アメリカの高校生のビッグイベント「プロム」の季節
日本と違い、アメリカでは新学期の開始は9月から。長い夏休みはだいたいの学校で6月から始まります。
そろそろ学年末が近づく季節。あちこちのデパートやブティックではプロムのためのファッションセールが開催されています。
プロムといえば日本にはない習慣ですが、アメリカの映画やテレビドラマでなんとなくご存じの方もいらっしゃるはず。
映画「グリース」や「メリーに首ったけ」、「アメリカン・パイ」、昨年上映された「私の中のあなた」などにもプロムのシーンが出てきます。
最近は季節がらか、テレビで放送されている映画も、プロムのシーンが出てくるものが多いようです。
アメリカやカナダの高校で、少年少女から一人前の大人になる門出を祝うのが プロム (Promenade = プロムナード) です。
高校2年から3年に進級する時に行われるのがジュニア・プロム、そして最も重要なイベントはが高校卒業時のシニア・プロムです。
女の子も男の子も大人としての自覚を示す意味で盛装してペアで参加するパーティですが、ただの ダンスパーティーをはるかに超えて、
一人前の人間となった自分を世に示すという意味があります。
男の子も女の子も、プロムの何ヶ月も前から一緒にプロムに行く相手探しに大変です。
普通は、男の子の方から申し込むのがキマリですが、男の子は相手に断られたらカッコ悪いし、女の子は誰も誘ってくれなかったら困るし、
恋人のいない高校生にとっては色々と心悩ます時期です。
会場は学校の体育館や、ホテルの宴会場などが一般的。
会場ではロックバンドやDJが場を盛り上げ、出席者はダンスや食事などを楽しみます。
女の子は自分の着るイブニングドレス選びに大騒ぎ。アメリカには、イブニングドレス専用のカタログ雑誌まで売っています。
また女の子は、相手の男の子にブートニエールを贈ったりします。ブートニエールとは、ボタン穴に差す一輪の花のことで、結婚式などの
正式な場で身につけます。元々はボタン穴に差すものですが、ピンで留めるものもあります。
男の子は男の子でタキシードのレンタルの予約と仮縫い、パートナーに贈るコサージュ選びに走り回ります。
このコサージュは、ドレスアップした女の子の片手首に巻く花飾りで、色は相手の男の子のブートニエールにマッチしたものを選びます。
女の子のドレスアップ の仕上げは、これをつけるか肘上までの長い手袋をつけるかどちらかになります。
卒業試験も終え、心はプロムでいっぱいに。二次会の趣向を練ったり、リムジンの手配等で、社会勉強に精を出します。
アメリカ人が晴れの場で乗るのが大好きなストレッチリムジンを、5組10人で借りきり、カップルで割り勘したりします。
親達は、年々かさむ費用、未成年飲酒、ドラッグ、非行、事故や安全の懸念等で頭が痛いことでしょう。
多くの親は、明け方に娘や息子が無事帰宅するまでまんじりともせずに過ごすそうです。でも、その親達も、かつては通り過ぎた道。
プロムは、アメリカのハイティーンにとって、勝負を賭けたビッグイベントです。