空中散歩

07 2月
2011年2月7日

ヨーロッパからの観光客が良く持っている本に「死ぬまでにやっておくべきこと99」というのがあります。その中に、イスタンブール歴史地区の上空飛行という項目があるとのことで、最近は天気のいい日は、観光用のヘリコプターが空を飛んでいるのをみかけます。

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イスタンブール歴史半島は、3方を海に囲まれ、ヨーロッパと陸続きになる一方は3重の堅固な城壁に阻まれた特徴のある形をしています。歴史が好きな人なら、角の形に切れ込んで、新市街と旧市街を分かっている金角湾を見れば、「ああ、ここの入り口を大きな鎖で封鎖したのだなあ」とか新市街の丘陵を見て「メフメット2世は、ここを船を運んで山越えをしたのか」など、コンスタンチノープル陥落の歴史絵巻が脳内に繰り広げられるはず。イスタンブール鳥瞰図は、その重厚な歴史を実感できる光景なのです。

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青く輝くボスポラス海峡にかかる二つの大橋、その向こうに見えるアジア大陸。すべてがくっきりと確認できる上空では、みんな眼下の景色に釘付けになります。あんなに迷路のようだと思ったグランドバザールも、上空から見ると多くの小さなドーム屋根が規則正しく連続していて、なんだか不思議な気分です。

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15分以上のツアーでは、エユップや新市街のほうも見ることができます。トルコ中の建物のミニチュアが並ぶテーマパークミニアチュルクを本物と勘違いする観光客も。新市街タキシムが近づくと、車や人までがはっきりと見え、自分の宿泊ホテルを上空から撮影してみたり。人それぞれ、いろいろな楽しみ方があるものですね。

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料金は飛行時間や登場人数によっても違いますが、10分100ユーロから250ユーロほど。同乗したイギリス人カップルがヘリを降りた後にいいました。「まるで、魔法のじゅうたんに乗った気分だったよ!」プロボーズのためにヘリを借り切ったカップルもいたとか。アジアとヨーロッパの間に浮かんだヘリの中でのプロポーズ、もちろん返事はイエスだったことでしょう。

古き良きイスタンブールへ

26 1月
2011年1月26日

イスタンブール新市街の中心と言えるベイオウル地区は、目抜き通りであるイスティクラル通りを中心に、80-120年もの歴史を経た建物がたくさん残されています。今も教会や各国の領事館が集中するこのあたりは、昔から外国人が多く住み着いた地域で、一般のビルの設計もイタリアやルム風のものが多く、イスタンブールの中でも独特の、歴史と異国情緒を同時に感じさせるノスタルジックでおしゃれな繁華街となっています。

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そのベイオウル地区の中から、今日はチュクルジュマを散歩することにしましょう。新市街のへそ、タキシム広場から伸びるイスティクラル通りとその隣のスラセルビレル通りに挟まれたこの地域には、数多くのアンティークショップが点在しています。建物自体も天井が高く、ドアや窓が縦に細長い、いわゆるベイオウルエブレル(ベイオウル風の家)といわれる作りのものが多く、露出させたレンガにアラビア文字のサインが入っていたり、地域全体がアンティークショップのよう。

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豪華な大型家具から古道具屋まで、点在する店は個性豊か。細かい雑貨が雑然と置いてある店で掘り出し物を文字通り発掘するもよし、きちんと整理して展示された店で、そのもののたどった歴史を教えてもらうもよし。自分だけの一点ものティーカップを見つけて、帰国してから優雅なタイムトリップを楽しむなんていうのも面白いと思いませんか。

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銅や真鍮細工も有名なトルコですが、時間を経たものには一層豊かな味わいがあります。細かな手作りの銀細工が施された下駄は、昔ハマムで貴婦人たちが使っていたもの。大理石の蒸し風呂であるハマムは、昔はそこで母親たちによる嫁候補選びが行われたといわれたり、最近も

女性だけの婚前パーティが行われたり、ちょっとした社交場でもあるのですね。

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次から次へと店をはしごしながら、どんどん坂を下っていくと最後にはガラタ橋の方向に出ます。1001の顔を持つ街イスタンブールの、また違うひとつの顔を発見できるルートです。

ご近所さんちでパーティ

22 12月
2010年12月22日

トルコの一番いいところは、人懐っこいトルコ人たち。旅人でも、少し知り合いになる機会があると、すぐお茶に呼んでくれます。今日は、イスタンブールのイスティニエにお茶に招かれることにしましょう。

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イスティニエはボスポラス海峡に面した港町。高速道路に近い坂の上のほうには、高級ショッピングセンターができ、それを取り巻くように新興住宅地ができてかなり雰囲気が変わりましたが、海に近いほうには、小さな魚市場や商店街が残っていて、下町の雰囲気があります。この商店街のご近所さんが集まって、ギュヌと呼ばれるパーティをするのです。

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ギュヌは、その日、という意味。気の合う仲間で行う女性たちのホームパーティです。昔はその度に少しずつお金を集めて金を買い、それぞれ当番の人が受け取るなど、貯蓄の機会となることもあったようです。それぞれ作った料理を持ち寄ったり、順番に家を回ったりします。今では何も特別なことはありません。赤ちゃんがはいはいをし始めたのを祝うとか、新しく作った手芸品を披露するとか、誰かの誕生日だとか、理由もなんでもいいのです。みんなで集まって、食べておしゃべりして、楽しむのが目的です。

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女性たちの年代は、幅広いのが一般的です。おばあちゃんから若いお嫁さんまで、それぞれの話を、みんなでああだこうだと膨らませます。美容の話、子供の教育の話、あたらしいセーターのモチーフの話、政治の話、ドラマの話、料理の話・・・・話が尽きることはありません。何人かの手には毛糸やレース糸、刺繍枠などがあって、話を楽しみながらも手芸を続けたりします。傍らにはガラス容器に注がれたチャイ。チャイは2段式の大きなやかんに沸かしっぱなしにして、何杯も何杯もお代わりします。

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昔はきっと、日本にもこういった光景はあったのでしょう。トルコを懐かしい気がするという人が多いのは、こういった光景がいまだみられるからかもしれません。ただ残念なことに、トルコでも都会化が進むにつれて、こういった機会は急速に失われつつあります。あなたにも、トルコのチャイと人々の温かさに触れる機会が訪れますように。

ポーランド村にピクニック

05 12月
2010年12月5日

今年は11月になってから天気が良いぽかぽか陽気が帰ってきたので、終末におでかけする車の群れが、毎週末長い列を作りました。

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イスタンブールっ子の一日逃避行に人気のあるスポット、ポロネズキョイを見てみましょう。ここはトルコ語で、ポーランド人の村といわれるところ。近代史において列強に翻弄されたポーランドの歴史物語は皆さん、良くご存知のところでしょうが、18世紀から当時のオスマントルコとポーランドの関係は良好だったといわれています。1842年にここにポーランド村が作られ、移民として受け入れられたポーランド人たちが、トルコの国籍と土地を得て定住していった場所です。今では、豊かな自然の中にレストランやペンションなどが建ち並ぶ、人気のハイキングスポットに。なんてったってここはまだ、イスタンブールの中。中心部から30キロほどしか離れていないので、渋滞さえなければほんの30分あまりのドライブで、紅葉美しい森の中の村にたどり着くことができるのです。

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朝早くから訪れる人々は、きれいな空気の中で村風の朝食を取るのが目的です。地鶏のオムレツやポロネズキョイ特製のハムやソーセージ、さまざまな種類のチーズに、庭で取れた果物から作った自家製ジャム。都会のストレスを忘れられると人気のスポットですが、公共交通機関がないため、外国人観光客はほとんど目にしません。

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お昼ごろからはBBQが人気。セルフサービスのバーベキューサービスを歌った店がたくさんあり、レジでお肉や野菜を買うと、赤々と熾した炭を入れたバーベキューセットを店員さんが陣取った野外テーブルまで運んできてくれるのです。煙と香ばしい匂いがあちらこちらから漂ってきます。食事のあとは、炭火で入れるトルココーヒーも忘れずに。ゆっくりと温められたコーヒーは、細かくたった泡と豊かな香りが極上の味わい。空気のおいしさも手伝って、街の喫茶店とは一味もふた味も違います。

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夏にはポーランドの民族ダンスを披露する祭りなどのイベント、冬には暖炉。いろいろな楽しみ方ができる森の中の村に出かけてみませんか。道に飛び出すバンビに注意!

トルココーヒー物語

19 11月
2010年11月19日

トルココーヒーを飲んだことがありますか?

小さなデミタスカップで飲むこのコーヒーは、フィルターで漉してありませんから、粉の沈殿するのを待って上澄みをそっとすするように飲みます。水と細かくひいたコーヒー豆をジェズベと言われる専用の小なべに入れ、火にかけて、細かい泡を立てながら作ります。好みの量のお砂糖は、最初からこのなべに入れますから、注文するときには砂糖の具合を言っておかなければなりません。「ORTA(普通に)、Az Sekerli(砂糖少な目)、Cok SEKERLI(砂糖たくさんで)」といった風に。ミルクは入れません。

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もともとコーヒーはトルコにとっても外国から、特にアラブからもたらされた飲み物です。しかしコーヒーはトルコ人の生活にすっかり定着し、今でも正式なおもてなしはチャイよりもトルココーヒーといわれます。日本人にとっては、コーヒーといえばエスプレッソのイタリアだったりカフェオレのフランスだったりヨーロッパのイメージが強いかもしれません。でもヨーロッパのコーヒーの出発点といわれるベネチアに、コーヒーを伝えたのはトルコ人。トルコのコーヒー文化は、よりオリジナルに近く由緒正しいのです。かのスターバックスでさえ、トルコ参入時にはきちんとトルココーヒーを研究し、店舗で提供し、「たばこはコーヒーの味を壊す」というポリシーさえ、トルコ人の「たばこはコーヒーの味を引き立てる」説の前にひざを折っている状態です。タバコがどうしても止められないあなたには、とてもいい国なのかもしれません。

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トルココーヒーは、飲んだ後にもうひとつのお楽しみがあります。カップに残った沈殿物がまだ熱を失わないうちに、ふたをするようにソーサーを乗せ、えいっと上下一回転させてひっくりかえします。早く冷ますために、今では上に来たカップの底に、指輪を置いたりして。冷えたら霊感の強い友人の下へ、いそいそと運びます。友人は厳かにカップを受け取り、ゆっくりとあけます。カップの中には底から流れ落ちたコーヒーの沈殿物が複雑な模様を作っています。

「背の高い男の人が見えるわ。あなたの手にキスして求婚している。2という数字が見えるから、2週間、2ヵ月後なんかが考えられる。でもほら、ここ。太った背の低い人がそっぽを向いている。お父さんは身長低い?あまり賛成ではないみたい。短い道がある。バイラムで田舎に帰るの?・・・」

そう、これは占いなのです。今では占い師のいるカフェもあり、どこも女の子たちでいっぱいです。

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写真はトルココーヒー占いをデザインしたカップ。お金が手に入るわよ、がドルマーク、旅行にいくわよ、が飛行機。エスプリの効いた一品です。

トルコへきたなら、ぜひ一度、トルココーヒーをお試しください。

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