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羊山―子供と犬を連れてトレッキング in ポーランド ~後編~

13 4月
2010年4月13日

保留地に足を入れると、そこはまだ冬。かなり狭い道のうえに、雪がかなり積もっているので足場の悪さは本当でした。踏みならされた道を歩かないと、足が雪にとられてしまいます。犬に好き勝手に引っ張られると、山からすべり落ちそうな道もしばしばあるので気が抜けません。犬には近くを歩くように指示しながらかなり神経を集中させて歩いていると、前方から60歳をとうに過ぎたと思われる夫婦と孫らしき女の子が降りてきました。なんでも、足場が信じられないくらいに悪いから引き返す途中だとか。私たちの靴を見て『その靴で行かれるんですか?』と、不安を掻き立てるようなことを聞いてきます。
やっぱりアイゼンが必要かしら、と心配してはみるものの、ここまで歩いたのだから、自分の目でその足場の悪さを確認するまでは引き返せない、とさらに前進する私たち。

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途中、水源を見つけ駆け寄る子供と犬。

そこから30分ぐらいは確かに足場の悪い、雪の道の中を歩くことになりました。その上、太陽が雪に反射し、眩しいことこの上なし。でも斜面側を見るとそこは絶景。テレビの画面や写真では味わえない感動があります。一番の感動の理由は、『ここまで登った私、すごい!』という自己満足だったかもしれませんが・・・・。
向こうに見える山々が低く見えるということは、そろそろこちらの羊山は頂上に近いはず、と自分に言いきかせながら歩いているうちに、気がついたら頂上についていました。

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これが証明、『羊山の頂上』と書いてある看板。

羊山はこの地域では一番高い山なので、他の山並みがよく見渡せます。さらに、景色を楽しみたい人のために、展望台まで設置されています。至れり尽くせりとはこのこと。

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鉄筋丸出しの展望台。高所恐怖症の人にはお勧めできませんが、ここまできたからには上に行かねば!入場制限が20人と書いてありましたので、登る前に何人上にいるか数えましょう。

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達成感(と自己満足)で感動しているので無言で見入ってしまうこの光景。

頂上でも腰をかけるところが数箇所用意されていたので、おやつの時間としました。先ほどの休憩から時間的にはそれほどたっていないのですが、足場が悪かったのと傾斜がきつかったので多少疲れを感じます。
少し足を休ませようと、椅子に腰をかけて周りを見渡すと、我が家のほかに人が3人とドーベルマン1匹しかいません。イースター前日とあって、ガラガラの山。

20分ぐらい、写真を撮ったりしながら休憩した後、山の反対側の道を通って降りることにしました。降りる道は緩やかな下り坂。そろそろ疲れが出始めている子供たちも楽に歩けるコースです。が、石や岩の多い道なので犬は少々歩きにくそう。そんな砂利の多い赤土の主な道を行くこと1時間。

この下りコースには途中に博物館があります。その名もMuzeum Beskidzkie。展示品はこの地域の民芸品が主ですが、何がすごいって博物館の建物。この建物は18世紀からある宿屋のものを利用しているそうです。確かに、建物自体に非常に味があります。昔の旅人もこの宿屋を利用していたのかも、と想像するだけで楽しくなってしまいます。
今回は、私たちがここにたどり着く少し前に閉館時間になったようで中を見ることはできませんでしたが、時間があったら是非中を見てみたいこちらの建物。

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遠くから見えにくいのですが、外壁もデコレーションされています。

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中ではこんなものが見えます。

博物館から5分ぐらいでしょうか、さらに下っていくと羊山の山小屋が見えてきました。山小屋というからには勝手に木で出来た小屋を想像していましたが、どう見ても鉄筋コンクリートの建物。宿泊施設とレストランが中にあります。

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すべての山小屋が木で出来ていなくてもいいけど、もう少し外観を変えてもいいんじゃないかと思わずにはいられない、この山小屋。

あとはひたすら川に沿って下るのみ。上りは白いビスワと呼ばれる流れでしたが、帰りは黒いビスワとよばれる川沿いを歩きます。こちらの黒いビスワは水遊びに最高の場所。気温が高ければ、子供も靴を脱いで川の中で遊べます。
今回は、まだ水も冷たく、寒かったので靴で岩の上を飛ぶ子供たち。

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次回はビーチサンダルを持ってこようと心に決めた場所。今回はひたすら、「子供たちよ、川の中に落ちてくれるな」と念じておりました。

途中で何度か水遊びの休憩をいれながら、最後はアスファルトの道を進むことになります。水の流れを見ながらなので、それほど疲労感は感じませんが、ここまでくると温度は確実に山の上より暑く(当たり前)人も犬も頻繁に水を飲むようになります。

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湧き水を飲む幸せモノ。

山を下りきり、出発地点まで戻ったときには、出発からちょうど6時間経過しておりました。家族みんなで楽しめた山登り。肉体的疲労はあるけれど、気分爽快な休日となりました。

羊山―子供と犬を連れてトレッキング in ポーランド ~前編~

12 4月
2010年4月12日

今年のイースターホリデーはトレッキング、と真冬の最中から決めていたのですが、場所選びに時間のかかった我が家。小学4年生と3年生の子供たちが自力で歩けて、しかも我が家の犬も入れる場所で(ポーランドにも犬が入れない山が数箇所あります)、達成感のある距離・・・さらにこのイースター時期は天気が不安定なので、無理には宿を取りたくはない。そんなことを考えていたら、決まらないじゃないの、行き先が。

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アクティブな余暇を楽しむ人のためのガイドブック。そしてトレッキングコースが描かれている地図とにらめっこする時間がこれまた楽しい。

ポーランドの南部の我が家から、2時間以内で現地のスタート地点に立てる場所、と更に絞込みをして決めたのは羊山。標高1214mの結構な高さのある山です。この山から、ポーランドの2大川のひとつ、ビスワ川が始まります。よって、コースは水のせせらぎを上っていくという、川の上流を目指すというもの。鮭の産卵ではありませんので、もちろん地面の上を歩いて目指します。

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スタートはこちら、ビスワーチャルナーフォイトゥナ。

駐車場に車を停めると、どこからともなく現れる駐車場のおじさん。どこに行くのかと聞かれたので『羊山』と答えると『羊山?そりゃぁ・・・6時間は見なきゃいけませんよ。上のほうはまだ雪が残っているから足元は気をつけてね。あ、犬はね、自然保護区に入るまでは、他の観光客がいなければ紐に繋がなくてもいいからね。』というお言葉。5時間くらいで歩ききれるだろう、と思っていたから、6時間という言葉が引っかかりましたが、1日分の駐車場代6ズロチを払い、いざ出発。

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この道はまだ車も通るようで、平らな歩きやすい道。

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心がうばわれるような滝を見ながら更に進む。

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コースの途中では小さな川の流れを横切る場所もあり、子供たちには好評。

聞こえるのは、流れる水の音と自分たちの足音。進行方向のマークも目に付きやすいところに描かれているので足取り軽くマークに沿って歩きます。
川の流れに子供たちも犬も(?)うっとりし、2時間近く歩くと自然保護区の入り口に。2時間歩いてもそれほど疲れていないから不思議。時間もちょうどお昼時だったので、入り口近くにある椅子に腰をかけ、テーブルの上にお弁当を取り出してお待ちかねのお昼ご飯。

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ここから自然保護区。犬のリードなしも当然禁止。テント禁止のマークもでています。

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朝、旅行の気配を感じ取った我が家の犬。家に残されまいと朝ごはんもそこそこに、玄関でスタンバイしていたため、すでに空腹状態。

2時間も歩いたあと、山の中で食べるお弁当はそりゃ格別。我が家の犬は、おこぼれを預かりに私たちのサンドイッチを欲しそうに眺めてよだれをたらす始末。しかたない、サンドイッチの中のハムでもあげようとした時、山の上のほうから一人降りてくる若い男性。

なんだかジャッジャッとすごい音がするので彼の足元を見ると立派なアイゼンを履いています。そんな装具が必要なほどの雪山なのかしら?という不安がよぎりましたが、そんな装備持っていないのだから心配しても仕方がない。
ランチ・タイムをおしまいにし、荷物を抱え、ここからは犬を腰に縛りつけ更に上に向かいます。

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ここはまだ雪世界。

炭鉱夫の家庭の子供たち

08 4月
2010年4月8日

ポーランドの南、シロンスク地方は昔から『炭鉱』で有名です。黒いダイヤモンドと呼ばれた石炭がこの地域の経済を支えてきたので、多くの男性たちがここで働いていました。(現在でも、シロンスク地方に炭鉱従業者は沢山います。)そんな昔のシロンスク地方に住む、炭鉱夫の子供達に焦点を当てた展示がただいまザブジェにある博物館で見ることができるというので出かけてまいりました。

こちらが博物館の建物の外観。この付近、駐車場を見つけるのが困難です。美術館の前がバスの停留所なのでバスを利用したほうが便利です。
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建物に入り、入場チケット(と、写真を撮りたい人はカメラ代)を払うとコートを預けて早速展示室へ。

博物館内の正面ホール。
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かわいらしい洋服がたくさん展示されています。子供服などは兄弟間はもちろんのこと、親戚同士の間でも貸し借りがあったそうです。
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産着やらゆりかごもあります。今でしたら、インテリアとして飾れそうです。
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こちらは、学校の様子。今の子供が持っている筆記用具でなくて、ペンにインク壷です。
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この筆箱なんか、かわいすぎ。左が男の子用、右が女の子用でしょうか。
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左の壁には、終了証が張ってありました。ポーランドでは、毎学年末に修了書が手渡されます。そこに、夏休み明けに次の学年に進級できるかできないか、書いてあるのですが・・・こちら、ドイツ語で書かれています。そういえば、義父も小学3年生ぐらいまで、学校でも家庭でもドイツ語で話していたと言っていました。今でも、シロンスク地方の年配者はドイツ語ができる人がたくさんいます。そしてこちら、ポーランド語にドイツ語を混ぜたような単語が多くあり、外国人だけでなく生粋のポーランド人をも悩ませるコテコテの方言があります。

こちらは1917年の修了書。
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子供たちの遊び道具も多く公開されていました。女の子はおままごとセットから、なんと子供用のミシンまであったそうです。

どこの国でも、女の子が遊びたがるおままごと。大きなものは木製でしたが、テーカップセットなどは本物の陶器でできたおもちゃもありました。
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そして、こちらが驚きの子供用ミシン。何が驚きって、立派過ぎます・・・。
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男の子はやはり外で遊んでいたみたいです、自転車の輪の部分を棒で転がして遊んだり、更になんと、元祖キック・スクーターまでありました。

今、店頭に並んでいてもあまり違和感を感じないデザインのキック・スクーター。
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私がカメラを構えて、立ったりしゃがんだりしていると博物館の人が照明の調整をしてくれたりと(たまたま、その部屋には私だけだったのですが・・・)感じのいい博物館です。常設展示物もなかなか興味深いものを保蔵しているので、シロンスク地方を訪れた際、時間がある方は是非足を向けてみてください。

Muzeum Górnictwa Węglowegoul. 3-go Maja 19 41-800 Zabrze

町の公共機関

02 4月
2010年4月2日

町の公共機関と聞いて、思いつくのは・・・・郵便局、市役所、図書館などでしょうか。特に毎日気に留めて生活しているわけではありませんが、写真を撮りためて改めて見てみると、歴史のある建物は『建物が生きている』と思うくらいの美しさですね。

先日子供の通っている学校の、国語の教師が『ヨーロッパの建物は3匹目の子豚の家と同じです。長持ちするんです。』と話していたそうです。(有名な「3匹の子豚」の話です。ちなみに、2番目の豚の家はアメリカ、1番目はアフリカだったそうです。)
これだけ美しいなら、みな長持ちするような使い方を心がけるだろうな、と思わずにはいられない美しい建物のいくつかをご紹介。

町はグリビツェ。ポーランド南部の工業都市です。

こちらは町の市役所。
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写真を撮ったのがクリスマスの時期でしたのでデコレーションがされていますが、このデコレーションを外したところでこの曲線美が美しい。

こちらは左側の建物にこの町の中央郵便局が入っております。
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広さはそれほどないのですが、このような建物は天井が非常に高いので圧迫感なく手続きができます。でも、手続きのスピードは期待してはいけません。天井の高さと、手続きの早さの関連性は一切認められていませんので・・・。

この建物にはハローワークがはいっています。
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失業手当を手続きする人で、中は人が溢れかえっていることが多々ありますが、建物の外のこの閑静さ。実際この敷居をまたぐ必要のない場合は、目を楽しませてくれる心落ち着く建物です。

この町の幼稚園に通っている子供ならほぼ確実に遠足で連れてこられるこちら、博物館。
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期間限定の催し物などを頻繁に行い、コンスタントに入場者数を保っています。中での見世物もさることながら、外観も見世物になる美しさ。

そしてこちらは裁判所。
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外見に威圧されて真実を告白する・・・なんてそんなうまい話はないでしょうが、建物自体はすごく大きいのに色とデザインのおかげで特に威圧感はなし。

ぶらっと歩いていて、目に入る建物が『きれい』だと思える町はクラクフだけではありません。ポーランドの町でリネックがある街はたいてい、美しい建物が残されていますので是非建物ウォッチングをお楽しみください。

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