月別アーカイブ: 11月, 2008

アレブリヘ(Alebrije)はメキシコそのもの?

24 11月
2008年11月24日

アレブリヘのパレードがあった。これは去年から恒例になったようだ。

02_01

02_02

写真の説明 :パレードの様子

さて、アレブリヘと言っても、何だか分からないと思うが、これは、メキシコの民芸品の一つ。 オアハカ地方のサポテカ族の民芸。木から彫りだして独特の彩色をほどこした動物などの彫刻です。 曲がった枝などのもとの形を巧く活かすことから、デフォルメされた面白い木彫りが生まれます。 一つ一つの木が違うから、決して同じものはない。人間が一人一人違うように、木にもそれぞれ個性がある。 それに民芸作家の想像力と独創性が加わり、実にユニークな作品が多くある。 しかも、華やかな色彩で、これでもか!これでもかの色の模様が塗られていて、その一つ一つの模様が手描きで描かれるというもの。 民芸品というのはもちろん手作りなのだが、このアレブリヘの手作り根気には、脱帽だ。

02_03

写真の説明 :民芸品のアレブリヘいろいろ。

さて、この民芸品のアレブリヘを、もっと大きく紙で作った張りぼて人形のアレブリヘのパレード。 一つ一つ見ているだけで、楽しくなる。

色んな人、団体が、自分の想像性、芸術性を多いに発揮して、アレブリヘを作り、パレードに参加している。

この色使い、これは、まさにメキシコだ! そして、誰かが言ったよね。メキシコは全てがシェルリアリズモだと。 そう、このアレブリヘの数々をみていると、その言葉にも納得! こんな芸術、民芸品は、メキシコ人だからこそできるのかもしれない。

実に愉快でユニークで楽しい!

作る人も楽しいだろうが、見る人も楽しい。

02_04

写真の説明 :パレードの前日、街を歩いていたら、ある民芸品のお店の前で一生懸命明日のパレードのためのアレブリヘを作っていた。          間に合うのかしら?多分間に合ったでしょう。メキシコ人ってラストスパートがすごいんだから。

02_05

02_06

02_07

写真の説明 :パレードの後、レフォルマ大通りに展示された。みんなに大人気だった。

現実の厳しい生活苦を皆忘れて、この超現実の中に、笑いと楽しみを見つける事が上手いメキシコの人々がいる気がしてくる。

この一つ一つのアレブルヘを見ていると、このパレードのためだけに、この大きな作品を作るのに、使ったであろう労力と時間を考えるとメキシコ人の意外な根気に感心する。

メキシコの特に田舎の先住民の作る民芸品など、気の遠くなるような時間を費やして民芸品を作っている。あたかも、時間が永遠かのように。

アレブリヘだけでなく、メキシコの街を歩いていると、いろんなものにそのメキシコの色使いやまた超現実的なものに出っくわすかもしれない。 それは、案外、メキシコ的であるのかもしれない。

かぼちゃ

21 11月
2008年11月21日

メキシコが原産の植物、食べ物は、結構多い。 その代表はもちろんトウモロコシである。その他、メキシコ料理に欠かせないトマトや唐辛子、お豆も全てメキシコ原産である。そしてかぼちゃも。

10月中頃、友達に会ったら、「はい、あげる!」とスーパーのビニール袋に入ったかぼちゃをくれた。 「わーおー!」である。友達「かぼちゃが出てるよ」

この日本でも売られているかぼちゃ。あのホクホクの甘いかぼちゃである。 日本へ、メキシコ産のかぼちゃが輸出で売られているそうだ。 観光のお客さんにも言われた事があった、「日本でメキシコのかぼちゃが、スーパーで売られていて、結構美味しいですよ。」って。

何故か、日本へホクホクかぼちゃを売っているメキシコなのに、メキシコにはあまりないのである。 だが、日本への売れ残りが回ってくるのか? 死者の日が近づく10月中旬頃から、スーパーや市場のあのメキシコの大かぼちゃの山の中にこのホクホクかぼちゃが小さくなっているのを時々見かけるのだ。 (大かぼちゃに比べたら本当に小さくなってるように見えます。)

01_01

確かに、大かぼちゃに比べたらちょっと高いけど、日本食材店で買うより、スーパーで手に入れる方が、ずーと安い、その嬉しいかぼちゃの時期は約一ヶ月である。 この頃は、私もしばしばスーパーの野菜売り場に私の愛しのかぼちゃを探しに行く。

10月になると、町の中や商店などの飾りつけが、独立記念日の飾りつけから、死者の日の飾りつけになる。

01_02

死者の日の飾りつけの中にかぼちゃのお化けも現われる訳で、まあ、それはハロウィンとの融合であるから、かぼちゃのお化けも飾られる訳だが、この頃かぼちゃも実るのか?

そして、死者の日のご馳走の一つにメキシコの人はあの大かぼちゃでかぼちゃの砂糖煮のお菓子を作る。

01_03

写真の説明 : 大かぼちゃのお菓子。黒砂糖とシナモンで煮たもの。種から硬い皮から全て入れます。種だって、その中身を食べます。捨てません。

かぼちゃはメキシコが原産のように、大昔から、野菜のかぼちゃ、普通日本語ではズキニーというあれであるが、あれは、メキシコでもっとも一般的な野菜である。 そして、かぼちゃの花や種も重要な食材である。 かぼちゃの種は、ピーナツと並ぶおつまみだ。また、その種の中身を潰して、モーレ ベルデ料理の元にする。

メキシコのお祭り料理というとモーレであるが、これは、唐辛子やらチョコレートやら色んな香辛料が入ったちょっと変わった甘辛のソースでありどちらかと言うと黒ぽい色であるが、モーレ ベルデは、その名のとおり緑、つまりかぼちゃの種の中の緑の色と緑のトマトと唐辛子の緑の色である。 このモーレ ベルデも美味しい。

01_04

メキシコにいらっしゃった際に、是非お試しあれ!

私は今の季節は、ホクホク甘いかぼちゃ料理三昧でいたい。この時期だけしか食べられないんですもの。。。。

世界の食料問題に対峙する人々(CIMMYTを訪問して)その2

08 11月
2008年11月8日

穀物の改良という点では今の時代は、やはり遺伝子組み換えというものがある。
この遺伝子組み換え穀物という事に対して、どうなのか?
世の情報で、色んな事が言われているが、本当のところはどうなのか?という疑問を素人の私なども持っていた。

メキシコの主食であるトウモロコシ、メキシコの国では今自給ができず、多くをアメリカから輸入している。
そのアメリカ生産のトウモロコシはほとんどが遺伝子組み換えが行われたトウモロコシである。
そのトウモロコシがメキシコに入ってくる事で、メキシコの数多くあるトウモロコシの種が冒されるという情報、
今は目に見えないが何十年間の間に人体に与える弊害もある可能性があるだろうという情報。

この事に関して、グリンピース団体などが反対運動行動をしていたりというなどもニュースで読んだ事もある。

その点について、専門家の村上さんにも尋ねてみた。
自然の種が冒されるかもしれないという点では、それは遺伝子組み換えをした種の花粉が野に飛び散る場合であると。
普通は、穀物として入ってくるので、食料として消費されるだけである場合は、それは問題ないだろうと。

もちろんこの機関でも遺伝子組み換えの研究がなされている訳で、それは、絶対に外界へ出さないというコントロールがなされているとのお話。

遺伝子組み換え穀物の安全性についての疑問に関して、それは自分の考えでは、弊害はないだろうと、そして、現実問題としての食料危機、飢餓問題の事を考える時、遺伝子組み換えは重要な役割を担う筈であるだろうと。
遺伝子組み換えというのは人為的に行うものだけでなく自然界の中でも普通に起こっている事でもあると。

そんなお話を聞いて、長年の疑問が解けたようで、ほっとした。

人類の存続が掛かっている食料問題、その重要な問題解決のための大きな任務を担う機関CIMMYT、この世界機関に日本政府が多くの資金と人材の援助をしていると聞いて、日本人としても、とっても嬉しい気がした。

02_01

写真の説明 :建物の正面玄関のところのプレート。日本の寄付によって建てられたと書かれている。

そうだ!日本は、戦争援助なんぞせず、世界の平和援助をすべきだ。

このメキシコの地にある機関CIMMYTで研究をしていたノーマン・ボーローグは、1970年のノーベル平和賞を受賞した。
それは、日本の小麦農林10号を親にした小麦の改良をし、大幅な増産を成し遂げる事に成功した。
これは緑の革命と呼ばれ、人類の多くの命を救ったと言われる。

02_02

写真の説明 :背の低い品種に改良することで、倒れない収穫量の多い小麦を作った。

そして、今は、化学肥料や消毒剤などによる問題、土地問題 環境問題含めて、次の緑の革命は、遺伝子組み換えという科学が担っているのかもしれないと思う。

今、世界経済は、とても難しいらしい。
そして、その影響は、世界の貧しい人々が、食べられるかという大きな不安に向かいつつあるようだ。
そんな世界事情の中で、世界の食料問題に貢献する機関がこのメキシコにあり、そこで働き研究をしている世界の人々がいる。

02_03

写真の説明 :研究所の様子

02_04

写真の説明 :CIMMYTで案内し説明してくださった研究者の村上二朗さん、お話をしてくださったアメリカ人の研究者のThomas Payneさん。
お忙しいお仕事中にもかかわらず、親切に案内、説明してくださり、こんな素人の質問にも、ニコニコ答えてくださいました。
とっても勉強になりました。
本当にありがとうございました。

世界の食料問題に対峙する人々(CIMMYTを訪問して)その1

04 11月
2008年11月4日

CIMMYTというのは、Centro Internacional de Mejoramiento de Maíz y Trigoというつまり、国際トウモロコシ・コムギ改良センターという意味である。

01_01

写真の説明: CIMMYTの入り口

CIMMYTのゲイトをぬけるとそこは広い広い小麦畑であった。
そして、その小麦畑は、小麦色の穂を実らせていた。

01_02

世界の3大穀物である小麦、米、トウモロコシ。

メキシコは、そのトウモロコシの原産地の国であり、紀元前5000年の昔から、現在に至るまで、メキシコの人々の命の糧となってきたものがまさにトウモロコシであるのだ。

そして、飛び込み訪問であるにもかかわらず、とっても親切に案内してくださった、ここで、小麦の病原の研究をなさっている村上さんに、お尋ねした。
「世界の食糧難を解決する可能性のあるもっとも重要な穀物は何でしょうか?」
「色んな条件から、個人的には小麦だと思います。」とお答えいただいた。

ここCIMMYTは、その2大穀物の大倉庫を持つジーンバンクでもある。
世界の食料の未来が掛かっているともいえるその大倉庫は、0度に維持された冷蔵庫と、100年間の種の保存が可能というマイナス88度に維持された冷凍庫からなる。
それは、世界最大級の地震にも耐えるものだそうだ。

01_03

写真の説明 :頑丈な冷蔵庫の倉庫

そこには、28,000種のトウモロコシの種と140,000種の小麦の種が保存されているそうです。
もちろんその種のデータも保存されている訳である。
とうもろこしと小麦の世界最大の量を保存するジーンバンク(GENEBANK)である。
その冷蔵庫の一部を見せてもらった。

01_04

ずらりと並ぶトウモロコシの種、この種に人類の未来が掛かっているというのは大袈裟な表現のしかただろうか?

トウモロコシの原種であるテオシントゥレの種も見せてもらった。

写真の説明 :テオシントゥレの種

この小さい硬い種、この種、食料として決して美味いものでもなく、また、穀物として栽培するにしても効率が悪い、つまりトウモロコシの原種は、ほんの小さな穂で、大変収穫率の悪いものであった、それを、長い長い年月の中で人間の努力の改良によって、メキシコの主食として、人々の命を支え続けてきた。

01_06

写真の説明 :庭に育っていたテオシントゥレ。今のトウモロコシからは想像もできない植物、背の低い葦のような。。。。

01_07

写真の説明 :テオシントゥレの穂が出ていた。トウモロコシの曾曾曾........爺さん?!

01_08

写真の説明 :テオシントゥレから、少し進化してトウモロコシらしくなってきたらしいぞ!

小麦とトウモロコシの世界最大の種保存のための大倉庫ジーンバンクであると同時に、またその世界の食料問題の鍵となるべきその穀物の改良のために努力研究をしている機関が、まさにこのメキシコ州テスココの地にあるCIMMYTであるのだ。

世界の食料問題に対峙する人々(CIMMYTを訪問して)その2に続く。

Copyright© 2017 メキシコ情報 All Rights Reserved.