ボラドーレス(Voladores)は昔の宗教儀式


今年の世界無形文化財に選ばれたボラドーレスは、メキシコの先スペイン期文化の中での宗教儀式の一つである。
先古典期の時代から、それらしい儀式が行われていたというものである。

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写真の説明:メキシコシティ 国立宮殿内のディエゴ・レベラの壁画部分
トトナカ族のエル・タヒンの都の様子が描かれた絵 ボラドーレスの儀式が行われている。

メキシコシティの人類学博物館の前で、またテイオティワカンの遺跡で、エル タヒンの遺跡で、トゥルム遺跡などなどで観光向けに主にトトナカ族の人がやっているのをみる事ができるので、機会があったら是非一見してみてください。
観光地、遺跡などで行われているボラドーレスの様子

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写真の説明:まず、ポールの周りをぐるぐる回りながら踊る。

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写真の説明:するするとポールに登り、紐を柱に巻きつけ、その端を体に縛り付ける。

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写真の説明:そして、一斉に宙に身を投げ逆さになって回転して降りてくる。

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写真の説明:普通はポールの上で太鼓を叩き笛を吹く人がいるのだが、この場合、降りてくる人の一人が笛を吹いていた。

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写真の説明:地に頭が着くぞ!と思うと、ぐるりと回転して猫のように着地

トトナカ族の人とは主にのエル タヒンの遺跡の地方に住む部族である。

ボラドーレスの踊りとして、民族舞踊という形で、植民地時代、昔の先住民の宗教儀式が禁止された中、形を変えて生き残ったものであろう。

昔の宗教儀式は、トトナカ族の豊穣信仰、またアステカの太陽信仰などとして行われたものであるらしい。
世界の東西南北を表す4人の人が逆さづりになって高い柱の上から回転して降りてくるアクロバット的なものである。
柱の一番上では足踏みをしながら笛を吹き太鼓を叩くもう一人の人が踊る。
儀式的に4人の人がそれぞれ13回転して降りてくる事になっている。
4×13これも重要な意味があった。
4×13=52 それはまさにメソアメリカ文明においての1世紀、カレンダーのひとつの大きな区切りを表す数である。

メソアメリカ文明において暦は大変重要な宗教的意味があった。
暦の特別の日はそれぞれの神を祭る日でもあった。
彼らは、太陽暦の365日の暦と宗教暦というもう一つの260日の暦を使い、その二つの暦をあわせ使用して、太陽暦の52年目が二つの暦の始まった日にぴったりと戻ってくる日になる訳で、
その日、新しい火の祭りという、つまり新世紀の祭りを大々的に行ったものである。

今は柱は鉄骨の柱であるが、昔はもちろん一本の高いまっすぐな木を柱にした訳である。
昔はそんな高いまっすぐな木があったらしい、今はそんなに高くますっぐな木はあまり存在しなくなったらしい。
諏訪大社の御柱祭りではないが、その木を柱として切り出し、地に柱を触れさせる事なく運び、ふたたび、まっすぐ空に向かって立てる事は多くの人々の神への信仰という共同の力でなされたものであっただろう。
その宗教儀式は、木を切り出す事から始まったらしい。木に感謝し、木を切る事をお詫びして。

メキシコを旅したら、きっとボラドーレスを見るチャンスにめぐり合うでしょう。

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