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ギリシャの冬の家庭料理 ユーバラキャ

27 12月
2008年12月27日

ギリシャも、最近とみに寒くなってきました。そんな時は、アツアツのスープであったまるのが一番。今日は、ギリシャの冬の家庭料理、アブゴレモノ(卵とレモン)ソースを使った、とってもポピュラーなお米入りミートボールのレシピをご紹介します。日本にある材料でもできると思いますよ。

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<ユーバラキャ> (3-4人分)
材料:
牛ひき肉500g、イタリアンパセリ(あれば) 10本くらい
米 50 cc、レモン 1個、小麦粉 大さじ2杯、塩 大さじ1杯
コショウ 適量、オリーブ油 少々、
卵 4個 (ミートボール用2個、スープ用2個)
ビーフのスープストック (クノールで可) 2個
バター 適量

1.パセリの葉をむしり、微塵切りにする。
2.ひき肉、米、小麦粉、パセリ、塩、コショウ、卵2個、オリーブ油少々をボールに入れて良くかき混ぜ、手に水をつけてからくるみ大のミートボールを作る。
3.鍋一杯のお湯を良く沸かし、スープストックを入れる。
4.その鍋にミートボールを入れて中火で30分位煮る。
5.バターを入れてさらに10分位煮る。味を見ながら塩を加える。(バター、塩の量は、水の量とも関係するので、味を見ながら調整する)
6.鍋からスープを少量(おたま3杯位)とり、さましておく。
7.卵2個をとき、レモン半分の絞り汁を加える。
8.6の冷ましたスープを、7に少しずつ加えながらかき混ぜ、エッグレモンソースを作る。
9.8を鍋の上から全体に回しかける。
10.卵が固まらないように時々鍋を回しながら、とろ火であたためる。(余熱で十分の場合もあるので、卵が固まらないうちに火からおろす。)
11.食卓でお好みでレモンをかけて頂く。

人によっては、ミートボールの中にたまねぎのすりおろしや、ディルの微塵切りを入れたりもします。ディルは香りが強いので、私は苦手だから入れない方が好きですが、お好みで・・・・あと、日本ではイタリアンパセリが入手しにくいと思うので、普通のパセリでも良いでしょう。風味は変わってきますけれど。

普通はバターのかわりにオリーブ油を入れるみたいです。ギリシャ料理にバターやクノールなんて邪道だ!と言われるかもしれませんが・・・これは、実は義母のレシピで、おいしいんだから仕方ありません(笑)。

また、このアブゴレモノ(エッグレモン)ソースは、ギリシャ料理では良く登場します。本当は卵黄を泡立ててからレモン汁を加え、それからスープを静かに回し入れて作るらしいのですが、上記はかなり簡易法です。スープもたくさん作って、寒い時にフーフーいいながら、熱々のを頂くと幸せな気分になります。

デルフィの博物館

15 12月
2008年12月15日

先日ご紹介したデルフィですが、併設の博物館は必見です。デルフィの神域遺跡周辺から発掘された重要な彫像、奉納品、建築物の一部の浮き彫りフリーズなど、見所が一杯です。

まず、一番の見所は、博物館の最後にある青銅製の「御者の像」です。青銅製の馬車や馬の一部と一緒に発見されましたが、馬車の手綱を握ったポーズのこの人物像は、左手を除くとほとんど完全な形で残っており、その強い視線と長いまつげ、鼻筋の通った端正な顔立ち、巻き毛の髪の繊細さ、裸足の足のリアルさ、衣服のひだなど、ため息が出るほど美しく、何世紀を経てもすたれない美しさを保っています。この像は、紀元前5世紀に、ピュティア競技会で優勝したポリザロスが奉納したものと考えられています。「厳格様式(厳しい表情、骨格や筋肉組織の表現も正確な、厳格さを特徴とする様式)」で作られ、制作者は、サモス島出身のピサゴラスと考えられています。

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この美少年の像は、「アンティノス」です。彼は、ローマ帝国のハドリアヌス皇帝に寵愛された青年で、皇帝の死後、ナイル川に身を投げて入水自殺を図ったと言われる悲劇のヒーローです。この像が発掘された当時の写真が横に張ってありましたが、泥の中から、純白の大理石で、光り輝くような若者像が現れた様子は、ぞくぞくするものがあります。ちょっと憂いを帯びたその面持ちは、物語性充分です。

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デルフィは、古代、世界のへそ(中心)だと考えられていました。ゼウス神が世界の中心の場所を知るために2羽の鳩を飛ばし、それが出会った場所であったとか・・・その「オンファロス(へそ)」と呼ばれる大理石の彫刻がこれです。

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こちらは、アポロン神殿に奉られているアポロン神の顔の像です。典型的なアルカイックスマイル(ギリシャ彫刻でよく見られる、唇の両端をかすかに上げた微笑み)で、東部は金メッキの銀、両側にたれた飾りの部分は金箔です。

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こちらは、シフノス人が奉納したと言われる両翼のスフィンクス像です。アポロン神殿に至る道の、高い柱の上に鎮座していたということです。

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入場制限がある場合もありますから、時間に余裕を持って鑑賞して下さい。

ギリシャの世界遺産 デルフィ

10 12月
2008年12月10日

ギリシャには、ユネスコの世界遺産に登録された、貴重な歴史的建造物や遺跡が18カ所ありますが、今日ご紹介するデルフィもその一つです。

アテネから約160キロ北部、中央ギリシャの自然豊かな美しいパルナッソス山中に、この小さな村は位置しています。ここは、日本の世界史の教科書にも出てくる「デルフィの神託」が行われた聖域として有名で、今でも当時の様子を彷彿とさせるスケールの大きい遺跡と、重要な発掘物を多く集めた博物館を見学することができます。下の写真は、当時の様子を再現したスケッチで、上部に描かれているのがアポロン神殿です。

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古代、ギリシャが多くのポリス(都市国家)に分かれていた頃、デルフィは「世界のへそ(中心)」と考えられていました。その「へそ」を象徴する当時の発掘物は、博物館の中に展示してあります。
デルフィは、アポロン(秩序と音楽を司どる神)に捧げられた聖なる場所でしたが、紀元前8世紀までにはその神託で有名になり、そのアポロン神殿には、一般人のみならず諸国家の政治的要人までが、政治経済の諸問題についての神託を求めて参拝しに来ました。この神殿は、最初は月桂樹の木で作られていたそうですが、紀元前7世紀に石造りの神殿が建てられ、それから何度となく再建され、現在残っているのは、紀元前4世紀のものです。当時のドーリス式の神殿には、破風に、神々と巨人との戦いやアポロンの彫刻がなされていました。神殿の中には、世界の中心を象徴する彫刻(オンファロス)と黄金のアポロン像があり、神託も神殿の中の半地下で行われたということです。また、神殿の中には、個人や都市国家からの豪華な奉納物が陳列されていました。下の写真は、アポロン神殿跡です。

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さて、神託とは「神のお告げ」ですが、一体どのように行われたのでしょうか?日本の「いたこ」の口寄せは、「いたこ」と呼ばれる女性が死者の霊を自分の体に憑依させて、現世の人間と交信させるものですが、このような女性(巫女)が、古代のデルフィにもいました。その巫女はピュティアと呼ばれ、近くのカスタリアの泉で身を浄めた後、アポロン神殿の地下に入り、地の裂け目から出る霊気を吸い込み、月桂樹の葉を噛みながらトランス(憑依)状態に入っていったと伝えられます。そして、ピュティアの口を介して語られる神のお告げが神官によって解釈され、参拝者に告げられたのです。神託を伺う者は特別な税を支払い、身を浄め、生け贄となる動物を捧げる必要があったそうです。この神託は、冬場を除く月1回行われ、紀元前4世紀にビザンティン皇帝によって異教禁止令が出されるまで続きました。

当時、入り口を入ると、アポロンの神殿に続く「聖なる道」の両側には、様々な都市国家の宝庫や奉納された彫像が並び、宝庫の中にはそれぞれの国家の奉納物が収められていました。シフノス人の宝庫の正面にあったとされる乙女像や、ナクソス人の奉納したスフィンクスを始め、たくさんの奉納品の発掘物が博物館に所蔵されています。アテネ人の宝庫(下の写真)は、美しいドーリス式の建物(紀元前6世紀)で、マラトンの戦いで得た戦利品が並べられていたといいます。

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また、アポロン神殿の少し上には劇場(下の写真、ローマ時代に再建)があり、更に10分ほど坂を上ると、紀元前3―4世紀に建設されたスタジアムがあります。ここでは、4年に1度、アポロン神にささげる「ピュティア競技会」が開かれていたそうです。また、アポロン神殿から下を眺めると、南東方向の山のふもとには、アテナ・プロナイアの神域とギムナシウム(体育場)の跡が見られます。

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さすがに、古代世界の中心と考えられていた場所、山と緑と清浄な空気に包まれ、自然の不思議なパワーがみなぎっているような気がします。

ギリシャのツァイ(お茶)

03 12月
2008年12月3日

前に、ギリシャのコーヒーの記事を書きましたが、今回はお茶についての話題です。ギリシャ語でお茶のことを「ツァイ」と言いますが、「茶」、「ティー」と発音が似ていますから、これも同じ語源なのでしょうね。
お茶というと、日本では嗜好品の色彩が強いかと思いますが、ギリシャでは、体調が悪いときに、薬草を煮出して飲むハーブティーの意味合いが強いようです。ですから、友人の家を訪問してお茶を頼むと、「何処か悪いの?」と聞かれたりします。それもそのはず、医学の祖と呼ばれるギリシャの医学者ヒポクラテス(紀元前4世紀)は、古代から薬草を煎じて飲む処方箋を多く使用し、その数は何百種類にもなるそうです。

0002   (photo:RMIG0002)

上の写真のような、薬用のハーブティー専門店もありますが、今日は、スーパーや土産物屋さんでも見かける、ギリシャでポピュラーなお茶をご紹介しましょう。

まずはギリシャ語で「ハモミリ」と呼ばれるカモミールティー。これは、カモミールの花を乾燥させたお茶で、日本でもあるかと思いますが、こちらでは病気の時の万能薬として有名です。抗菌、殺菌、整腸作用(便秘・下痢の改善)、鎮静、神経痛・風邪・肥満の改善などが主な効能ですが、とにかくお腹の調子の悪い時に良く登場します。また、赤ちゃんの水分補給として飲ませたり、傷口や肌、目の消毒、腫れをひかせるための湿布などにも使われます。カモミールは、ギリシャのような、暑くて太陽光線の強い気候に適した植物で、アテネのような都会でも、春に公園や遺跡に行くと、黄色と白のコントラストが可憐なカモミールが群生していて、とても綺麗です。

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次は、ギリシャ語で「ツァイ・ツゥ・ブヌ(山のお茶)」と呼ばれるもの。これは、多分日本にはないのではないでしょうか。なんだか埃っぽい感じの草なんですが、これがまた万能薬。風邪気味の時にも良いようです。

次はセージ。ギリシャ語では「ファスコミロ」と呼ばれ、血糖値を下げ、風邪、喉頭炎、胃のもたれにも効用があるそうです。

それから、クレタ島で取れる「ディクタモ」という貴重なお茶。これは、残念ながら、スーパーでは売っていないかも知れませんが・・・有名なのでご紹介しておきましょう。このお茶は、殺菌作用、防腐作用に優れ、消化を促進し、頭痛、生理痛、神経痛を和らげ、低血圧、お腹の調子が悪い時も最適です。

下記写真の上がツァイ・トゥ・ブヌ、左下がハモミリ、右下がディクタモです。

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これらは、ビニール袋に入ったドライフラワーみたいな形で売っているものと、お手軽なところではティーバッグもあります。飲み方は、鍋の沸騰したお湯に一つまみのお茶を入れて数分煮出し、漉して飲んだり、カップの中にスプーン一杯のお茶を入れ、熱湯を入れて10分ほどむらして漉して飲みます。ティーバッグなら、カップの中でむらして飲むだけです。お茶の効能を知っていれば、その日の気分や体調に合わせて、自分でブレンドして作ったりもできるので、それも楽しいですね。飲みにくければ、蜂蜜を入れて飲んでも良いです。

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もっとも、カフェで置いているお茶は、リプトンに代表される紅茶です。紅茶は、もちろん嗜好品としても飲みますが、下痢をした時などレモンティーにして飲むと良いと言われています。

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