月別アーカイブ: 11月, 2010

カンティーナ見学

27 11月
2010年11月27日
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秋の新ワインの入荷などでワイン熱が高まるこの季節、直接製造元にお邪魔してカンティーナ(ワイン蔵)見学させてもらう機会がありました。

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こちらが、私が訪ねたワイン製造所、「Villa Trasqua(ヴィッラ・トラスクワ)」。
数々の受賞歴を持つ、高品質ワインの製造所です。

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建物は爽やかな風の吹く気持ちのいい丘に建っていて、周囲をオリーブの木や、広大なブドウ畑に囲まれています。

こちらで栽培しているブドウはサンジョベーゼ種と、カベルネ・ソーヴィニヨン種の二種類。
畑を前に「こっちがサンジョベーゼです」なんて説明を受けましたが、さすがにさっぱり見分けがつきませんでした。。。

まずはオランダ人のオーナーに挨拶したのですが、彼はイタリア語が話せない模様。
英語で説明されても私にはよくわからないので、イタリア人の女性スタッフがワイン蔵の案内をしてくれることになりました。

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外から見ると小さな住居のような建物だったのですが、一度地下に降りるとそこには広大なワイン製造所が。

まず始めに見せてもらったのは、絞ったワインを一番始めに入れる樽です。
ひんやりとした地下の空気の中、巨大な木樽が静かに並んでいます。

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天然の木樽での熟成が済んだものは、更に巨大な金属樽に移されます。

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別の部屋に、もう少し小さな木樽も並んでいました。
最近では木樽をまったく使わないカンティーナもあるそうですが、やはり天然の木の香りが移ったものでないと、美味しいワインにはなりません。
樽にはフランス産の木材が一番なのだとか。

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熟成期間を終えたワインは瓶詰めし、ラベルを貼って出荷されます。

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そして、こちらが出来上がりの製品です。

カンティーナ見学の最後に、ワインの味の説明と試飲をさせてもらいました。
ここで作られているのは「キャンティ・クラッシコ」と呼ばれる非常に厳格な規定をクリアした物が主ですが、最近はもっと自由な発想で作る「スーパー・トスカーナ」という銘柄も人気を呼んでいます。

というのも、キャンティ・クラッシコと名乗るにはサンジョベーゼ種を80%以上使用しなければならない、という規定があるのですが、ブドウの出来によってはもっと別の配合でも面白い物ができるそうなんです。
こちらで作っている「スーパー・トスカーナ」は、二種のブドウを50%ずつ混ぜて作っています。

しかし、スーパー・トスカーナは試飲してみた結果私の好みではなかったので、今回は却下。
意外とクラシックなワインが好きなのかな?なんて、自分でも再発見がありました。
結局、口当たりの軽いまだ若いワインを一本と、反対にもっと重みのある渋いワインを一本ずつ購入。

そうそう、Villa Trasquaという名前を聞いて、「おや?」と思ったワイン通の方もいるかもしれません。
このワインは主にイタリア国内ではなく、海外に輸出されているブランドなんです。
だから、日本でも味わうことが可能です。
いつか偶然に、日本のお店で出会うこともあるかもしれませんね。

Villa Trasqua公式ホームページ
http://www.villatrasqua.it/index_it.php

楽しい秋のイベント、ヨーロッパ市場

11 11月
2010年11月11日
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フィレンツェで暮らしていると毎日のように何かしらのイベントがあって、飽きるということがありません。
面白そうな物だけ選んでいてもすぐ多忙になってしまうので、体が二つ欲しい!と思うくらいです。

年に一度、この時期にヨーロッパ各国からの屋台が集合するヨーロッパ市場も、絶対欠かすことのできない大好きなイベントの一つ。

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昼間も多くの人で賑わいますが、夜の市場はまたひと味違って幻想的。

街の中心にあるサンタクローチェ教会広場では毎年この市場が開かれていますが、今年は例年に比べて少し規模が大きくなったようです。
教会へと続く道沿いにも、幾つかの屋台が並んでいました。

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この市場では、ヨーロッパ各国の名産品や特産品、食べ物などがずらっと一堂に会します。
お店を見てみると、フランス、ドイツ、オーストリア、スイス、オランダ、スペインなどなど、バリエーションが豊富です。

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中には、こんな風に大量のニンニクと唐辛子を並べているお店も。
ニンニクの苦手な人が見たらぎょっとしてしまいそうですね。

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こちらはオランダからやって来たという花屋さん。
植木や球根を売っています。

ゆっくりと見て回りたいのは山々なんだけれど・・・まずは腹ごしらえをしないと、あちらこちらから漂ってくる美味しい匂いに負けてしまいそう!

何を食べようかな。炭焼きの肉?それともパエリア?煮込み料理?
各国の美味しい物が集まっているんですから、決めるのもなかなか大変です。

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でも結局、去年までと同じ物をチョイスしてしまいました。
ドイツの巨大炭焼きソーセージを、豪快にパンに挟んだホットドックです。
もちろん、本場ドイツのビールも欠かせません。
来年こそは何か違う物も食べてみようと思うのですが、ソーセージとビールの組み合わせが大好きな私は、いつもドイツ屋台の誘惑に負けてしまいます。

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小さな男の子が一人、ぐるぐる回る鳥の丸焼きの前でうっとりしていました。
炎が豪快に燃え上がる様子は、確かに魅力的!

私はこの日、フランスのアクセサリーとチーズ、スパイスを少々と、オーストリアのストゥルーデル(アップルパイのようなケーキ)を購入。
途中ココナッツの焼き菓子を買って口にほおばりながら、買い物を楽しみました。

のんびりフィレンツェの日曜日

09 11月
2010年11月9日
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イタリアでは日曜日と月曜日の午前中、レストランをのぞくほとんどのお店が休業日になっています。
日曜日に大騒ぎして帰宅が遅くなっても、月曜日はゆっくり眠れるという、いかにも人生を楽しむことが大好きなイタリア人らしい休業日ですね。

そんなわけで、日曜日に何かしようと思っても、スーパーに買い出しに行くことすらできません。
となれば、こっちものんびり休日気分になって、日曜ならではの楽しみを見つけなければなりません。

まずは自転車に乗って、ゆっくり公園をサイクリング。

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公園内にある建物に、老人たちが集まっています。
音楽が聞こえたので何をしているのかと近寄ってみたところ、社交ダンスの集まりでした。
パートナーのいる人もいれば、パートナーを探している人もあり。
イタリアの熟年層は、まだまだ恋にも現役です。
寄り添って手を握り、見事なタンゴを披露するカップルもいました。

若者たちがサッカーをしている横を通り抜け、中心街へ。
ここにも、日曜ならではのお楽しみがあります。

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こちらはサント・スピリト教会。
月に一度、第二日曜日にのみの市が開かれます。

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ここの市場は、アンティーク品やビンテージの服が豊富なのが特徴。
今の季節、毛皮のコートなども格安値段で売りに出されています。
道行く女の子のファッションも、古い物を上手に取り入れたオシャレさんが目立ちます。
ビンテージ以外にも、作家が手作りの服を売りに来ていたりするので、人とは違うオシャレをしたい人にはこの市場はもってこいです。
良い製品は決して安くはありませんが、見ているだけでも楽しい!

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ドライフルーツやお菓子を売るお店も出ていました。
この広場では有機市場もよく開かれているので、この日も自然食品やハーブなどのお店がちらほら。

この日私は古いスカーフを一枚と、友人の出産祝いに子供のおもちゃを買いました。

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小腹が空いたら、こちらのお店へ。
イノシシの頭が目印です。
ショーケースの中にはチーズやサラミ、野菜など様々な物が並んでいるので、好きな物を選んでパニーノにしてもらいます。

パニーノ片手に、ぶらぶらとお散歩。
さぁて、夕方からはどう過ごそうかなと考えながら歩くこの時間が、実は日曜のお気に入りです。

聖剣伝説の残るサンガルガーノ

05 11月
2010年11月5日
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美しい秋晴れの日曜日。
秋になると行きたくなる、サンガルガーノという場所に行ってきました。

紅葉の中車を走らせ、光が降り注ぐ一本道をゆっくりと進んだ先で、まず私たちを待ち受けているのはAbbazia di San Galgano(サンガルガーノ修道院)。

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といっても、ここはすでに修道院としての役目を終えて完全な廃墟になっています。
しかしその朽ち方があまりに美しく、独特の雰囲気を漂わせているので、今でも私のように時々訪れる人が後を絶ちません。

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ご覧の通り屋根は抜け落ちて、壁の先には大空が広がっています。
初めてこの土地にやって来た時には他に観光客もおらず、修道院の静寂が秋の冴えた空気やメランコリーさとぴったりとマッチして、感動すら覚えたものでした。

しかし、サンガルガーノを有名にしたのはこの廃墟ではありません。
修道院から15分ほど歩いて丘を登った所にある、Rotonda di Montesiepiと呼ばれる筒状の教会。
そこには、かのアーサー王の聖剣・エクスカリバーのモデルになったのではないかとも言われる、聖なる剣が眠っているのです。

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こちらが、剣の眠る教会。
サンガルガーノという名の由来になった聖人、聖ガルガーノがその生涯を終え、眠りについた場所でもあります。
聖なる剣はこの聖ガルガーノの持ち物であり、彼が奇跡を起こして岩に突き立てたという伝説が残っているのです。

聖ガルガーノはこの近くの村の、貴族の息子として生まれました。
裕福で何不自由ない暮らしを送っていたガルガーノですが、聖地エルサレム奪回戦争に騎士として参加したことが、彼の人生を大きく変えてしまいます。

繊細な貴族の息子には、生々しく惨たらしい戦場が合うはずもありませんでした。
彼は戦友たちが止めるのも聞かず、戦場を去りこの地に戻ってきます。

それまでにも度々不思議な夢を見ていたガルガーノは、ここで白昼夢に襲われ、残虐な戦争で人殺しをした罪を悔い、神に許しを請うのです。
「神よ!」彼が叫んだ時、彼の意志とは無関係に剣を握りしめた手が動き、剣は足下の岩の中に音もなく吸い込まれていきます。

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現在剣はプラスチックケースで蓋をされて保管されています。
科学的な調査も行われましたが、分かったのは確かに聖ガルガーノが生きていた12世紀のものであることと、岩と険との間には一分の隙もなく、もともとあった岩の割れ目に差し込んだわけではない、ということのみ。

ガルガーノは奇跡の起きた場所に教会を建て、家族や婚約者が嘆くのも聞かず隠者として生活し、32歳という若さでこの世を去りました。

後に彼は聖人に認定され、前述した修道院なども建設され、信仰の対象となっていくのです。

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アーサー王の聖剣のモデルと言われると華やかなイメージを抱きますが、実際のサンガルガーノはひっそりとした静寂に包まれた、少しもの悲しい場所です。

晩年は隠者として雑草を食べながら暮らしたという聖ガルガーノも、きっと教会からこの故郷の風景を見渡していたことでしょう。
彼の愛したであろうトスカーナの風景は、秋の暖かい日差しに包まれてゆっくりと暮れていきました。

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