月別アーカイブ: 12月, 2010

イタリア、寝台列車の旅

28 12月
2010年12月28日
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ヨーロッパに住んでいて嬉しいことの一つが、他の国々と地続きなので、旅行するのが楽だということです。
飛行機に乗らなくても、車や電車で気楽に海外に出られるというのは、日本では味わうことのできない楽しみです。

日本にも東京(上野駅)から札幌をつなぐ寝台特急がありますが、イタリアにはパリへと走る寝台列車があります。
今回は日本からの観光客にも人気だというこの電車に乗って、フィレンツェからパリまで旅行してきました。

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こちらがイタリアの寝台特急、Artesia(アルテシア)です。

見た目は普通の電車と同じ、いやむしろ特急電車ユーロスターなどに比べると落書きもあったりして少々汚めな列車です。

アルテシアはローマを出発して、フィレンツェ、ボローニャなどの有名都市に停まりながら、終点パリを目指します。
(アルテシアにはもう一路線あって、そちらはミラノやヴェネツィアを経由します。)

イタリアを出た後、フランスに入る前に一度スイスを経由するので、眠っている間に三カ国を通ることになります。

早めに予約をすると割引になるし、休日などが重なると事前にチケットが売り切れてしまうこともあるので、なるべく早めの予約をおすすめします。
日本からでも旅行代理店などでチケットの購入ができるようです。

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もう少し豪華な二人部屋などもありますが、私が予約したのはスタンダードな四人部屋です。
折りたたみ式のベッドが上・中・下に設置されていて、最大六人が眠れる部屋になっています。

お喋り大好きなイタリア人。
相部屋になったお客さん同士で、すぐに賑やかなお喋りが始まるのもイタリア寝台列車の魅力かもしれません。

乗り込んで荷物を整理したら、シーツと毛布を自分でセットしてまずはベッドメイキングです。
料金にはシーツなどの他にペットボトルの水一本が含まれています。

乗車してすぐに車掌さんがやってくるので、出入国の手続きのために乗車チケットと身分証明書(日本からの観光客の場合はパスポート)を渡します。

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こちらは食堂車です。
アルテシアには本格的な食堂車が連結していて、フルコースの夕食を食べることができます。
予約制だと聞いていましたが、直接見に行ってみたら「一時間後に来てくれたら席を用意するよ!」とのこと。

メニューは一種類だけなので選ぶことはできませんが、シンプルながら美味しいパスタと、メイン料理のお肉、付け合わせの野菜、最後にはデザートやフルーツが付いて、かなりのボリュームでした。
シチリア産のワインで気持ちよく酔っぱらい、乗客同士が「お休みなさい」と挨拶を交わしてそれぞれの部屋へと眠りに行きます。

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食堂車の手前には、朝食やコーヒーを楽しむことができる小さなBarもあります。
イタリア人にとっては、たとえ移動中だとしても、朝一番のエスプレッソは欠かすことができませんものね。

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フィレンツェを夜出発した電車は、朝にはパリに到着します。
所要時間はおよそ12時間。

目が覚めたら、外は一面の雪景色になっていました。
朝日に照らされた雪を見ながら、あぁずいぶん北にやって来たんだなぁと実感する瞬間です。

チケットと身分証明書を再び受け取ったら、もうすぐパリに到着です。

世界一小さな映画館

17 12月
2010年12月17日
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先日、しばらく連絡を取り合っていなかった友人から、突然「明日の夕方手伝いに来てくれ!」とヘルプの電話が掛かってきました。
イタリア人の待ち合わせって本当に突然なことが多くて、数日前から約束してあるなんてことはほとんどありません。
それでもちゃんと人が集まるんだから、不思議です。

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翌日、約束の場所に行ってみると、友人のアツィーニが個性的な愛車と共にやって来ました。
彼は主にショートフィルムを撮っている映画監督です。
三年ほど前に友達に紹介されて、一度彼の映画の日本語字幕を作ったことがありました。

今回、彼の企画「世界一小さな映画館」がテレビのインタヴューを受けることになり、テレビ撮影用のお客さんが足りないと言うので、私がサクラになるためにやって来たというわけです。

到着と同時にアツィーニとその仲間たちがバタバタと映画館の準備をしていきます。

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こちらが、完成後の「世界一小さな映画館」です。
一見ちょっと派手なだけの車ですが、彼は古い車を改造して中にスクリーンを設置し、後部座席で映画を観ることができるようにしたんです。
座席は後方のたった二席のみ。

2006年に構想を練って以来、彼はこの車で自分の作った映画を上映して回っています。

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大慌てで準備をして、間一髪、取材班の到着に間に合いました。
さて、いよいよインタヴュー開始。

派手なジャケットを着て映画館の説明をしているのが、アツィーニです。
女性インタヴュアーの質問に、身振り手振りで元気に答えていきます。

インタヴューの後は実際に車の中に人が入っていく様子を撮るというので、私を始め数人のサクラたちがお手伝いをしました。

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こちらが、映画館の内部の様子です。
本当に小さなスクリーンなんですが、意外とくつろいで映画を見ることができるんですよ。

私たち観客は、車に乗り込む前にまず上映内容の説明を受けます。

アツィーニの映画館はレストランと同じ形式になっていて、渡されたメニューの中から観たい映画を「前菜はこれ、デザートはこれ」と言うように注文するんです。
選べる映画はどれも5分程度の短い物で、見終わったら車から出て次の人に交代する、というシステムです。

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撮影の後はアツィーニから集まった友人たちにお礼のジェラートが振る舞われ、翌日彼の自宅で夕食会をすることに決まって解散になりました。

果たして、アツィーニの世界一小さな映画館は、フィレンツェの新しい名物になるのか!?
街で彼の映画館を見つけた時は、是非体験してみてくださいね。

フィレンツェで、多国籍結婚式

14 12月
2010年12月14日
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11月のイタリアはお天気がずっと悪くて、気分が鬱々としてきます。
そんな中、憂鬱な気分を吹き飛ばすような「妊娠&結婚」という明るいニュースが舞い込み、友人の結婚式に出席することになりました。

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イタリアでは結婚の方法が二つあります。
一つは教会で神父さんが式を執り行う「教会婚」で、もう一つが市役所で挙げる「市役所婚」です。

敬けんなカトリックの多いイタリアでは、教会で式を挙げるのには色々と厳しい取り決めがあり、万が一離婚することになった時にも手続きがとても難しくなります。
今回の新郎新婦の場合のように、先に妊娠がわかっている場合にも、教会はなかなか受け入れてくれません。
そのため、最近では宗教に関係なく式を執り行うことができる「市役所婚」を選ぶカップルがとても増えているんです。

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しかしフィレンツェに限っては、宗教的な理由だけでなく「どうしても市役所で!」というカップルが世界中から集まってきます。
なぜなら、フィレンツェ市役所はかの有名なヴェッキォ宮殿の中にあるからです。

こちらが、フィレンツェ人の誇りとも言える、ヴェッキォ宮殿内「赤の間」です。
かつてはメディチ家の住居であり、フィレンツェの歴史上常に政治の中心であったヴェッキォ宮殿。
世界遺産にも登録されているこの建物で永遠の愛を誓うため、地元っ子だけでなく世界中の人々がこの地にやって来ます。

もちろん、日本人だってここで結婚することは可能です。
イタリアで結婚式を挙げると二人の結婚はフィレンツェ市に登録され、たとえ日本人同士であったとしても戸籍上には「イタリア共和国方式により婚姻」と記載されるんですよ。

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そんなわけで、赤の間はいつでも式の予約でいっぱい。
一日に幾つもの式を執り行うため、20分ほどで式は終わり、私たちも慌ただしく二次会会場へと移動することになりました。

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こちらが今回の新郎新婦。エンリーコとクラウディア夫妻です。

イタリアの結婚式では日本のように式と披露宴を同じ場所で挙げるのではなく、式の後レストランや新郎新婦の家などに移動して、親戚や友人を集めて盛大な昼食会を行うのが一般的です。

エンリーコたちが選んだレストランは、エジプト人一家が経営するイタリアンレストラン。
新郎新婦の到着後すぐに乾杯して、前菜、何種類ものパスタ、山盛りのお肉、そしてケーキ・・・と、次々に料理が出てきました。

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ラストはやっぱり、二人でケーキ入刀。

実はこの二人、エンリーコはペルー人、クラウディアはエルサルバドル人という国際結婚カップルです。
招待客もほとんどがペルー人なので、レストラン内の公用語がスペイン語になっていました。

ペルー人とエルサルバドル人のカップルがフィレンツェで結婚して、日本人の招待客(私)がいて、エジプト人のお店で昼食会を開く・・・ふと気付いたら何カ国も入り交じった多国籍結婚式になっていました。
「おめでとう!」「Auguri!」会場では幾つもの原語でお祝いのメッセージが飛び交います。

エンリーコ、クラウディア、そしてもうすぐ生まれる赤ちゃん、いつまでもお幸せに!

イタリアでコスプレ!?

04 12月
2010年12月4日
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11月13日、聖ザノビの奇跡を記念したイベントの一環として、ドゥオモの前が大変身しました。
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あんまり違和感がないので、見落としてしまいそうですが・・・いつもと何が違うかわかるでしょうか?
そう、ドゥオモの前にミケランジェロ作ダヴィデ像のレプリカが設置されたんです。
教会前の広場には芝生も敷かれて、沢山の人々が珍しそうに眺めていました。

フィレンツェには本家本物のアカデミア美術館所蔵のダヴィデ像の他に、レプリカが二つあります。
一つはヴェッキォ宮殿前、そしてもう一つはミケランジェロ広場です。

そして今回、四番目のダヴィデ像となったわけですが、こちらは残念ながら期間限定で、イベント終了後には取り外されてしまいました。

さて、そんなドゥオモ大変身の日、フィレンツェに日本好きのイタリア人たちが大集合するイベントも行われていました。

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11月10日から14日に開催された日本映画祭の企画の一つとして、コスプレ行列が開催されたのです。

こちらが、映画祭のパンフレット。
去年始まったばかりのイベントだと聞いていたんですが、すでに沢山の大企業がスポンサーになっているところを見ると、かなり盛況な模様です。

「土曜日に観に行こうよ!面白い物があるよ。」と友人に誘われて出かけてみると・・・。

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びっくり!フィレンツェの象徴、ヴェッキォ宮殿前に、日本アニメや有名映画のコスプレをした人たちが集結していました。
世界遺産の街を背景に、セーラームーンやナルトたちが行進していきます。

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中でも一番注目を集めていたのは、アニメ「ワンピース」のキャラクターに扮したこのグループ。
なんと彼らはイタリアで一番大きなコスプレイベントで、2010年の優勝者に輝いたチャンピオンなのです。

よく見ると服だけでなく小物までよくできていて、アニメに詳しくない私でも感心してしまいます。

背後にいる骸骨マスクにシルクハット姿のキャラクターは、背の高さを表現するためにズボンの中に竹馬を履いていました。
しかもそのままの格好で文句も言わず、三時間ほど市内を歩き回ったんですから驚きです。
コスプレって体力勝負なんですね。

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こちらはこの日のために遠方から駆けつけた、私のお友達二人組です。
コスプレ行進の行く先々にカメラ小僧がついて回り、ヴェッキォ宮殿やドゥオモ、リプブリカ広場の回転木馬など、名所に着くたびに盛大な写真撮影会が開かれます。

この二人の衣装はアニメではなく、宝塚の演目「エリザベート」のコスプレなんだとか。
日本人なのに何一つ知らない私に、「私たちは恋人同士で、これは96年のエリザベートの衣装なのよ!宝塚では二年ごとに衣装が替わるの」なんて元気に説明してくれました。

何も知らず街を歩いていたフィレンツェの住民たちは、このコスプレ集団を見てびっくり。
訳も分からないままシャッターを押す観光客も沢山いました。

コスプレを楽しむイタリア人も、日本映画を目当てにやってきた人も、共通することは「日本が大好き」ということ。
日本人として、ちょっと誇らしい気持ちになれた一日でした。

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