ポーランド・鉄道の旅
ウォルシュティン (Wolsztyn) の蒸気機関車
ポーランド国鉄(PKP)では、現在でもポズナニ近郊区間で、蒸気機関車を運行しています。
中でも人気なのが、ポズナニ⇔ヴォルシュティン(Wolsztyn)間の約75kmを走る路線です。
旅行者に利用しやすい上、ヴォルシュティンでは、機関車に燃料の石炭を補充する様子や、
転車台で方向転換して整備格納庫へ機関車が収納される様子などが見学できるとあって、
観光客や鉄道マニアの間で、人気の路線となっています。
さらに格納庫に隣接する ヴォルシュティンSL博物館 では、現役を退いたSL車両や、
旧式信号機、昔の駅員の制服、昔の駅の標識、昔の駅舎のジオラマなどが見られるほか、
実際に自ら運転席に座ってみることも可能!
至れり付くせりの内容とあって、シーズン中は予約が必要なほど込み合うそうです。
このヴォルシュティンSL博物館へは、ポズナニから日帰りでの訪問が十分可能です。
写真はすべて、ポズナニで開催されたメッセに出展されていた車両です。
メッセでは、ヴォルシュティンまで行かずとも蒸気機関車の「移動博物館」を見ることができ、
非常に興味を引く内容でした。
[写真]展示車両の中へ入ると…昔ながらの暖かみのある木製の椅子がならんでいました。
この車両は、レトロタイプの車両で、現在では使われていません。
ちなみにこのポズナニ⇔ヴォルシュティン路線も、蒸気機関車の一本後のダイヤは、
最新型のトラム型バスでの運行だったりします。蒸気機関車の運行は、どちらかというと、
ファンサービス的な意味合いが強いようです。
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ヨハネ・パウロ二世号
クラクフ-ヴァドヴィツェ間では、「ヨハネ・パウロ二世号」という特別列車が運行されています。
ヴァドヴィツェとはヨハネ・パウロ二世の生まれた町で、クラクフから西へ50kmほどのところです。
「ヨハネ・パウロ二世号」は、20世紀ポーランドを代表する偉人であった、先代ローマ法王の、
故ヨハネ・パウロ二世をしのんで作られた特別車両です。車体はヴァチカンカラーの黄金色で、
側面に TOTUS TUUS の文字が刻まれています。トトゥス・トゥース -TOTUS TUUS-とは
「私のすべてはあなたのもの」という意味のラテン語で、ヨハネ・パウロ2世が生前に好んで
使ってた言葉です。車内には随所に液晶テレビモニターがあり、
生前のヨハネ・パウロ2世の映像をまとめた特集DVDが放映されています。
「ヨハネ・パウロ二世号」クラクフ中央駅を出発し、ワギェヴニキ、カルヴァリアと
ヨハネ・パウロ2世ゆかりの地に停車して、約1時間後にヴァドヴィツェに到着します。
切符は一日有効ですので、ヴァドヴィツェに行く道中に、途中下車して、ワゲヴニキの
サンクタリウムや、ユネスコ世界遺産の カルヴァリア・ゼブジドフスカを訪問することができます。
地元の人の交通手段としてはもちろんのこと、世界中からのカトリック巡礼者が、
亡き法王をしのび、毎年この「ヨハネ・パウロ二世号」でヴァドヴィツェを訪問しています。