アレブリヘのパレードがあった。これは去年から恒例になったようだ。
写真の説明 :パレードの様子
さて、アレブリヘと言っても、何だか分からないと思うが、これは、メキシコの民芸品の一つ。 オアハカ地方のサポテカ族の民芸。木から彫りだして独特の彩色をほどこした動物などの彫刻です。 曲がった枝などのもとの形を巧く活かすことから、デフォルメされた面白い木彫りが生まれます。 一つ一つの木が違うから、決して同じものはない。人間が一人一人違うように、木にもそれぞれ個性がある。 それに民芸作家の想像力と独創性が加わり、実にユニークな作品が多くある。 しかも、華やかな色彩で、これでもか!これでもかの色の模様が塗られていて、その一つ一つの模様が手描きで描かれるというもの。 民芸品というのはもちろん手作りなのだが、このアレブリヘの手作り根気には、脱帽だ。
写真の説明 :民芸品のアレブリヘいろいろ。
さて、この民芸品のアレブリヘを、もっと大きく紙で作った張りぼて人形のアレブリヘのパレード。 一つ一つ見ているだけで、楽しくなる。
色んな人、団体が、自分の想像性、芸術性を多いに発揮して、アレブリヘを作り、パレードに参加している。
この色使い、これは、まさにメキシコだ! そして、誰かが言ったよね。メキシコは全てがシェルリアリズモだと。 そう、このアレブリヘの数々をみていると、その言葉にも納得! こんな芸術、民芸品は、メキシコ人だからこそできるのかもしれない。
実に愉快でユニークで楽しい!
作る人も楽しいだろうが、見る人も楽しい。
写真の説明 :パレードの前日、街を歩いていたら、ある民芸品のお店の前で一生懸命明日のパレードのためのアレブリヘを作っていた。 間に合うのかしら?多分間に合ったでしょう。メキシコ人ってラストスパートがすごいんだから。
写真の説明 :パレードの後、レフォルマ大通りに展示された。みんなに大人気だった。
現実の厳しい生活苦を皆忘れて、この超現実の中に、笑いと楽しみを見つける事が上手いメキシコの人々がいる気がしてくる。
この一つ一つのアレブルヘを見ていると、このパレードのためだけに、この大きな作品を作るのに、使ったであろう労力と時間を考えるとメキシコ人の意外な根気に感心する。
メキシコの特に田舎の先住民の作る民芸品など、気の遠くなるような時間を費やして民芸品を作っている。あたかも、時間が永遠かのように。
アレブリヘだけでなく、メキシコの街を歩いていると、いろんなものにそのメキシコの色使いやまた超現実的なものに出っくわすかもしれない。 それは、案外、メキシコ的であるのかもしれない。