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ラマダン中の食生活

25 10月
2007年10月25日

9月13日から始まったラマダン。イスラム教徒はこの1ヶ月日の出から日没まで断食
をしなくてはならない。

朝4時か5時に起き、朝ごはんの用意をし、それから19時過ぎくらいまで、食事、水、
タバコもダメである。(人に寄っては唾すら呑み込まないらしい・・・)断食が始
まる頃は、辛そうな感じの人が多いが後半になるとみんな平気な感じだ。慣れなん
だろうね、やっぱり。

イスラム教の人と結婚した人はマレーシアではイスラム教に改宗する人が多いが
(本来はmustでは無いらしい)、日本人の女性でもイスラム教徒と結婚した人など、
見かけはまったくマレー人じゃないのでサボろうと思えばサボれるのだが、断食を
ちゃんとやっている人は多い。

子供達は早い子は7歳くらいから断食を始めるようだが、10歳くらいになると大体の
子は始めるようだ。最初は1日置きとか、頑張れるところまで・・・という感じで翌
年は1ヶ月やる・・・というようなパターンが多いらしい。女子高生には「自分はイ
スラム教徒ではないけれど、友人がやってるから自分もダイエットを兼ねて付き合っ
ている。」なんていう子もいるらしい。

断食はマレーシア(インドネシアも)では『プアサ』という。英語ではFastingとい
うが、朝食のBreakfastは眠っている間食事をしていない(断食)をブレイクするか
らそう言う、とは聞いてはいたもののマレーシアに来る以前はあまりピンと来ていな
かった。しかしラマダン中、ホテルなどでは「Breakfast buffet」という看板が出て
いたりするし、夕食を指して「breakfast time」などと普段の会話にも出てくるので、
妙にその語源を納得したりする。

マレー語では「ブカ・プアサ」という。ブカは『開く』という意味なので、『断食
を明ける』っていう事だね。

通常の夜市ではなく、ラマダン限定のブカ・プアサ用の食事を売る露店が多く出る。
会社の帰りなどに買って帰る人が多い。
02_01 露店1

02_02 露店2

外で食事をする時は時間に気をつけなくてはいけない。7時ちょっと前から、イスラ
ム教徒が入れるレストランはイスラム教徒が一杯だ。彼らは着席し、食事を目の前に
並べても手はつけず、ブカ・プアサの時間になると一斉に食べ始める。初めて見た時
はかなり不思議な光景だった。マクドナルドやケンタッキーだってそうなのだ。

なのでイスラム教徒以外の人は、イスラム教徒が入れないお店(ノン・ハラル)に行
ったり、早めに行ってさっさと済ませる、落ち着いた頃に行くなど時間をずらして食
事をする。

先月、中秋のお祝いで月餅コーナーがアチコチにあったが、終了と同時に月餅はクッ
キーなどに替わった(忙しい!)。

02_03 クッキー

このクッキーもこの月だけホーム・メイド・クッキーを売る商売をする人も多い。
ハリラヤにはお金がかかるから、先に書いた露店もそうだがこうやってサイド・ビジ
ネスをする人が多いのだ。

ラマダンに良く見られるのが、干しデイツ(ナツメ椰子の実)。味は干し柿に似てい
て甘い。日中断食をしているので、先ずお水とこの甘いデイツで血糖値を上げるのだ
ろう。そんなわけでスーパには中東からのデイツが沢山並ぶ。

02_04 デイツ
写真はアメリカのデイツだが、「イスラムの習慣だから中東産のを食べる。」と言っ
ている人も多いそうだが、アメリカ産のデイツちょっと値段は高めだが、美味い!
(私は沢山食べないので、16個だけ入っている量り売りパックを買った。)

断食だから、粗食に・・・というのは大違いで、普段より豪華な気がする。この期間
中、友人や会社の同僚など色々な集まりで、共に日没後の食事(『ブカ・プアサ』
Breakfast)を取り、夜のお祈りをする会食がよくあるし、クリスマスや日本の正月の
ようにカードを送ったり、

02_05 カード
写真:ハリラヤ・カード

ハンパーという食べ物の詰め合わせなどを贈りあったりする。
02_06 ハンパー
写真:ハンパー

禁欲の月なのか、お祭りモード(日本で言う師走のムードに似ているので)なのか・・・。
エジプトなんかも、毎晩ドンチャン騒ぎだと聞くからな・・・。

さて「断食1ヶ月後、痩せるのか?」私の友人達に聞くと、返事はやはり大抵は「痩せる」
だが、中には変わらないという人もいる。どぉ?来年はやってみる?

ラマダン(ラマダーン)とハリラヤ

20 10月
2007年10月20日

イスラム暦(ヒジュラ暦)9月にあたるラマダン月はイスラム教徒が行わなくては
ならない大事な修行の一つである断食をする月である。今年、イスラム暦1428
年9月1日は西暦2007年9月13日から始まり、10月12日に最後の断食と
なり10月13日がイスラム暦の10月(シャウワール)1日となる。陰暦を使っ
ていて(各月29日あるいは30日)、中国の暦と違って閏年による調整をしないので、
毎年11日間ずつ前倒しになっていく。(33年で1周するらしい。)

毎年ずれていくので、「一昨年のラマダンの頃は・・・」と思い出話をするにも
「えっと11月だったけ?」などと考えなくてはならず、この「一昨年のラマダン」
というフレーズを使う時は「そのラマダンの時にあった出来事限定」の話になる。
季節の無い国で過去を振り返って「あの時」とさすのはやっぱり行事が節目になっ
たりするのだけれど、イスラム暦は使えない・・・。まぁ、こういう話は「暑かっ
た、寒かった」の季節的な話が多いので、常夏のマレーシアにはあまり関係がない
のかもしれない・・・。それでも時間と行事がいつも違うのは不便な気がするのは
私だけだろうか。

でもマレーシアはイスラム教国ではあるけれど、信仰の自由はあるし、他の宗教の
祝日などもあるので、日付が動かない行事もあるわけで、そういうことが記憶の軸
になっているかな。

ラマダンの間は、日の出から日没まで断食をする事以外に、耳や鼻をほじってはい
けない、性交はいけないなどの禁欲意外に、人を騙したりウソをついてはいけない、
争いを避け、淫らな事を考える事もダメ・・・品行方正な生活をしないといけない
ことになっている。病人、旅人、妊婦、生理中の女性は断食を中断することができ
るが、元気になった時に断食を休んだ日数分ちゃんとやらないといけないことにな
っている。このような禁欲、品行方正な生活をすることによって神をより身近に考
える月でもあるのだそうだ。

断食の月であっても、普段通りの仕事をこなしていかないといけない『修行』でも
あるのだけれど、始まる頃は体も慣れていないので、役所などへ午後に行くとぼ~
っとしている人が多く、何か頼むのも申し訳ないような気がしてしまうし、「ちゃ
んと分かっているのかな?」などと思ってしまうので、この時期に役所関係へは行
かないようにしている。(どうしても用事のある時は午前中に。)

一般の会社でもイスラム教徒はランチ時間を返上し仕事をしてもらい、その分夕飯
の準備や家族でその日の断食明けの食事をとるよう、帰宅時間を早めるなどの配慮
をしているところもある。

日常生活でもこの時期はイスラム教徒以外の人も、相手がムスリムならば会社に打
ち合わせに来てもお茶も出さないし、飲食も彼らの前でしないよう配慮する。

禁欲の月・・・なのだけれど、夜は結構みんな食べてるし、ラマダンが終わればお
正月のような賑わいになるので、晴れ着を買う人やお祝い用のお菓子や食材を買う
人も多い。厳粛なムードという感じはない。

01_01 MVイベント広場
写真:ミッドバレー・イベント広場

01_02  KLCCイベント広場
写真:KLCCイベント広場

01_03  晴れ着
写真:晴れ着のお店

そして、ラマダンが明けるとイスラム暦10月シャウワール月が始まる。1日は、家族
でモスクへお祈りに行き、ハリラヤ・プアサ(断食月終了のお祝い)を祝うための
ご馳走を食べ、親類を訪ねたり訪ねられたり、春節の習慣のお年玉がマレーシアで
は導入され(?)、今は子供達にお年玉をあげたりもする。正月ではないが正月の
ノリ。

01_04 モスク
写真:ブルー・モスク

また、シャウワール中は、『ハリラヤ・プアサ・オープン・ハウス』という、友人、
近隣の人、知らない人も含め1日中お客をもてなすホームパーティーを週末に行うお
宅も多い。首相官邸、王宮も開放されてオープンハウスの日には1日で何千人、何万
人も来るらしい。確か王宮はこの時しか開放されないはずなので、中に入ってみるチ
ャンスだ。

今年は10月13日がシャウワールの始まりで、13、14日がハリラヤ・プアサで祝日なの
で、15日まで公休日になる。会社によっては長く休暇になるし、会社を閉めない所は
イスラム教徒の人だけ大体1週間くらい休みを取る。クアラ・ルンプールなどは多くの
人が帰省してしまうので静かになるのだが、休みを交代で取らないといけない職業、
例えばホテルなどは、マレーシアのように多民族国家だと「私は春節に休みを取るの
で」「私はクリスマス休暇にするので」とそれぞれが上手く割り振っているので、合
理的だなと思う事もある。

『新しい高級ショッピング・モール』

15 10月
2007年10月15日

既に大型ショッピングセンターは結構あるのに、KLのど真ん中ブキット・ビンタンに
新しいショッピング・モール『Pavilion』が9月20日にソフト・オープンした。

元々ブキット・ビンタン地区というのは若者の街、というか東京で言えば新宿・渋谷な
感じで・・・。
02_01BB 1 02_02 BB 2

スターヒルという高級ブランドの入ったショッピング・モールがオープンしてからブキ
ット・ビンタンでもその区域は銀座的な無国籍な雰囲気を漂わせている。
高級ホテル(マリオット、ウェスティン、リッツ・カールトンなどなど)高級レストラ
ン、ショッピング、カフェ、お洒落な地区に変貌し、渋滞は昼夜問わずいつも。で、ス
ターヒルの向かい側にまたバブリーなモールがオープンしたわけなのだが・・・。

02_03 パヴィリオン
ソフト・・・というのは正式オープンではない。正式オープンは春節の時期になるそう
だ。ブキット・ビンタン地区に用事があったので、覗いてみた。ソフト・オープンとい
う割にはかなりお店は開いていたと思う。聞くところによると、全てのテナント・スペ
ースはすでに埋まっているという。

02_04 イベント
ブキット・ビンタン通りからパヴィリオンに入るとそこは3階になる。2階には広いイ
ベント・スペースがあり全体にその部分は吹き抜けになっている。こういうスタイルは
KLのショッピング・モールではよくあり、いつも思うのだがスペースの取り方がなん
とも贅沢だ。通路も広くずっと遠くのお店までば~~っと見渡せる。

02_05 Cafe
写真はイベント・スペースの直ぐ横にあるカフェ。エクアトリアル・ホテルのショップ
のようだ。フードも美味しそうである。スープが数種類常備されていて(これも数年前
からの世界的にBig Cityのフード・トレンドだよね。)、スープンに目がない私なので
次回はトライしようと思う。

どこのショッピング・モールも入っているテナントが代わり映えせず、どこへ行っても
同じような感じだったのだが、パヴィリオンは新しくマレーシアに進出してきたファッ
ション・ブランドやレストランもあり、アンカーテナントの地元デパートのパークソン
も垢抜けて新宿の高島屋風な感じがして、他のショッピング・モールとは雰囲気が違う。

Banana Republic, Club Monaco, Gap, Jaspal, Juicy Couture, Paul Frank,
Salavianca, Tangoo, Fossilはハンドバッグも沢山入っている・・・など(まだオープ
ンしていないお店もあるが)一つの所に入っているモールは他にない。高級ブランド店
はスターヒルにかなり入っており、今までKLCCに行かないとなかったブランドなど
が入っていて、この区域に来れば全て網羅できるという感じだ。

レストランは1F,3F,6Fに固まっているが6Fはまだ殆どオープンしていなかっ
た。1Fには回転寿司のお店が入っていて、かなり賑わっていた。日本食は本当に世界
中でブームなんだな・・・と思う。6Fに出来る『南翔饅頭店』は上海の老舗。これは
かなりオープンが楽しみだ。
02_06 南翔

9月26日は別の大型ショッピング・モールが拡張し、新しいモールがオープンする。
こちらはどんな雰囲気で勝負してくるのだろうか。
こっちも近いうちにレポートできるかな・・・。

『中秋名月』

09 10月
2007年10月9日

マレーシアはマレー系、中華系、インド系と多数の少数民族が合わさった多民族国家。
それぞれの民族の行事や習慣を楽しむ事ができる一粒で何度も美味しいのがマレーシ
アの魅力でもある。人口の約26%を占めるのが中華系。
今日は『中秋名月』の話を少し。

『お月見』の習慣は日本でもあるが、今も各家庭で月見団子やススキを飾るなんてい
う事をしたりするのだろうか?私が小さい頃は母が「今日はお月見だから」とお団子
をおやつに出してくれたり、幼稚園では月の中にウサギがいる・・・なんていう話を
聞いたこともあった。今もそうなのかな?

この中秋名月とは旧暦8月15日で、今年は9月25日にあたる。中国では古く唐の
時代(618-907)、玄宗皇帝がこの日月明かりの元、宴をしたという話もあるそうだ。
中国の民の殆どが農民で秋の収穫のあと、冬支度の始まる前涼しい風を浴びながらお
茶やお酒を飲み名月を楽しむというのがこの行事の始まりである。この行事には先に
も書いたウサギが月でハーブをつく、Chang’eという月の女神の話、永遠の命を得る
ために月に生えた150mの巨木(カワラケツメイ)を切る男の話、日本の古いおと
ぎ話のベースであろう月にまつわる話もいくつか聞く。

この中秋名月(Mid-autumn Festival)は別名Moon Cake Festivalともいい、月餅(ゲ
ッペイ)を食べる習慣がある。この季節(大体1ヶ月半くらい前から)、ショッピン
グセンターには特設コーナができ、ホテル、有名中華レストラン、中華菓子店などが
こぞって色々な種類の月餅を売りに出す。

01_01 MidV
01_02 Lot10

私の父は満州育ちなので、我が家では月餅は割りと普通に家で食べる茶菓子であった
が、マレーシアに来てその大きさを見て驚いた。直径8cmほど(最近は小さな物も
出回っているが)で、勿論これを一人で食べるわけではなく、4~6つに切っていた
だく。

01_03 月餅
写真の月餅は切ってあるほうがシャングリラ・ホテルのゴマ月餅。甘さ控えめでなか
なか。奥は『友愛』の蓮の餡子の月餅。(いっぺんには食べられないのでまだ切って
いない・・・)

ナッツが入ったもの、小豆餡子、蓮の餡子、抹茶餡、紅芋餡、変り種ではドリアン風
味、アロエ入りなんていうのもある。基本は中にアヒルの卵を塩漬けしたものが一つ
入っている。(これが月を表す。)皮は焼き饅頭皮の他、半生系(お餅)もあり、型
は普通の月餅だが寒天で出来た冷えた状態で食べるものもある。そして、今年はチョ
コレートで出来たムーンケーキ(勿論小型)が出ていて目を引いた。

01_04ハーゲンダッツ
そしてハーゲンダッツも積極的にアイスクリーム・ムーン・ケーキ(月餅)を販売し
ていた。

家族で月餅を食べながら月を鑑賞する・・・のは勿論、お世話になった人に月餅を贈
るという習慣があり、会社でも取引先から頂いたり、親戚や友人間でも送りあったり
する。大体4つを一箱に入れて贈るのだが、この箱も以前はただのボール紙にちょっ
とキレイに印刷された程度の箱だったのが、缶の入れ物が出だしたと思ったら、今は
木箱風や重箱風の立派な箱が出てきている。「日本のお菓子の包装はとても立派で美
しい」とどこの国でも評判だがその影響なのだろうか?

さて、この月餅にまつわるお話を一つ。中華系の人が大好きな伝説だ。

時は元朝(1271-1368)末期。モンゴル人に支配されていた中国。「モンゴル人と喧嘩を
すれば舌を切られる」と言うような世の中。

ある日、真面目で働き者の農夫のZhi Yangの妻が酔った村の監督官であるモンゴル人
に絡まれる。人々はとばっちりが来てはいけないと見て見ぬふり。Zhi Yangがやって
くるのを見た群集のなかのある男が監督官に「夫が来ると」告げるが、酔っ払い監督
官は女の手を離さない。怒ったZhi Yangはその監督官を殴り倒してしまう。

仕返しを恐れた村の長老がZhi Yangに村を出たほうがいいとアドバイスする。そして
Zhi Yangは学者Zhaoの所へ行く。Zhaoは「Zhu Yuan Zhan(朱元璋=シュ・ゲンショウ
)の軍(紅巾軍?)に友人がいるのでこの手紙を持ってきなさい。彼はお前を助け、
策を考えてくれるだろう。」

後日、Zhi Yangの家には監督官がモンゴル人の男を従えやってきたが、Zhi Yangの父
が事をお金で解決。そして月餅の季節がやって来た。Zhi Yangの家でも月餅を作りそ
こにはZhu Yuan Zhan(朱元璋)の計画を書いた紙が入れられた。そのメッセージは
「月餅の夜、火がつく。これはモンゴル人を攻撃する印。」というもので、月餅を食
べないモンゴル人はその攻撃を知らず、軍はこの日モンゴルを襲撃し中国は元朝を滅
ぼした。Zhu Yuan Zhan(朱元璋)は明朝(1368-1644)の創始者『洪武帝』のことであ
る。

(娘の本を要約しながらネットで調べつつ書いたのですが、人物の漢字が分からない
部分があり、すみません。)

話は戻るが、この中秋名月はシンガポールやマレーシアではLantern Festival(提灯
祭り)とも呼ばれている。
01_05 提灯

この進化系で電池を使って電子メロディー付なんちゃってキャラ(ポケモン、ドラえ
もん、キティーちゃん)提灯も出てくる。
01_06電子提灯

この日の夜、子供達は提灯にロウソクを点し、近くを歩いたりする。提灯をもって歩
くのは直ぐ飽きてしまうが、この日は堂々と火遊びが出来る日なので(?)、子供た
ちも夜遅くまで月餅を食べながら遊んでいたりする。
01_07子供

今の月餅にはメッセージなど入ってはいないが、色々なおとぎ話や伝説に思いを馳せ
るのもたまには良いものだ。

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