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2500周年記念 アテネ・クラシック・マラソン!!!

15 11月
2010年11月15日

10月31日(日)の爽やかな秋晴れの下、2500周年記念大会と
なったアテネ・クラシック・マラソンが開催されました。前回
の記事でも書きましたが、ことしは紀元前490年のマラトンの
戦いから2500年!フルマラソンのエントリーは過去最高で、例
年の3倍以上。外国からの参加が8割だそうで、あまりの人気
ぶりに3月早々に締め切られてしまったそうです。私の住むアパー
トメントでは、1週間前から急に上の階からの生活雑音がうるさ
くなりました。何事かと思ったら、奥さんがオランダ人なので、
なんとオランダから10人もマラソンに参加するために友人が来
て、現地入りして走りこんでいたそうです。すごい気合です…。

当日、ランナーたちはマラトンを午前9時にスタートするので、
ゴールのパナティナイコ・スタジアムに10時に到着しました。

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記念大会とあって、10キロコースは一番手軽に参加できるので、
参加者も有名人がたくさん。ゴール地点はものすごい混雑です。
知人のランナーなども見分けるのはほぼ不可能…。首相ヨルゴス・
パパンドレウさんをはじめ、ディミトリス・ドゥルーチャス外相、
ティナ・ビルビリ環境相など閣僚の方々の参加も多く、下の画像は
パパンドレウ首相がゴール後、メディアに囲まれているところです。

パパンドレウさんはギリシャ危機の報道で日本でもすっかり有名に
なってしまいましたが…^^;今までに偶然、2回も遭遇し、写真
を一緒に撮ったことがあります。政治家に向いているとは言い難い
ですが、エリート出の割に本当に気さくなおじさん(失礼!)。
マウンテンバイクやジョギングが趣味なので、贅肉もなく、鍛えら
れたいい体をしています。11月7日、14日にはギリシャの地方選挙
なので、閣僚の皆さんはアピールも兼ねているのでしょう。

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ここ数年は毎年スタジアムに来ていましたが、ざっと観客席を見渡
しても、例年より人々の数が明らかに多いです。観光名所を中心に
楽しみながら走る5キロや、10キロコースのランナーたちは引き
続き大人数でゴール。記念大会だからなのか、はたまたハロウィン
のせいか、変装ランナーも多し!スタジアムに来る際に見かけた
古代ギリシャ人の扮装をした男女ペアさんも無事ゴール!

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10キロコースに各国大使の参加も多かったようですが、オース
トリア大使はフルマラソンに参加して無事に完走!セルビア旧
王室の元王子にあたる人物や、バーレーンの王室関係者も参加
したそうです。
下の画像は男子優勝者ケニアのレイモンド・ベットさんがテー
プを切った瞬間です(2時間12分40秒)。ケニアの選手は上位
を占めましたが、マラトンの地の由来を知って、所属チームに
出場を直訴した選手もいたそうです。

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次の画像はギリシャ男子で最高位のミハリス・パルマキスさん、
15位。(2時間20分48秒)。ものすごい歓声と拍手に応えて(?)
早速ユニフォームを脱いで、アピール。静かに達成感に浸って
いるようでした。

ところで前回のブログで、マラトンの戦いにてギリシャ人とプラタ
イア人連合軍が勝利し、この勝利をアテネに伝えるため、伝令フィ
ディピディスは42.195kmをひた走り、アテネに到着し亡くなっ
たと書きました。
「ネニキカメ」(我々は勝利した:古代ギリシャ語)と一言、その
まま息をひきとったと言われています。が…当時の伝令は軍人とし
ての職業です。確かに42.195kmを完走するのはすごいことです
が、アマチュアランナーでも走る距離で、なぜ亡くなってしまった
のかなと思っていました。

この伝令の話自体伝説だと言われたりしますが、近年の研究でいろ
いろわかってきたようです。様々な説がありますが、ある説による
と、フィディピディスは約42kmを走って息絶えたわけでなく、
この勝利の知らせをもたらした前日になんとアテネ-スパルタ間
を往復していたというのです。

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アテネからの親書を携えてスパルタまでひた走り、またアテネに急
いでひきかえし、その足でマラトンへ走って戦いの様子をみて、また
勝利の知らせのため、アテネまで疾走……。アテネ-スパルタ往復
は約450km。アテネ-マラソン間も往復してますので、約2日間
に合計約535km走っていた!今でもアテネ-スパルタやアテネ-マ
ラトン間は起伏の激しい道のりですが、当時の道は比較にならないく
らい険しい山道だったでしょう。そりゃあ息絶えてしまいますね…。

下の画像は日本人男子・上口広之さんが20位でゴール(2時間22分
16秒)した瞬間です。ギリシャ人は外国人、特に遠い国の人々には
とても優しいので、大きな拍手を受けていました。私と友人は日本の
国旗を盛大に振ったので、周りの観客席の多くのギリシャ人が笑顔で
「ブラヴォー」と言ってくれました。

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女子優勝者はリトアニアのラサ・ドゥラズダウカイテさん(2時間31
分06秒)。男女とも優勝者のタイムは大会新記録。一昨年は田上麻衣
さん、昨年は尾崎朱美さんと日本女子が優勝したので、日本勢3連覇
なるか!と期待して女子のゴール前に陣取っていましたが、残念~。

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でも4位に日本の早川英理さん(2時間40分25秒)がゴールした
際は嬉しかったです!しかし首位ゴール後、女子のゴール地点のタ
イム電子表示板の調子が悪くなり、なぜかEnd表示に!急遽、男
子と同じゴールになりました。せっかく女子ゴールの前に陣取った
のに急に角度が悪くなり、いい写真が撮れなくて残念…。早川さん
は「思ったよりアップダウンが激しく、リズムに乗れなかった」と
コメント。このコースは起伏が激しく世界でも最もタフなコースの
ひとつとして有名です。早川さんと11秒差でギリシャ人女子最高
位コンスタンディナ・ケファラさんが5位でゴール(2時間40分
36秒)。9位にもギリシャ女子マグダ・カリマリさん(2時間44分
58秒)。

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マラソン完走者全員にメダルが授与されます。観客席でお話した
ギリシャ人の男の子。お父さんが完走したらしく、早速、メダル
を首にかけてもらって得意げ^^でも写真を撮る瞬間、大事そうに
メダル部分を隠しちゃうのです!きっと宝物になるんでしょうね。

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このスタジアムは紀元前331年に建設開始。2世紀頃、アクロポリ
スにあるイロド・アティコス音楽堂をアテネ市に寄付した大富豪
アティコスが大理石の観客席を寄付。その際の大理石は現存して
いませんが、ここで第1回近代オリンピック(1896年)が開催さ
れました。その前年に、やはり大富豪アベロフが多大な寄付をして
良質の大理石が惜しみなく使われました。五輪マークを掲げる巨大
なスタジアムは約5万人を収容。2004年のアテネ五輪で、野口み
ずき選手がトップでスタジアムに入場、テープを切った場所です。
歴史好きなランナーの方は、ぜひ噂の難コースに挑戦してください!

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マラソン競技発祥の地・マラトンの考古学博物館

01 11月
2010年11月1日

マラソナス(マラトン)はアテネの中心部から約40km
ほどに位置し、紀元前490年、ペルシャ戦争における
「マラトンの戦い」の戦場として有名になった地です。
この戦いの勝利をアテネに伝えるべく42.195kmを
ひた走った伝令フィディピディス。彼は勝利を伝え終
えた後、息をひきとったという伝説があります。この
話については史実なのか伝説なのか?、史実だとして
も諸説あるようですが、近年、彼が走った距離はもっ
と長かったことなどがわかってきたようです。

何はともあれこのお話に基づき、オリンピックのマラ
ソン競技の規定距離が決められました。今でもアテネ
市内、アンベロキピには、この伝令の名に因んだフィ
ディピドゥ通りがあります。

このマラトンからアテネへ、オリジナルマラソンコースを
走る「アテネ・クラシック・マラソン」、ことしはなんと
2500周年記念大会となりました!(10月31日開催)。
その様子はもちろん、ブログでアップしていきますが、
まずは大会の前に備え、マラトンの地のいろいろな遺跡
や博物館を改めて訪ねてみました。

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上の画像はマラトンの考古学博物館。こじんまりした博物館
なので、今まで行ったことはなかったのですが、展示内容は
なかなかのもので、とても見応えがありました。ギリシャ系
アメリカ人の富豪、エフゲニオス・パナゴプロス氏の多大な
寄付によって1975年に建てられたもの。2004年に改装工事
をして、展示内容もかなり整えられ再オープンしたそうです。

紀元前2000年から200年くらいまでというなんとも幅広い時代
に渡る貴重な展示物があります。たくさんの展示物がありますが、
博物館の入口で、エジプトからの彫刻群以外はフラッシュなし
なら撮影が可だと言われたので、印象に残ったものを一部ご紹介。

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上の画像は幾何学様式のジュエリーボックス。紀元前8世紀のも
ので、底まできめ細かく美しい文様が施されているので、鏡が
設置され、底面も見えるように展示されています。

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次は男性の彫像ですが、おそらくマラトンのハラドゥロス川の化身
ではないかと推察される大理石像です。2世紀ごろのものですが、
衣服のひだや皮膚、筋肉がリアルに表現されています。

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時代ごとに部屋が分かれていますが、期待以上に素晴らしい
展示物ばかりで、見応えも十分。しかもアテネの都心にあるような
博物館や美術館と比較すると格段に空いているので、じっくりと
素晴らしい古代彫刻を眺めることができます。

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上の画像はとても貴重な展示物。マラトンにあった大富豪イロド・
アティコスの邸宅の門構え(アーチ)の一部です。イロド・アティ
コスと言えば、亡き妻の記念にと、アクロポリスの丘にあるイロ
ド・アティコス音楽堂(161年建立)をまるごとアテネ市に寄贈
した人物。音楽堂は約5千人以上収容の巨大な施設で、何度も
修復されている遺跡とはいえ、現代も立派に機能し、音楽や演劇
などの祭典が開催されています。イロド・アティコスの邸宅
の一部がごろっと展示されているところもさすがギリシャです!
その他、展示室5には200年ごろのエジプトの見事な彫刻群
がありますが、ここだけはフラッシュなしでも撮影が禁じら
れていますので、ご注意ください。

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博物館の隣には、紀元前2000年から1200年ごろにかけての
古墳(塚)があります。考古学上、重要なこの敷地を保存する
ために1970年に屋根だけがつけられましたが、2003年には
完全に建物内に収まり、階段や踏み板も整備されました。古
墳をぐるっと囲むように、スロープや階段があり、少し高い位
置から古墳全体を見渡すことができるようになっています。

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尚、上記の博物館と古墳から約2kmほど離れたところには紀元前
3200年~2700年の古墳(塚)もあり、こちらも屋内にまるごと
保存されています。訪ねた日はこちらの建物は開いていませんで
したが、ガラス越しに見ることはできました。

マラトンの地には、他にもマラトンの戦いの戦死者を祀る塚や、
牧羊神パンの洞窟など、歴史的に興味深いスポットが多く点在
しています。アテネからマラトンに向かう中距離バスは、メトロ
(イサプ)の緑のライン、ヴィクトリア駅近くのアレオス公園
(マヴロマテオン通り)から出ています。見所はたくさん
あるので、数人で訪ねるならタクシーを使って回ってもいい
かもしれませんね。特に博物館は小さいからといってあなどれ
ません。私が訪ねた日は無料でしたが、大人3ユーロ、学生や
外国人、65歳以上は2ユーロ。博物館のチケットでマラトン
に点在する全ての歴史的スポットに入場可。ギリシャの悠久の
歴史に興味のある方はぜひ訪ねてみてください。

マラトン考古学博物館
TEL  : 22940 55155
開館時間: 8:30~15:00 月曜休館
※小さい村なので住所は特に表記なし。夏場は
18時まで開館する場合もあり。事前に要確認。

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