カテゴリー: 行事

「ツール・ド・スイス」

07 7月
2011年7月7日

最近日本でも話題の「自転車」。書店にも関連書籍が多く置かれるようになったが、やはり自転車文化の本場はツール・ド・フランスTour de Franceやジロ・デ・イタリアGiro d’Italiaやブエルタ・ア・エスパーニャVuelta a Españaなど長い歴史を誇る大きなロードレースが開催され 続きを読む →

「チューリッヒを駆け抜けろ!SOLA -Stafette」

10 6月
2011年6月10日

スイス人はスポーツを観戦するのも自分でするのも大好きだ。観戦スポーツとしては4月の記事で紹介したシュウィンゲンやサッカー・アイスホッケー・スキージャンプ・アルペンスキー、自分でするスポーツとしてはスキー・射撃・サッカー・バレーボル・自転車・乗馬・インラインスケート・ノルディックウォーキング(自然の中を競歩に近いスピードで歩くもの)そしてやはりジョギングが人気だ。スポーツクラブや団体に所属していない一般人が参加できるスポーツイベントというものも多く、代表的なものは毎年3月にグラウビュンデン州で開催されるクロスカントリースキーレース「エンガディン・スキーマラソンEngadin Skimarathon」、そして5月にチューリッヒで開催される駅伝レース「ソラ・シュタフェッテSOLA-Stafette」だ。

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SOLAの発祥はスウェーデン。スウェーデンでは1967年から1998年までヨーテボリGöteborg ―カールスタッドKarlstad間の252.7kmを走るコースで開催されていた。スイスでは1974年から始まり、今年で38回目の開催だ。最初の約10年間はザンクト・ガレンSt. GallenからチューリッヒZürichまでの約95kmを走るコースだったが、交通渋滞などの問題もあって1986年からはチューリッヒの中心市街地を囲む丘を廻る約117kmのコースに変わった。コース全図はこちらから↓
http://portal.sola.asvz.ethz.ch/infos/Documents/totalstrecke_large.jpg
スイスのSOLAは元々はチューリッヒ学術スポーツ組合Akademischer Sportverband Zürich(略称ASVZ)が運営する学生スポーツイベントで、現在も運営はASVZだが、参加者はETH(連邦工科大)やチューリッヒ大学の学生だけに留まらず、そのOB/OGや他大学の学生や一般社会人も多い。

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SOLAの面白いところは、ただ単に各人が20kmとかを走るのではなく、14人のメンバーで構成されたチーム単位での参加であるところ。この起伏ある約117kmの丘コースは14の区間(うち2区間は女性ランナー限定)に非均等分割されており、それを14人のチームメンバーでシュタフェッテStafette(=リレー/駅伝)しながら走るのだ。5月7日(土)に開催された今年のSOLAは790チームがスタート。うち20チームはタイム計測の不備や途中リタイアで記録が残っていないので、完走扱いは770チームだ。790チーム×14で単純計算すると合計11060人、完走の770チーム×14だと10780人が走った計算になる。伝統的にスイスのスポーツイベントで最も多い参加者数を誇る前出のエンガディン・スキーマラソンの今年の公式完走者数は10758人だったので、SOLAは今ではスイスで1・2を争う巨大スポーツイベントに成長したと言える。

SOLAのリレー方式は、バトンや“たすき”ではなくタイム計測用の特殊なメモリースティックを次走者に渡すことで成立する。

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私は2007年からSOLAに参加しているが、第1区と第10区は女性が走らなければならないという規則があるということもあり、いつも第1走者だ。第1区は全14区間のうち最も短い4.4kmだが、朝が早い(7時30分スタートなので7時にはスタート地点にいることが望ましい)ので寝坊は許されず、また受付時にメモリースティックを確実に受け取らなければならない(信じられないことがだが、これを受け取り忘れて失格になるチームがある)ので責任重大だ。

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さらに第1区と第8区は「一斉スタート」(レースは第1区~第7区は午前中、第8区~第14区は午後と2分割されている)なため、スタート時の位置取りも重要だ。

2011年現在でのレース参加費用は学生チームが225フラン(約20000円)、OB/OGやその他一般チームが285フラン(約25000円)だが、これらの費用で賄われるASVZによるレースのオーガナイズは大変行き届いたもので、レース開催の約1ヵ月前にはチーム幹事の元にチーム名が入ったゼッケンや荷物用のステッカーや各区間ごとの詳細(コース・総距離・高低差・荷物受け渡し場所など)が記されたハンドブックが14人分まとめて郵送される。レース当日は水やスポーツドリンクなどの飲み物が無料提供され、参加者の荷物の輸送も無料、トイレはもちろんシャワーや着替え施設も各区のスティック受け渡し場所で無料で利用することができる。

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参加ランナーは全員が規定のチームゼッケンを着用するのだが、このゼッケンは何とレース日の終日チューリッヒ市内の電車やバスやトラム(路面電車)の「一日乗り放題パス」として使うことができる。

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これは参加者が他のメンバーの応援に行ったりする時に円滑に移動できるようにするということはもちろん、レース参加者の自家用車での移動を減らして環境に配慮するという運営者の意向でもある。

各区の中継地点近くにはプロのカメラマンが2~3人待機している。

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彼らは参加ランナー全員をもれなく撮影し、その膨大な量の写真はレースの翌日からゼッケン番号と通過タイムごとにソートされてウェブサイトにアップされる。

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メモリースティックによるタイムの計測方法も大変機能的だ。各区の中継地点近くに設けられた「タイム計測地点」には特殊な計測器を持った測定係の人達が大勢待機していて、ランナーがそこを通過する際に持っているメモリースティックを測定器に挿し込むことでその区間のタイムが計測・確定される。

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レースの翌日には全てのデータが集計されてウェブサイト上にアップされ、ゼッケン番号を入力すれば各区の個人タイムはもちろん、1km平均タイム、個人およびチームの区間および総合順位の推移などが一覧表や様々なグラフで表示される。至れり尽くせりだ。

レース終了後、参加ランナー達はチューリッヒ駅の約2km北側に位置するチューリッヒ大学Irchelキャンパス(レースの最終ゴール地点でもある)のメンサMensa(元々はラテン語で「テーブル」を意味する言葉だが、スイスやドイツではいわゆる大学の学生食堂のことをこう呼ぶ)でシュパゲッタータSpaghettataと呼ばれる晩ご飯(お代わり自由の4種類のスパゲッティ+サラダ+ミネラルウォーター+いちごのミニタルト+コーヒーもしくは紅茶で何と10フラン=約900円!)を愉しむのが恒例だ。

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キャンパス構内ではその後レースのビデオ上映やディスコなどのアフターレースイベントも催され、散々走った後まだ体力が余っている学生たちによるパーティーは翌日の明け方まで続く…!

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参考ウェブリンク
Akademischer Sportverband Zürich(ASVZ)
http://www.asvz.ch/

SOLA-Stafette
http://portal.sola.asvz.ethz.ch/

「シュウィンゲン―スイスの根っこ:その2」

16 4月
2011年4月16日

シュウィンゲン大会は、スポーツとしてももちろんだが、その雰囲気や競技以外の部分も興味深い。取り組みの最中に折りに触れて吹かれるアルプホルンも、地元のヨーデルクラブが歌うナトゥアヨーデルNaturjodel(直訳すると「自然ヨーデル」となるが、要はメロディだけで歌詞がないヨーデル本来の姿)も、ファーネンシュウィンゲンFahnenschwingenと呼ばれる「旗の舞」の披露も、すべて観光目的の出し物ではなく伝統行事の必須材料としてそこにある。

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スイスの民族楽器のひとつである、鍵盤の代わりに何十個もの丸いボタンを操作しで演奏する小型のアコーディオン「シュヴィーツァーオーゲリSchwyzerörgeli」を用いた民俗音楽を披露するグループも見られ、素朴なスイス本来の姿を垣間見ることもできる。

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会場併設の飲食施設では焼きソーセージやギプフェリと呼ばれる各種クロワッサン(クロワッサンはスイスでは朝食や軽食として大変一般的)やカフェ・シュナップスというアルコールがたっぷりと入ったコーヒーなどを楽しむこともできるが、シュウィンゲン大会の飲食のメインは昼食に頂く「シュパッツSpatz」と呼ばれる料理。シュパッツというのはドイツ語でスズメのことなのだが、これはスズメ肉料理ではなく牛スジ肉と野菜(主にインゲン)を煮込んだポトフのこと。料理名の由来や出典はスイス人自身もよく知らないというこのシュパッツだが、スイスでは兵役の際の軍隊料理としても食される超ローカルメニューだ。会場の巨大飲食テントにほぼ全ての観客が一堂に会してこのシュパッツを頂く光景は圧巻。
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「振舞い料理」ではないのでもちろん有料だが、肉や野菜はもちろん付け合せのジャガイモのお代わりも充分に用意されているのでおなかが一杯になることは間違いない。

シュウィンゲンは毎年3月下旬ぐらいから各地で大会が開催されている。それに合わせるかの如く、今年の3月中旬からこちらではシュウィンゲンをテーマにした新作ドキュメンタリー映画「ホーゼルップフHoselupf」(ホーゼルップフとはシュウィンゲンを意味する別の言葉であるホーゼンルップフHosenlupfをスイス訛りで発音したもの)が公開されている。日本公開の有無は現在未定だが、登場キャストの一人であるシュウィンガーのクリスティアン・シュトゥッキChristian Stucki(本業はトラックの運転手)が日本の相撲部屋で稽古をした際のシーンも含まれており、日本で公開されたら日本人にとっても興味深いものになるだろう。
春から既に始まっているシュウィンゲンシーズンだが、ハイシーズンはやはり初夏から秋にかけてだ。個人的に特にお勧めなのは東スイス地方の名峰センティスSäntisの麓シュウェグアルプSchwägalpで開催されるもの(2011年は8月21日開催予定)だが、今年は9月4日からベルン州インターラーケンで200年以上の歴史があるウンシュプンネン・シュウィンゲトが開催される。会場には入場料やチケットが不要なパブリックビューイングゾーンもあるので、この時期にインターラーケンに行かれる方はお見逃しなく。

2011年のシュウィンゲン大会開催スケジュール一覧(連邦シュウィンゲン連盟HP内)
www.esv.ch/feste-anlaesse-aktiv.php
ウンシュプンネン・シュウィンゲトHP
www.unspunnen-schwinget.ch
映画「ホーゼルップフHoselupf」公式HP
www.hoselupf-derfilm.ch

「シュウィンゲン―スイスの根っこ:その1」

08 4月
2011年4月8日

スイスの国技にあたるスポーツとは、スキーでもサッカーでも馬術でもなくシュウィンゲンSchwingenと呼ばれるお相撲だ。
主にドイツ語圏のスイスで盛んなこのシュウィンゲン、日本の相撲と比較して似ている部分は、例えばスポーツであると同時に伝統行事でもあること、シュウィンガーケーニックSchwingerkoenig(シュウィンゲン王者、スイス相撲の横綱のこと)がスポーツ選手としてはもちろん人間としても尊敬と憧れの対象であること(なので競技以外の場面でも王者の発言や行動にはそれなりのものが求められる)など。絶対的な違いはシュウィンガーSchwinger(力士)がプロではないこと(全員が通常は大工さんだったり農夫だったりする「アマチュア」だ)と、成績優秀者や大会の優勝者には名誉と地位を象徴する冠の他に大変実用的な商品(大会のスポンサーにもよるが、車のタイヤセットとか電動のこぎりとか巨大なカウベルとか)が出るものの、賞金は出ないことだ。3年に1度開催される全国大会の優勝者商品は、何と雄牛!だ。

シュウィンゲンの試合は基本的に屋外で行われ、シュウィンガーは「まわし」ではなく特殊な形状の皮製半ズボンを着用して試合に臨む。

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取り組みはおが屑を円形に敷いた闘技場の上でシュウィンガー同士が組み合った状態からスタートし、どちらかのシュウィンガーの背面側の両肩がおが屑面に着くことで勝敗が決着する。闘技リングの外に押し出したりただ倒すだけではダメなのだ。取り組みには時間制限があり、時間内に両肩が着かない場合は引き分けという結果もある。さらに「魅力的な試合だったか」など戦い方による複雑な得点制度(敗者にも得点が付く)もあるので、単純な勝ち負けだけでトーナメントが進まない所なども興味深い。

シュウィンゲンの大会会場では、相撲闘技場の側でシュタインシュトーセンSteinstossenと呼ばれる「石投げ競技」もセットで行われるのが普通だ。

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ベルン州のインターラーケンでは200年以上の歴史と伝統を誇る「ウンシュプンネン・シュウィンゲトUnspunnen Schwinget」と呼ばれる大会があり、この大会のシュタインシュトーセンでは83.5kgもの重さがあるウンシュプンネン・シュタインUnspunnensteinという名前の(これまた歴史ある)特別な石が使われるのだが、他の大会でも基本的には40kg以上ある石が用いられ、これを屈強な男性が担ぎ上げてえいやーっ!と投げ飛ばしその飛距離を競うのだ。ちなみに現在までの最高記録は、先述のウンシュプンネン・シュタインで4メートル11センチ。大男がおが屑にまみれるシュウィンゲンも力任せに石を投げ飛ばすシュタインシュトーセンも、お世辞にも洗練されているとは言い難い行事だが、スイスが本来どういう性格の国であるかを象徴するひとつの例でもある。

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スイス第二の都市バーゼル

21 11月
2010年11月21日

バーゼルは、チューリヒに次ぐスイス第二の都市。
ドイツ・フランスと国境を接した交通の要で、工業都市として栄えています。
世界的に有名な製薬会社や化学工場が連なり、研究所には数多くのノーベル賞の受賞者も。
国際金融に重要な地位を占める国際決済銀行もある、国際都市です。
そんなバーゼルも、実は古くから学問が盛んだった文化都市。
美術館も多く、古い町並みを散策するだけでまた訪れたくなる街です。

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バーゼルの街はライン河沿いにあります。
ラインの滝から、スイスの街を通ってきたロイス川やアーレ川が合流し、大河となったライン河。
ライン河岸で5番目に大きい河川港がここにあります。

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バーゼルの中心はマルクト広場Marktplatz。
路面電車が行きかうこの広場には、市場が立ったりしていつも人がいっぱいです。

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マルクト広場に面して建つ、ひときわ目立った赤い建物が市庁舎Rathaus。
赤い砂岩で作られた市庁舎はバーゼルのシンボルです。
中にも気軽に入れるのでぜひのぞいてみてください。
美しい壁画が描かれた内部は、まるで美術館のよう。
クリスマスにはここに素敵なクリスマスツリーが飾られます。

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マルクト広場の周辺の小さい通りに入ると、旧市街です。
旧市街には古い町並みが残っていて、どこを散策しても楽しくなります。

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建造年が「1438年」と書かれた建物も残っていてびっくり!

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バーゼルは美術館が多いことでも知られています。
歴史美術館Historisches Museumのほか、エル・グレコやレンブラント、セザンヌ、ピカソなど貴重な作品を収めている美術館Kunstmuseum、民族博物館Museum für Völkerkunde、ユダヤ博物館Jüdisches Museum den Schweiz等。
これだけのためにバーゼルを訪れる価値も十分です。

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さて、旧市街を散策し終わったところで、バーゼルの街並みを上から眺めてみましょう。
バーゼルの街をライン河沿いに眺める絶景ポイントは大聖堂Münsterのあるミュンスター広場Münsterplatz。
赤い砂岩のゴシック様式の大聖堂は12世紀に建てられ、14~15世紀の改築、地震などを経て今のすがたになりました。
塔からはライン河とバーゼルの街並み、フランスのヴォージュやドイツの黒い森まで見ることができます。

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橋の向こう側は新市街。
現代的なディスプレイが素敵なショッピング・ストリートです。
路面電車も走る大きい橋、ヴェットシュタイン橋Wettsteinbrückeへ出てみましょう。
ここを渡って右岸の散歩道から眺めるバーゼルの街も素敵です。

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旧市街からヴェットシュタイン橋を渡るときには、ちょっと上を見上げてみましょう。
新市街に向かって「アッカンベー」をしている面白い彫刻があります。
バーゼルのカーニバルは独特のジョーク合戦で有名。
ここにもバーゼル市民ならではの茶目っ気が感じられます。

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バーゼルはなぜか靴屋さんが多いです。
スイスでオシャレな靴を買いたい人にはおススメかもしれません。

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バーゼルのお土産にはレッケリLäckeli。
ナッツと砂糖があっさりとした食感で、お茶やコーヒーに良く合います。

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時間のある人にはバーゼル動物園Zoologischer Gartenを訪問するのもおススメです。
バーゼル中央駅からすぐの場所にある市民の憩いの場です。
国境が近いので、フランスやドイツからの家族連れもたくさんいます。

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散策を満喫したら、地元の人達に交じって聖エリザベート教会前の階段で休憩。

歴史がいっぱいつまった旧市街と、活気のある新市街が楽しいバーゼル。
いつ行っても新しい発見がいっぱいです。

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