「ベトナム/胸が小さいとバイク運転禁止?」

02 11月
2008年11月2日

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先日「胸が小さいとバイク運転禁止?」というベトナムの珍制度に関するニュースが
インターネットなどで報道されたのを目にした方もいると思う。
バイクと胸のサイズの何の関係が???とびっくりされると思うが、
実はこれは胸のサイズというより胸囲のこと。

交通事故削減を目的に、医療省が「運転免許発給の健康基準」を公布、
60項目にわたる健康基準をクリアしないと運転免許が発行されないということになった。
例えばバイクの場合は、身長が145センチ以下、体重が40キロ以下、胸囲が70センチ以下の場合は、
50cc以上のバイク運転免許の発給をうけることができない。
さらに病気や障害についても細かく規定されており、肝硬変や椎間板ヘルニアだと自動車は運転できず、
左右の腕の長さの差が自動車の場合は3センチ、バイクの場合は5センチあるとダメ。
そんなことが運転と関係あるのか、ということまで細かく規定したものであった。

案の定国民からは大反対。新聞は連日反対意見を報じた。
読者の投稿もたくさん掲載されており、
「私の母親は戦中生まれで栄養が不足していたため体が小さく、身長は145センチ以下。
しかし今まで事故を起こすこともなくバイクで仕事に行き、子供を養ってきた。
バイクに乗れなくなったら今後どうやって生活すればよいのか」
「自分は身長は145センチ以下だが、何年も運転していて事故を起こしたことは一度もない。
この基準はいったい何を根拠に設定したのか」
という意見があいついだ。
専門家からの反対意見も多数掲載された。
医療省自身も「実際にそぐわないものは改正する」と発表しており、なんとも心もとないスタート。

そして、発表から2週間後、この珍規制は撤回されてしまった。
あれだけ反対意見が多かったからなあ、と思って新聞記事を読んでみると、撤回の理由は、
司法省より「本決定は医療省の権限から逸脱したもの」との指摘が入ったからとのこと。
何のことはない、最初からこんな決定を出す権限がなかったのだ。
これだけ世間を騒がせておいて、根本が大きく間違っていたとは!

省庁間のすりあわせが出来ていないとか、新規定が従来からの有効な他の規定と矛盾がある、
といったことはベトナムではありがちなはなし。
でも今回の規定は根本からズレていたということで、ほんとに「珍規制」であった。

交通事故削減を目指すなら、今のように学科試験と実技(8の字で運転するだけ)ではなく、
運転マナーに関する講習とか、事故の写真をたくさん見せるとかのほうが効果が高いと思うけれど。
大規模なODAもベトナムは必要としているのかもしれないけれど、
こういった教材作成支援といったものもやってほしいなあと思う。

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