船(ポセイドン号)でも1時間半ぐらいでしょうか。ピレウス港の船の乗り場は行き先ごとにゲートが決まっており、アギストリ島へはE8という乗り場から出航です。LINE1の電車の終点、ピレウス駅を出て左方向に10分ほど歩くと、E8の乗り場が見つかります。そこに行くまでの道沿いに、船のチケットを売る店がたくさん並び、港の中に入ってからでも船のチケットは購入可能です。ただ、夏の混んでいる時期には、早めにチケットを購入しておいた方が安心です。

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高速船「フライング・ドルフィン」がアギストリの港に着いて、バスで10分ほどの終点が、「スカラ」というメインビーチです。ギリシャの島らしい青い丸屋根・白い壁の教会、島のランドマークでもあるアナルギリ教会の真ん前に、美しいビーチが広がっています。

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海は遠浅で、水はクリスタルの美しさ。遠くを眺めると、青いというよりは、エメラルドグリーンのグラデーションになった海の色が魅惑的です。波打ち際には、小さい魚が群れになって泳いでいたり、砂浜には、良く見ると、2-3ミリの小さい貝の赤ちゃんがたくさん落ちていたり、子供も大喜びです。隣のエギナ島は、大型クルーズ船も立ち寄るため、あか抜けており、いかにも観光化されたような印象を受けますが、ここアギストリは、まだあまり観光ずれしていない、いい意味での田舎っぽさの残ったのんびりした雰囲気です。ただ、ビーチの施設(シャワーなど)は、充実しているとは言い難いですが・・・それは、ホテルや貸別荘で着替えたりシャワーを使う、長期滞在者が多いからでしょうか。
アギストリ・エクスプレスという船はエギナ島とアギストリ島のスカラ港間を頻繁に運航しており、わずか10分ほどの距離なので、エギナ島に宿泊し、アギストリ島にちょっと遊びに来たり、その逆のコースも容易です。

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このスカラビーチの前の通りには、タベルナやカフェなどが建ち並び、港のあるメガロホリという村まで、ホテルや貸し別荘なども集中しています。夕方になると、島を周遊するハッピートレインもあり、その発着場もスカラにあります。タベルナの前には、こんな風に、タコを干してある風景にも出会えます。

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海を眺めながらの、タコ、イカ、エビなどの炭火焼きは、ギリシャの島の醍醐味です。アナルギリ教会前のタベルナでは、タコのケフテダキャ(タコのミンチをフライにしたミートボール)や鰯のフライ、ズッキーニのフライなどが美味でした。
ビーチ巡りの他にも、海の幸、ギリシャ伝統料理、釣り、松の木の森でのハイキング、貸しスクーターや自転車でのサイクリング・・・など色々な楽しみ方がありそうです。

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