『マレーシアで熱いイスラム・バンキング』

20 5月
2011年5月20日

今回は、最近マレーシアでもイスラム諸国以外からも注目されているイスラム金融について紹介したい。イスラム金融の市場規模は年間平均10-15%程度で成長しており、成長の要因としては、オイルマネーの還流、イスラム圏の人口の増加、資源高に伴う資金需要の拡大などが挙げられる。今後も同様のペースで成長していくと予想している金融機関が多い。日本では野村ホールディングスがイスラム教の教義に則した「イスラム金融」を活用し、約60億円を調達している。日本企業がイスラム手法を用いて資金調達するのは初めてらしい。

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日本人にとってあんまり馴染みのないイスラム金融。さて、一般の商業銀行と同違いのだろうか?
イスラム金融では、イスラムの教義、思想であるシャリアに沿った金融取引全般を総称するもので、主な特徴として以下の点が挙げられる。1.利子はあってはならない。(金融取引に商品取引を形式的に絡めることで、利用者が「金利のようなもの」を受取れる仕組みがある)これが第一のポイント。資金の出し手(銀行など)は商品の売り手に対して現金で商品代金を支払い、いったんその商品を購入した上で仕入れ金額に上乗せして商品の買い手に転売する。上乗せしたマージン分が通常の場合の利子に相当するものになる。2.イスラム教で禁止されているものが関連しているビジネスへの投資はしない。銀行(利子を扱うため)、豚肉、アルコール、武器、賭博、麻薬、ポルノ関連への投資は禁止されている。3.利益又は賃料が払われる。 4.取引対象は実物資産。5.資金や実物資産から実際に発生した利益が支払い金。6.金融機関は商取引に直接参加する。 イスラム金融の取引形態の代表に、「ムラバハ(購入代行契約)」と「スクーク(イスラム債券)」いうものがある。

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ムラバハは、売り手と買い手との実際の売買契約に銀行が介在する仕組みで、設備や製品などの商品購入に用いられる割賦販売に類似したスキームだ。ムラバハを用いた資金運用は、イスラム金融での資金運用全体の約7割を占めているといわれている最も一般的な取引。具体的にはまず、買い手の代わりに銀行が売り手から商品を購入し、代金を支払う。銀行は商品を買い手に引渡し、事後に一括または分割で代金を回収する。銀行が売り手から購入する代金に、金利分を上乗せした金額を買い手から回収することになる。

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一方でスクークとは、銀行や事業法人など保有する資産から生み出される利潤を受け取る権利をあらわす証券である。通常の債券だと金利の授受を含んでしまうため、利子を含む取引になり、シャリア不適格となってしまう。まず、スクークの元になる実物資産を購入するために発行体となる特別目的会社(SPC)が設立される。SPCが実物資産をいったん事業者から購入して、事業者へリースする。SPCは事業者から決められた期間リース料をもらう。期間終了時点で対象となった資産を事業者が買い戻す。このときの買取代金がスクークの償還原資となる。

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このように、表向きは金利を受取ることなく、それ相当分の金銭を受取れるような仕組みになっているのがイスラム金融だ。エコノミストたちは今後の世界経済の潮流を占う上で重要なキーワードになると言っている。9.11以降、多くの資金がアメリカ市場から欧州市場へシフトし、特にドバイへシフトした。しかしここへ来て、リスク分散のためアジア市場への投資機運も高まっている。
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東マレーシアのラブアンには多額のマネーロンダリングが集まっている。(無記名の割引債を国内の金融 機関に入庫。麻薬売買やギャンブルなどの不法取引で得た汚れたお金を、手際よく洗浄してしまい、証拠品として押収されるのを免れ、かつお金の出所を隠蔽しながら現実に使えるきれいなお金に換えてしまう)ラブアンはどこの州にも属さず政府が直轄する島で1990年にラブアン・オフショア(租税回避地)金融サービスセンターが設立され、タックスヘブンとなっているからだ。今東南アジアや中東投資家にとってラブアンが熱い!

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