クリスマスの月12月。12月になると、メキシコ中がクリスマス一色。
どこもかしこもクリスマスの飾りつけで、否でも応でもクリスマス気分にさせられる。
あのクリスマスの飾りつけ、家の建物全部をピカピカとイルミネーションで飾る飾りつけは、
メキシコ人の得意技かと思ったら、最近日本へ里帰りして、日本でも家をピカピカの飾りつけする家もあってびっくり。
他の国でのクリスマスの祝い方はどうか分かりませんが、
たぶんメキシコ独特の祝い方がポサーダというクリスマス前のパーティーと
そのパーティーで欠かせないピニャータだろうと想像する。
12月は兎に角クリスマス一色な訳だが、そのたけなわは12月16日に始まる。
それはポサーダ(宿という意味)というキリスト生誕日前の前奏だ。
それは故事によると、王が救世主が生まれてくるという噂を聞き、
2歳以下の子供と生まれてくるすべての子供を皆殺しせよという命令をだした、
その難を逃れるために、妊娠していたマリアと夫のヨセフが、放浪の旅にでた。
そして、ベツレヘムにやって来た。
そこでイエスを馬小屋で生む。
その間、日々宿を請い旅したと。その宿請いがポサーダである。
妊娠9ヶ月を9日にたとえ、ポサーダは24日までの9日間続く。
だから、ポサーダのパーティーが始まる前に必ずしなければならない儀式が、宿請い問答歌である。
マリアとヨセフの放浪の旅を真似、道を練り歩く、マリアやヨセフの仮装をしたり、その人形をもったりして。
そして、ポサーダのパーティーをする家にやってきて、家の前で問答歌を歌う。
(写真説明:ロウソクをともして家の前でポサーダの問答歌を歌う人々)
「一夜の宿を貸してください」
「何処の誰とも分からない人に宿は貸せられません」
。。。。。。。。。。。などなど。そして最後は、
「是非 貸してください。私の妻が神の子を宿しているのです。」
「それでは、どうぞ、お入りください」
となり、ポサーダのパーティーの始まりです。
さて、そのポサーダに絶対欠かせないのが、子供が大好きなピニャータである。
ピニャータのルーツをたどると中国の豊饒祈願に辿り着くという説もある、
メキシコでは、植民地の初め、カトリック布教のために使われたのが始まりだと言われる。
伝統的なピニャータは、土鍋というか土壷に色紙を貼り付け、7つの角をつけたもの。
この7つの角は、人間の7つの大罪を表しているとか。
この壷の中にフルーツやピーナツを入れ、紐でつるし、ゆらゆら動かす。
それを、目隠しをして棒でたたいて、くすだま割のように割る。
ピニャータが割れると、みんなで、フルーツやピーナツを拾う。
(写真説明:クリスマスの季節になるといたるところでピニャータが売られている。
子供はピニャータが大好き。
最近のピニャータは角が少なくなったようです。
殆どのピニャータが5個くらいしか角がありません。
人間の罪が少なくなった訳ではないのでしょうが。。。。)
これは、罪、悪を、信仰の棒(信仰とは、目隠ししたようにただ信じる事である)で叩き壊す事により、
その報酬として、神の恵みをもらえるというもの。
そんな、ポサーダやピニャータの屁理屈は、みんなが考えてる訳ではないでしょうが、
みんなメキシコ人は、兎に角、ポサーダを楽しみ、子供はみんなピニャータ大好きで、
今夜も、ポサーダのパーティーの声が、町中に響いているようです。